パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

2016新作 一覧

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昨年の2016年にパテックは永久カレンダーの代表的モデルを大胆にチェンジした。37.2mm径のRef.5140(上画像)の18金モデル(プラチナ除く)を全て生産終了し、その後継機として1.8mmサイズアップさせたRef.5327(下画像)を発表。スッキリでシンプルな印象の前作に対して、時分針は武骨目なドーフィンから少し色気を感じるリーフハンドになり、アワーインデックスはバーからブレゲアラビックに変更され、ミニットインデックスも少し大振りになって受けるイメージはかなり変わった。特にホワイトゴールドバージョンは前作のあっさりしたシルバーから昨今流行りの青文字盤と同色の青ストラップの採用で完全に別物の新しい時計になっている。
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ケースサイドは現代パテックの最先端デザインが採用されている。すなわちラグにかけての横っ面の大きなえぐり込みとベゼルの逆ぞりである。このデザイン特徴がこの時計の方向性を示しており、パテックを代表する顔でもある永久カレンダーにも現代流の新しい解釈がなされたように思う。サイズの微妙なアップについてはトレンド的に少し遅い気がする方もいらっしゃるかもしれないが、元の37.2mmが充分に小さいので39mmに大き過ぎ感は全くない。厚みもバランスを取るためか約1mm弱厚くなった。
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搭載エンジンは極薄自動巻きマイクロローターのCal.240に永久モジュールを組み込んだ前作Ref.5410と全く同じである。今年40周年を迎えたこの偉大なムーブメントは、ワールドタイムや超絶クラスのセレスティアルにまで本当に幅広く長きに渡って使われている。例年バーゼルのパテックブースで展示される希少なハンドクラフトとして展示されているクロワゾネなどの装飾文字盤モデル(2針カラトラバクンロクタイプ)もほぼ全てこの極薄キャリバーが積まれている。恐らく様々な装飾による文字盤の厚みがクリア出来て秒針も不要なので最適なエンジンなのだろう。

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Ref.5140Gー001 自動巻永久カレンダー
ケース径:39.0mm ケース厚:9.71mm ラグ×美錠幅:19×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:WGRGYG 
文字盤: ロイヤルブルー サンバースト ゴールド植字ブレゲ数字インデックス
ストラップ:シャイニー(艶有)ネイビーブルーアリゲーター
バックル:フォールデイング(Fold-over-clasp)
価格:税別 9,520,000円(税込 10,281,600円)2017年8月現在

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Caliber 240 Q 

直径:27.5mm 厚み:3.88mm 部品点数:275個 石数:27個 受けの枚数:8枚
パワーリザーブ:最低38-最長48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動 
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)

PATEK PHILIPPE 公式ページ 

文責:乾

在庫についてはお問い合わせください。



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昨年のバーゼルはこのモデルの話題で随分盛り上がった。音系とカレンダーを除いた2大コンプルケーションともいえるワールドタイムとクロノグラフとの夢の組み合わせ。今まで無かったのが不思議だなと発表時には思ったものだが、実は毎日のようにその原型となった時計を見ていたのだった。本ブログのテキスト的存在の「PATEK PHILIPPE GENEVE」HUBER & BANBERY著のブックカバー掲載のRef.1415HUがそれ。手巻きクロノグラフに初期型のワールドタイムを組み合わせたスペシャルオーダーのユニークピース(製造No862 442)。一番外側のシティディスクは手動で、インナーの24時間リングはリューズの時刻調整と連動して操作する形。現代では別々のLONDRES(LONDON)とパリが同じタイムゾーン。東京はTOKIOとされ隔世の感がある。
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ところでこの時計の解説文には30分計クロノグラフとの記載があるが、どう見てもそれらしき機能は見られない。ただこの時計にはパルスメーター(脈拍計)が2系統も用意されている。外側の220-20目盛が15回の脈を数えて1分間の脈泊数を知るレールで24時間計の内側60-10目盛のレールは5回の脈で1分脈拍を読むチョッとずぼらな脈拍計。他ブランド等の手巻きクロノグラフでパルスメーター付を見てみると30回脈で測定するタイプが多い。想像するにこの時計はタイムゾーン移動の多い医療関係者が積算目的ではなく脈拍測定を主な用途としてクロノグラフ機能を特注で附加したのかもしれない。
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翻って現代版にはやや小ぶりな30分積算計が付きパルスメーターは無い。タイムゾーン移動はリューズではなく10時位置のプッシュボタン一つで短針とシティディスク&24時間ディスクを連動して1時間単位で同時に変更できる。これは1959年にジュネーブの時計師ルイ・コティエ氏が開発・特許化した技術。実に60年近くにわたって使われ続ける実用的な仕組み・・誠に機械式時計の世界は息が長いと言うか何というのか・・
ダイアルセンターは定番ワールドタイムに倣ってギョーシェ装飾が施されている。紋様はシンプルかつ力強くモダンテイスト。ちなみにクロノグラフはパテック最先端の垂直クラッチ搭載のフライバック付き。キャリバーで言えば自動巻CH28-520系なのだが、初見では一瞬手巻きではないかと思ってしまった。それは各プッシュボタンの形状がスクエアかつ上下面がサテン仕上げになっているためだ。この組み合わせは現行ラインナップでは初めてのハズ。まあ30分計が6時位置なのでキャリバーは限られるのだけれど・・
ラグの形状もワールドタイム繋がりでか段差付きのウイングレットラグ。
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尚、クロノ秒針がこの時計では通常秒針として使用可能である。これはパテック開発の優れた垂直クラッチの賜物である。また24時間ディスクとシティディスクの間にある秒スケールは28800振動(4Hz)に合わせて4分の1秒で刻まれている。どうもこの時計ケース形状はクラシカルながら顔は結構モダンである。
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フルローター自動巻きに垂直クラッチという厚みが出る組合せにワールドタイムモジュールを組み込んでいる。それでもムーブ厚さを7.79mmに抑えている。構成部品数343個もあるというのに流石です。実はスペースの都合で30分計の位置がオリジナルから微妙に変更されているらしい。ケース厚さ12.86mmもスクリューバックケースに両面スケルトンなら妥当な厚みか。

Ref.5930G-001 ワールドタイム自動巻フライバッククロノグラフ
ケース径:39.5mm ケース厚:12.86mm ラグ×美錠幅:21×16mm
防水:3気圧
ケースバリエーション:WG
文字盤:ブルーオパーリン ハンドギョーシェ 蓄光塗料付きゴールド植字バーインデックス
ストラップ:マット(艶無し)ネイビーブルーアリゲーター 
バックル:フォールデイング(Fold-over-clasp)
価格:税別 8,040,000円(税込 8,683,200円)2017年8月現在

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チョッと飛び気味になってしまった後ろ姿。

Caliber CH 28-520 HU:ワールドタイム機構付コラムホイール搭載フルローター自動巻フライバッククロノグラフムーブメント

直径:33mm 厚み:7.97mm 部品点数:343個 石数:38個 
パワーリザーブ:最低50時間-最長55時間(クロノグラフ作動時とも)
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)

PATEK PHILIPPE 公式ページ 

文責:乾
参考:Patek Philippe Internaional Magazine Vol Ⅳ No.2
Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P.270




遅ればせ過ぎながら、1月末と言うのに・・・謹賀新年、本年も超しつこい瞑想(迷走?)ブログよろしくお願いします。
年始からバタバタ、バタバタと超多忙で昨年中に書き溜めていた下書きが月末までアップできない忙しさのカサブランカ年初でした。目の回る忙しさの割に金額はさほどでも無い。何とも不思議、不思議・・そりゃそうや!今年は酉年、バタバタ貧乏なる言葉有りますがなぁ!

現在、年次カレンダーの顔は3つ。すなわち初代の流れを汲むRef.5146系の2つ目サブダイアル針表示タイプ。前回記事紹介の12時側に弧を描く3つ窓表示のRef.5205の弓窓タイプ。1940年~50年代に盛んに永久カレンダーに採用されたインライン2つ窓表示のRef.5396系のダブルギッシェタイプである。
年次カレンダー発売20周年を迎えた2016年に記念モデルとして発表されたのが、唯一過去の偉大なレジェンドからインスパイアされたRef.5396であったのはごく自然な流れだったのかもしれない。
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従来のバーからブレゲアラビア数字にインデックスの変更だけながら、WGケースだけは文字盤ベースカラーが従来無かったダークなチャコールグレイに変更されている。改めてこの顔とブレゲ数字の組み合わせアーカイブを探すもコレと言うのが見当たらず、偶数時間(12,2,4,8,10)のみ正体ゴシックアラビアタイプ(下画像:1941年Model1526)が幾つか見つかった。もちろんシンプルウオッチならカラトラバRef.96ケースにブレゲ書体のフルアラビアインデックスは珍しい事も無く様々な年代で使われているのだが・・

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PATEK PHILIPPE GENEVE(M.HUBER & A. BANBERY) P.282
どうも2016年の新製品にはブレゲアラビア数字のインデックスが多用された気がする。永久カレンダーRef.5327、永久カレンダーミニットリピーターRef.5374R等々・・
たぶんこの流れで記念モデルのRef.5396もブレゲアラビアのインデックス採用となったのだろうか。部分変更ながら受ける印象は全く違う。凛としたクールな印象のバーに対して何となく優し気で暖かいイメージがある。好き嫌いはハッキリと別れそうだ。下衆ながらコスト面では時間毎に異なるアラビア植字が絶対に高いハズだ。個人的には斬新なイメージのニューカラーダイアルのWGの渋さにヤラれた。
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正面からは膨らんだドットにしか見えない秒インデックス。実は真逆に彫り込まれて凹んでいる。完全な目の錯覚なのだが、この手法かなりの割合で現行パテックコレクションで採用されている。印刷物や普通のモニター画像ではまず解らないので愛機や店頭の実機をルーペでご覧になってください。初めて見ると目からウロコですので是非おススメ致します。
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もっと鮮明に撮りたかったがこれが限界。微妙な曜日(SAT)と月(MAR)の段差。いわゆるダブルギッシェの2枚のディスクは少し重なってしまうため月が曜日ディスクの下側にセットされている。所有機(Ref.5396R-011)を1年半愛用していてもマクロレンズから覗いて初めて気付かされたミクロ決死圏(古っつ!)だった。

Ref.5396G-014年次カレンダー
ケース径:38.5mm ケース厚:11.2mm ラグ×美錠幅:21×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:WG別ダイアル有)、RG別ダイアル有
文字盤:チャコールグレイサンバースト ゴールド植字インデックス ブレゲ数字インデックス
ストラップ:マット(艶無)ブラックアリゲーター 
バックル:フォールデイング(Fold-over-clasp)
価格:税別 5,230,000円(税込 5,648,400円)2016年11月現在

以下過去記事より転載
搭載キャリバーは21金フルローターを採用したパテックを代表する自動巻きCal324に年次カレンダーモジュールを組込んでいる。
カレンダー系の操作は禁止時間帯等あって気を使うが、パテックの場合は殆どの物が午前6時(例外あり)に時刻を合わせてプッシュ操作を行う。ムーンフェイズはいつもネット検索して確認していたが、パテックHP内にある確認ページが結構便利である。
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個人的にフルローター自動巻きの裏スケルトンには一抹の気色悪さをいつも感じてしまう。ただパテックの場合はローターの仕上げが尋常でなく美しい。接写しながら改めてそれを感じた。PCモニター画像ではそれを表現しきれていない。デジ一眼のモニター画面では惚れ惚れする輝きと色気があったのだが・・・
上が1年以上前掲載の愛機の背中、下が昨年に展示会サンプルを急ぎ取りした裏スケなのだが少々愛情不足なのは否めないかナァ~

Caliber 324 S QA LU 24H/303

直径:33.3mm 厚み:5.78mm 部品点数:347個 石数:34個 受け:10枚 
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動 
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

2017年1月31日現在
5396G-014 お問い合わせください
5396R-012 お問い合わせください
5396G-011 店頭在庫有ります
5396R-011 お問い合わせください
(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)

※年末年始にスタッフが新天地に旅立ちましたので当分の間、かなり不定期な更新になりそうです。只今、時計屋希望者募っております。安月給で良ければパテックと至福の日々が過ごせます。

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今年の新作で最も期待値が大きかったのがワールドタイム。今春早々に超希少品で少々特殊なクロワゾネ(有線七宝)文字盤のローズゴールドケース1品番を除き全てが生産中止発表になった人気のRef.5130。当然後継モデルが出て当然なのだがローズとホワイトのレザーストラップタイプのみの2本限りは個人的には肩透かしされた感じ。
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恐らくプラチナはそのうち追加されるのではないか。ただイエローゴールドはどうなのか?今年の新作でイエロー素材は新しい永久カレンダーRef.5327Jの一点きりである。ちなみにローズは12点もあって、あまりにも差が激しい。
ここで少し脱線して、いくつかの時計ブランドを調べると、はたしてイエローゴールドケースは絶滅危惧種状態である。そんな中で今年APのロイヤルオークが新たにYGをラインナップし直してきたのはニュースですらある。パテックも随分と偏ってきているが、ド定番モデルにはほぼイエローが踏みとどまってる。2016カタログを素材別に追っかけたのが下表。
注:ノーチラスクロノRG/SSコンビ1点はSSとした。
素材分析表.gifプラチナがグラコンで最多の素材であり、全体でもステンレスと同数なのは流石にパテックならではだが、ここまでRGが多いとは正直ビックリ。特にレディースでYG貧弱化が顕著で、YG全14Ref.中でRef.7121Jのブレスストラップの2型のみしかない。断捨離好きなのに妙に物持ちが良い姐がたまたま取っていた今や貴重な2000年のカタログを開く。
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いやぁ~まあイエローだらけ真っ黄色だ。掲載モデルの7割弱がYG。右端には今回紹介の現代ワールドタイムの初代Ref.5110のプラチナとローズが居るがYG・WGが見当たらないので全モデルは掲載されていない。カタログと言っても縦30横70cmの薄手のコート紙の裏表という実に簡便な印刷物で現行カタログとは隔世の感がある。ネプチューンなど今はもう無いシリーズもあったりするので取り合えず別刷りのプライスリストから素材別に拾って見たのが下表。
注:ゴンドーロガブリオレRG/WG1型はWG、ノーチラスとネプチューンのYG/SS2型はSSとした。
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全リファレンス数はほぼ同じ。圧倒的なYGにRGを加えて金色系115Ref.(55%)と半分を超えている。この16年で激減したYGの大半はRGとなり一部PT、SSにもシェアを明け渡し、2016年現在はプラチナ・ステンレスが共に約1割でWGと合わせれば銀色系が115Ref(56%)と逆転している。

本題に戻って、ワールドタイム。2016年に生産中止発表となったRef.5130の紹介と多少重複するがおさらいをする。1930年代後半からジュネーブの時計師ルイ・コティエ氏により製作が始まったワールドタイムは前期型として時分針リューズと24時間ディスクの連動操作システムを搭載してスタート。シティディスクは今日の回転ベゼルの様に手動で回していた。その11時ごろに現在時差ありのLONDRES(ロンドン)とPARISがあって当時は同一時間帯に属していた。3時半ごろにはTOKIOとあって中々面白い。下画像:Modèle1415HU(1939)
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1950年台に入っても基本は同じでシティディスクを9時位置に設けた第2リューズで回すように若干進化した後期型(1953年~)が作られるようになった。東京はTOKYOとなり、ロンドンもLONDONとなっているがパリとはまだお友達だ。下画像のModèle2523(1955)は今回紹介するRef.5230のデザインソースとされている。
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しかしワールドタイムは50年代中頃に生産が終了される。理由は調べたが判然としない。1950年代というのはそれまでのプロペラ機に代わってジェット旅客機が登場し、飛行機輸送が飛躍的に進化していった時代である。ブライトリングナビタイマーが1952年、ロレックスGMTマスターは1957年に登場している。そんな中で1959年にパテック フィリップはルイ・コティエ氏が開発した現在トラベルタイムと呼んでいる画期的な2ボタンによるローカル時針のアップダウンシステムを備えたモデルを発表している。下画像:Réf.2597(左1959,右1962)
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個人的想像だがジェット旅客機による航空新時代の到来にふさわしい全く新しいトラベルウオッチを模索していたのがパテックの1950年代後半だったのではないだろうか。そして1969年初代セイコーアストロンで始まるクォーツショックによる約20年間のスイス機械式時計暗黒時代。ようやく1990年頃からの機械式復活期を経て40数年ぶりに2000年にワールドタイム現代版は復刻される。ロンドンとパリには温度差!ではなくて1時間の時差が生じている。画像が荒くてつぶれているが文字盤センターには複雑で美しい格子状のギョーシェが刻まれている。デザイン的には1900年代半ばのオールドワールドタイムに似るがトラベルタイム機構を転用した短針、シティディスクと24時間リングの3者を10時位置のプッシュボタンで連動操作する画期的なシステムを備えるように進化している。詳しくは過去記事を参照。
※画像はPATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE Vol.Ⅲ No.01よりRef.5110 PT,YG
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人気を博したRef.5110は2006年にエンジンはそのままに時代の要請?から2.5mmのサイズアップを受けRef.5130へとマイナーチェンジされる。外観上の違いはダイアルのギョーシェが放射状の力強いものになり、時針はアップルハンドに分針はドーフィンハンドになった。サイズが大きくなってシティデスクの表示にはユッタリ感が出た。※下画像
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そして今年、現代版ワールドタイムとしては第3世代となるRef.5230が発表された。ムーブメントは初代からずっと同じCal.240 HUである。ケースデザインは大きく変更され1940年~50年代に流行したウイングレット(小翼)ラグ(前述の左右にリューズのあるModèle2523参照)を控えめに備え、ベゼルはそれまでの丸味を帯びたものから平面的でエッジの効いた形状となった。さらに好みの分かれるところだがリューズガードが廃止された。ケース径とラグ巾ともに1mm絞られ厚みは逆に0.63mm増して筋肉質で引き締まった印象になった。
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ダイアルセンターの手作業のギョーシェはパテック フィリップ ミュージアムの資料を参考に一新され同心円状に様々なサイズのリップ(波状)が大小交互に刻まれており複雑さでは過去一番である。
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下画像ではWGが少し白っぽく写ってしまったが、どう見てもWGとRGでセンターギョーシェも含めてインデックスを除く文字盤ベースは全く共通だ。その為にWGモデルはグレイッシュなギョーシェ部に針とインデックスの色目が同化しやすく視認性に少し難がある。時針は非常に特殊な形状だがパテック特有の穴開き針(Pierced hour hand:ピアス針)と紹介されている。分針は第1世代Ref.5110の物にほぼ先祖返りした印象だ。
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Ref.5230G-001、5230R-001
ケース径:38.5mm ケース厚:10.23mm 
ラグ×美錠幅:20×16mm 防水:3気圧
ケースバリエーション:WG,RG,

文字盤:チャコールグレーラッカー、ハンドギョーシェ ゴールド植字インデックス
ストラップ:シャイニー(艶有り)アリゲーター ブラック(WG)/チョコレートブラウン(RG)
価格:税別 5,190,000円(税込 5,605,200円)2016年11月現在

キャリバー名Cal.240 HU末尾のHUはHeures Universelles(仏:時間 世界)の頭文字だ。ちなみにパテック社のHP内には用語解説ページがあって時々御厄介になっている。1977年開発の極薄型自動巻キャリバー240(厚さ2.53mm)にワールドタイムモジュールを組み込んだ240 HUは3.88mm。これは厚み的には永久カレンダーキャリバーの240 Qと全く同寸である。たった1.35mmの各モジュールに地球やら100年やらが封じ込められている。
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Caliber 240 HU

直径:27.5mm 厚み:3.88mm 部品点数:239個 石数:33個 
パワーリザーブ:最低48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動 
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE GENEVE(M.HUBER & A. BANBERY)P.238、242、243

PATEK PHILIPPE 公式ページ

2016年11月29日現在
5230G-001 ご予約対応となっております。
5230R-001 ご予約対応となっております。

(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)

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パテックの18金は時々ややこしい。上はイエローっぽいがローズゴールド。共通しているのは優しい色目。某有名ブランドR・・のイエローとはり異なりかなりマイルド。
皆さまご存知を承知で18金のおさらい。元素記号Au原子番号79の純度99.99%以上が純金いわゆる24金であり、万年筆のペン先等に使われているが柔らかく変形しやすいので時計のケースやジュエリーとして硬さを保ちつつ加工性を持たせるために主に銀と銅を純金に混ぜた合金が18金である。その際の純金度合が75%つまり24分の18となる事が名称の由来だ。21,22金もその合金度合を表現している。
混ぜ込む25%の内容で出来上がりの色目が異なり、一般的なイエローゴールドは銀と銅が半々だがブランドで6-4、4-6の巾があるようでパテックはたぶん銅多めかと思われる。逆にローズゴールドは赤味を抑えるために銅を少し控えている気がするが、だいたい各ブランドともそのレシピは社外秘なのであくまで憶測だ。
いづれにせよパテックのイエローとローズの色目は控えめで我々黄色人種の肌との親和性が良い。店頭で時計だけ見ているとどうしても18金="ハデ!"の印象なのだが、騙されたと思って是非手首に載せると、その馴染みの良さに驚かれる事しばしである。

今回のモデルはステンレス(Ref.5164A-001)では紹介済みのアクアノートトラベルタイムのローズバージョンで2016年新作モデルである。上画像はわざと昼10時のホームタイム時針と夜10時のローカルタイム時針を重ねた状態で、先月メダルラッシュだったリオデジャネイロと日本の関係にしてある。
ゴージャスなゴールド素材はどうしても派手さが先に立って着用がためらわれがちだが、前述のようにパテックのローズの色目が元々嫌味が無い上に、文字盤とトロピカル(ラバー)ストラップがローズと同系色のブラウンなので、黒と銀のコントラストがきついステンレスモデルよりも着け易いかもしれない。同じ時計ながら両者の印象はそれぐらい違う。
トラベルタイムの機能やモデルの詳細説明はステンレスモデルRef.5164A-001の紹介でしっかり書きましたのでそちらをご覧ください。

Ref.5164R-001
ケース径:40.8mm(10-4時方向)ケース厚:10.2mm ラグ×美錠幅:21×18mm
防水:120m ねじ込みリューズ仕様
ケースバリエーション:RG、他にSS 
文字盤:ブラウンエンボス 蓄光塗料付ゴールド植字インデックス
ストラップ:ブラウンコンポジット《トロピカル》ストラップ(ラバー)アクアノート フォールドオーバー クラスプ付き 
価格:税別 5,730,000円(税込 6,188,400円)2016年7月現在

さて、ケースバックの仕様もステンレス同様の裏スケルトン。ムーブメントも全く同じなのだがケースとローターが同色系なのでシルバーカラーの地板等のムーブメントに目立っている。ラグ4か所には18金製を表現するホールマークの刻印。
撮影時に気づいたがステンレスモデルのブラックラバーではあまり意識しなかったカラトラバ十字のエンボスがブラウンになるとやたらと存在感が出てくる。ローズゴールド?のバネ棒も目立っておりますが、これはあんまり触りたくないナァ・・
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Caliber 324 SC FUS

直径:31.0mm 厚み:4.9mm 部品点数:294個 石数:29個
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、ムーブについての過去記事はコチラから
又スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

2016年9月4日現在
5164R-001 5164A-001 共に店頭在庫有ります
(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)

画像掲載はよそうと思っていたが、ブース廻りの紹介ぐらいはさせていただこうかと・・
パテック フィリップのブースはバーゼルワールドのメイン会場である1号館のエントランスを入って一区画進んだ右手にある。一等場所でお向かいはROLEX。エントランス直近にはブイブイと資金力に物を言わせた?LVMHグループが最近常駐するようになった。右手にタグホイヤーとゼニス、左手にはブルガリとウブロが陣取る。ご本家ルイ・ヴィトンは全世界でブティック展開のみなので出展していない。画像は今年タグホイヤー製?エンジンを積むレッドブルの実車がブースの壁面にディスプレイされている様子。
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パテックの先はショパールとメゾンが続く。ロレックス側は弟ブランドのチュードルがあって此処までで1号館の約三分の一。
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次の三分の一が巨大時計コングロマリットであるオメガを筆頭にしたスウオッチグループが占拠している。まさに占拠という言葉がふさわしくメインの中央通路さえプライベートな空間に設えられているので、スウオッチの敷地を通らないと先に進めない構造になっている。最後の三分の一にはブライトリング、オリス、シャネル、等々がある。なぜかSIHHジュネーブサロン出展しているジラールペルゴ&ジャンリシャールが重複してバーゼルのホール1.0(最高家賃でも人気ゆえに出展困難)にあるのか。チョッと不思議だ。セイコーとシチズンは2階にカシオは3階。画像はやはりレッドブル?(金持ちやナァ~)ならぬトロロッソでエンジンはフェラーリ製で、今年からカシオがさっきのレッドブルから乗り換えてスポンサードしている。ええぃ!ややこしい!詳細は当店の岩田にお聞きください。
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最近始まった新興ブランド(グリソゴノ等)やファッションが遺伝子なディオールやエルメスも2階組。でも1号館(ホール1)なら主流ブランドと認知される。あとのホール2と5等はブランド的にはマイナー度が増してゆく。ただユニークなブランドや掛時計、ホールクロックさらにはベルジョン等の修理道具屋などなどもあって時間が許せば、見ているだけで楽しい。今回のアルバムを見れば結構な数の車画像。やはり時計と車は切れない縁がある。
まず最初はラテンブランド"クエルボ イ ソブリノス"オーナーにして著名ヴィンテージカーコレクターとして公道レースをも主催しているマルツィオ・ヴィラ氏の愛車ドライエ(仏の往年の高級車メーカー1884年創業~1954年)。ホール2の一階ながら毎年異なる車が展示されている。
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メインのホール1とホール2の間の通路にはブランドが宣伝用にデコレートした超高級車が並ぶ。パーティー招待客の移動とかにも使われている。上から順に毎年鎮座のブランパン✖ランボルギーニ、続いてブランドの格とテイストがどうなのか?メカニケベローチェ✖ロールスロイスファントム、バーゼルワールド公式ハイヤー?のマセラッティ・・
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車話は置いといて、少しパテックフィリップ ブースのご紹介。パテックのブース展示は本当にユーザーフレンドリーだと思う。ディーラーとプレス等関係者しか入場できない1月のリシュモングループ主催のSIHH(通称ジュネーブサロン)と異なり、バーゼルは入場料(結構お高くて一日券で60Sfr.通し券だと150Sfrもするが・・)さえ覚悟すれば誰でも入場可能だ。我々は面の皮の厚さでブランドからチケットを毎年せしめている。各ブースとも温度差とポリシーの違いは有るが何らかの展示をショーウインドーで見せている。終日人だかりが絶えないのが買える買えないは別にしてパテックフィリップと向かい合ったロレックスの2ブランド。で、パテックは製品の展示(今年はブレスやストラップを装着しない丸裸のケース状態)だけでなくブレスを解剖状態で見せたりとそこまで見せるの!の大盤振る舞いだった。さらに嬉しいのは超絶も含めて総てのムーブメントを展示し、画像の様に詳細をモニターで確認する事も出来る。
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WGで市販(氏販?)化されたRef.6300グランドマスターチャイムも普通に展示されている。逆にこのP.O.R.クラスはブース内商談室にサンプルがなく、手に取れない点で一般入場者と我々も平等である。20もの複雑機能を備えたムーブメントCal.300 GS AL 36-750 QIS FUS IRM(長い~!)もしっかり裏表両面を見せる親切設計。でも可笑しいのが左側の西暦の千年ディスクがちゃんと0から9まで対応している事だ。来年あたりパテックはタイムマシン付きグラコン越えのウルトラコンプリケーションを発表するらしい。

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さて、では何もかも総てがブース外で見れるのかと言うとそうはいかない。"希少なハンドクラフト"と言われる究極の手仕事が注ぎ込まれたユニークピース(製作数は10点未満、1点のみもある)だけはブース1階の待合コーナーの一角に展示されている。今年は"鳥"がモチーフに多用されていた。下3点は全て有線七宝(クロワゾネ)。手作業が多すぎて仮に10点製作されても誰が見てもレベルで全部異なる為に1点モノに限りなく近い。
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バーゼル会場のみで発注可能だが必ず発注数が製作予定数を大幅に上回るので、運なのか?実績なのか?コネなのか?仕入れのハードルは高い。PP社発表動画で主要作品をチェック可能で、やっぱりユーザーフレンドリー。最後にブース外の巨大モニターには2016新製品紹介動画が流されている。
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ここら辺りで今年のスイス話はネタが付きたので次稿からは、また通常の商品紹介を再開予定。時差ボケも微妙に残っており少々疲れました。お付きあいありがとうございました。

文責:乾

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
だいぶ先になりますが今夏(お盆頃)当店初の『パテック フィリップ展』を計画中です。カサブランカ流の"何か"が違う展示会イベントに出来ないかと日々無い知恵をしぼっております。是非ご期待下さい。日程・詳細等が詰まりましたら順次ご案内申し上げます。

メインのパテックフィリップ新作話の前に少し他ブランドのさわりをイントロしたい。今回は晴れ男2人組なので、当たり前に連日快晴のバーゼル。現地2日日程で初日の土曜は例年恒例のブライトリングからスタート。

ブライトリングとしては初挑戦であろうまるでパテックのアドバンスドリサーチのような税込予価約500万円(PPとゼロ一つ違い!)の特殊モデルのスーパオーシャンヘリテージ クロノワークを除けば、お堅い色使いで手堅くまとめられた今年のブライトリング。今やバーゼル名物になった巨大水槽の今年のゲストは3色のジェリーフィッシュ(くらげ)だった。いつもこの演出にはほんとに癒される。
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ショパールは発売20周年のアニバーサリーを迎えたL.U.C.から魅力的なステンレスモデルをラインナップしてきた。かつてのマークⅢやクロノワンのSSのように限定扱いではなく、定番での投入が味噌である。初のワールドタイムもいきなりSSが含まれている。
タグホイヤーはさすがに天才ビバー氏が本腰を入れてきているだろう。自社ムーブCal.01搭載のスケルトン系カレラクロノグラフがデビュー当時のHUBLOTを彷彿とさせる出来映えだった。
カシオはバーゼル発表限定モデルも当たり前に良いのだが、今年初?の試みとして特殊なアーティステックな投光と可動する幻想的なライティングオブジェを組み合わせたインスタレーション(空間プレゼンテーション)が数年前にバーゼルの話題をさらったシチズンの地板の空間演出のように人々の目を奪っていた。
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前置きはさておいて、気になる肝心のパテックフィリップの2016新作。全てを褒めちぎるは流石にありえないので、その辺りはご来店にて口を滑らす事とさせて頂いて、順不同で幾つかの印象をご紹介。
まずRef.5930ワールドタイムクロノグラフは予想通り以上に今年の筆頭家老だった。前稿でこの2つの複雑機構の組み合わせはパテック初と書いたが1930年代のタイムピースにヒントとのコメントが有り帰国後に※要再確認だ。尚、PPJプレゼンターのN氏をしてスモセコがオフセンターしているCal.240ベースに積み上げている既存のワールドタイムモジュールでは、現行のクロノキャリバー3兄弟(CH27,28,29)に搭載する事は困難と予想していたそうだ。 この予想を見事に裏切ったパテックの開発陣は、ベースムーブCal.CH28-520に手を加えると供にワールドタイムモジュールを新規開発。
手の込んだダイアルセンターのギョーシェも高級感があってWEB上のモニターでの印象も素敵に裏切ってくれた大ヒットモデルと予想する。
※3月24日訂正:確かに1940年にRef.1415/1当時のメインクロノエボーシュCal.13'''(Valjoux23vz)23石に天才時計師ルイ・コティエ氏開発のワールドタイムモジュールが組み込まれた代物で、下記参考文献の装丁カバーにも採用されて始終目にしていたタイムピース。詳細はRef.5930G実機入荷の際に画像も含め紹介したい。取り急ぎ訂正してお詫び申し上げます。
参考:Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P.270、346
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加筆:書き忘れていた大事なコンプリケーションがニューワールドタイムRef.5230のWGRG、いづれも税込予価は5,778,000円。色んな意見が百出しているだろうが、あくまで個人的にはベゼルにエッジを効かせたケース形状になりカラトラバのクンロク系の印象が良ろしい。たった1mmのケース径ダイエットなのに、このケースデザイン変更で実寸以上にシャープな印象となった。またラグ(ホーンの方がしっくり?)はグラコン永久クロノRef.5270等に採用されている付け根部がチョイ張出しスタイル(これも未来志向モダン意匠か?)が控えめに採用された。これまた個人的にはこの控えめ度合いが "いとよろし!" 書き忘れたが上述のRef.5930のケースも同デザインが採用されている。
※7月17日追記と画像追加:このラグ形状にもアーカイブがあって1940年~50年代に流行したウイングレットラグと言うらしい。
左:1950年製Model2482 右:1956年製Model2525/1 12リーニュのミニットリピーター Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P.205、317より。
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さてRef.5230に話を戻して、時分針は好みが別れるところだろう。超薄型自動巻Cal.240 HUを採用して2000年デビューの初代Ref.5110に戻った感をどう評価するか。実機サンプルを見るまでは2代目Ref.5130のアップルハンド残留に未練があったのだが、上述のケース&ホーンのシャープ化作戦をアシストするにはコッチの方が良い形状。アッサリ宗旨替えをいたします。

新しい永久カレンダーRef.5327は大半がディスコンになったRef.5140から微妙にサイズアップ。さらに昨今のモダンテイストパテックのケースサイド意匠であるRef.52275205等に採用されている手仕事の長楕円彫り込みが施され、伝統のCal.240 Qエンジンはそのままに次世代のパーペチュアルの在り方を提案してきた。個人的にはかつてのRef.5140のプラチナに設定されていたブルーダイアルの再来をおもわせるWG素材の青文字盤にやられてしまった。税込予価WGRGが10,314,000円、YGで10,044,000円

ところで絶滅危惧種のRef.5140に突然変異のアルビノ?のように発表された希少なプラチナのバーインデックスダイアルモデルRef.5140-017、税込予価12,852,000円は既存のダイアポイント文字盤からすればチョッとお高い印象もあって、初見迄はあまり気にも留めていなかった。しかしである人も時計も会わなきゃわからないもので、このアンソラサイト・ソレイユと命名されたグレイッシュな文字盤が素晴らしい別嬪上玉にして今年度唯一のプラチナモデルである。

ローズとホワイトで此処まで印象が変わるのか?パテック正規店新参には無縁としか思えなかったこのデコラティブオーバーな高額タイムピースRef.5160R改め新作5160Gは別物になっていた。この税別予価20,628,000円は、超絶系フェイスからすれば大いにお買い得感?有りではないか。ファンクションはレトログレード永久カレンダーのみながらハンターケース仕立てに加えて、何よりも175周年記念限定の雲上ピースRef.5175グランドマスターチャイムを彷彿とさせるハンドエングレービングはパテックフィリップ現行ラインナップ中Ref.6002に次ぐハンドクラフトであり、今年のビッグサプライズモデルであるRef.6300Gグランドマスターチャイムの上質ながら控えめとも言えるクルドパリ装飾を凌いでいる。
同様の印象は、これまたローズからホワイトへ乗り替わった超絶系Ref.6002 スカイムーントゥールビョンにも共通していた。
ちなみに 時価で二億数千万円とされる市販版?グランドマスターチャイムRef.6300にはバーゼル開催4日目にして日本の正規店からオーダーが既に複数入っているとか・・時計も人も超絶系辞書に不況の文字は無いのだナァ。

さて訪問前の疑問であったレディスアクアノートRef.5067Aの間違い探し。ディスコンカラー白(枝番011)からニューカラー白?(同024) はモニターや印刷物では絶対に識別不可能な代物(白物!)だった。PPJのN氏の解釈が絶妙でマット系の純粋な旧型の白が、車のボディーカラーで昨今多々採用されるいわゆるパールホワイトへの変更だった。新色は見方によって燻んだ印象も受けるが、 旧タイプより汚れ難いのは明らかで地味ながら気の利いた改良だ。パールエフェクトが加わっても価格変更は無し。

尚、例年バーゼルで判明するマイナーチェンジに伴う、事前発表の無い追加?生産中止モデル。今年はメンズのニューワールドタイムRef.5230とのペア感を醸成すべくシティディスクに"間違い探しですか?"レベルで微修正が施されたレディスワールドタイムRef.7130G7130Rがカタログ上は新製品扱いをされずに枝番(Gが010から013へ、Rは001が010へと)のみコッソリ?変更されている。
ところが個人的にご贔屓モデルのレディスカラトラバRef.4897Gもベゼルのダイア使いがバージョンアップ(ラウンドからバゲット)された事で 枝番が001税込3,488,400円から300G-001税込予価5,227,200円へとてっきりチェンジだろうと思いきや、どっこい上品な従来のラウンドダイアモデルも残留継続され贅沢な選択技が与えられる結果となった。

明日というか、もう今日なのだがチューリッヒ現在午前2時過ぎ。昼前のフライトでアムステルダム経由にて早くも帰国である。無事帰れば日本はお彼岸。帰り道には御礼を込めてお墓詣りを帰店前にしてゆこう。週末には桜?続いてワラビ、山椒、筍・・やっぱり日本が最高。当たり前ながらそれを再認識する為の毎春のスイス詣でなのだろう。

文責:乾

体質的に時差ボケたっぷりなので、さらに大事なトピックが抜け落ちていた。バーゼル期間中の日曜日(今回20日)は例年VSOP(古いナァ~)のパテックのスターンファミリー主催のガラディナー(パーティー)が有って、世界中のパテックショップのオーナーが大集合する。会場での受付直前に手渡された招待状にはテーマは"1970年代"とある。さらにいつもティエリー・スターン社長が挨拶する演台の背景ボードにも70年代風にアンディ・ウォーホール色調で、果たせるかなノーチラスのデコレーションが施されていた。ようやく始まった恒例の挨拶スピーチには、ヒアリングの達人数名に聞き及んだ結果、どうやら秋頃に40周年記念のノーチラスにサプライズが有るらしい事が判明。シャンパンばっかり飲んどる場合では無かったのだナァ。でもティエリーの英語の聞き取りはいつも本当に苦手なのだ。

3月21日 チューリッヒ空港にて修正加筆(慣れないiPadは本当に・・)
3月22日 関空からの帰路に墓参りを済ませた後、奈良店/岩田リコメンドのビッグジョー羽曳野本店で380gハンバーグを頂き帰店後再々修正加筆

PATEK PHILIPPE 公式ページ

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バーゼル出発前ゆえ、本稿については現地から?または帰国後?追記更新予定

今年のニューモデルは堅実なラインナップながら、新機軸(素材、文字盤等々の追加)だらけで買手からすると"迷い箸"しそうな涎たっぷり、実に美味しそうな2016年新モデル。
昨年までのバーゼルワールドでは当社がテナント運営する百貨店部門(いよてつ髙島屋:愛媛県松山市)の商談に同席していたので、パテック フィリップファンの一人として事前情報による先入観を持たずに初見で新製品とご対面していた。
だが奈良で日々パテックを商うようになった今年は状況が異なる。既にPATEK PHILIPPE OFFICIAL HPに2016NEW MODELがUPされ、商談予定の土曜日までに各正規店から現場で撮影された生々しい画像と情報も届けられるだろう。本意ではないのだが・・乗り遅れるわけにもゆかず・・・取り敢えず新製品をラインナップ紹介し、現地?あるいは帰国後すみやかに印象など追加してゆきたい。
価格は敢えて載せておりません。予価になりますがお電話・コメント・メール等でお問合せください。ご返事は帰国後になりますが・・・
3月23日加筆:様々なブログで予価掲載有り。本稿にも各品番の最後に税別1,000円単位で参考追記

メンズ 
品番頭●の色はザックリながら、完全な新商品、新素材投入、新文字盤追加 POR:時価対象モデル
グランドマスターチャイム
6300G-001(POR)
ミニットリピーター
6002G-010(スカイムーントゥールビヨン、POR.)、5539G-010(POR) 、5374P-001(永久カレンダー付、POR)
永久カレンダー
5140P-017[11,900]、5160/500G-001[19,100]、5327J-001[9,550]、5327G-001[9,810]、5327R-001[9,810]、5496P-015[12,100]
スプリットセコンドクロノグラフ
5204R-001(永久カレンダー付)[31,830]、5950R-001(シルバー系文字盤、POR)、5950R-010(ローズ系?文字盤、POR)、5959R-001(POR)
クロノグラフ
5930G-001(ワールドタイム付)[8,280]5170R-001[9,110]、5170R-010[9,110]、5961R-010(年次カレンダー付)[15,030]
年次カレンダー
5396G-014[5,390]、5396R-012[5,390]
ワールドタイム
5230G-001[5,350]、5230R-001[5,350]
アクアノート
5164R-001[5,730]
生産中止がドッサリだったグランドコンプリケーションはメンズ全体(23型)の6割にあたる14モデルもの大量投入である。グランドマスターチャイムの市販?モデルは"まさか!"だったが、Ref.6002G、5204R、ラトラパンテCal.CH27-525系の新素材版など超絶価格帯は賑やかだ。永久カレンダー系も新作Ref.5327の発表も含め大豊作だ。
コンプリケーションのRef.5930はパテック フィリップ※史上初ワールドタイム付きクロノグラフ。ワールドタイムは予想通り第3世代となる新型が発表された。その他は人気の中軸既存モデルにニューフェイスや素材追加が16Ref.と堅実なバランスも取られている。いづれも購買の選択技を広げる顧客優先の新作ばかりである。少々意外なのが発売40周年を迎えたノーチラスの三振空振りだろうか。
※3月23日訂正:次稿で触れるがPPJより前例有の指摘があった。確かに1940年にRef.1415/1(当時のメインクロノエボーシュCal.13'''(Valjoux23vz)23石に天才時計師ルイ・コティエ氏開発のワールドタイムモジュールが組み込まれた代物である。詳細はRef.5930G実機入荷の際に画像も含め紹介したい。取り急ぎ訂正してお詫び申し上げます。
参考:Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P270、346

レディス 完全な新商品、新素材投入、新文字盤追加、●ジェムセットアレンジ
ダイアモンドリボン
4968/400R-001[7,640]
ワールドタイム
7130G-013[5,730]、7130R-010[5,730]
カラトラバ
4897/300G-001[4,840]、7122/200G-001[3,060]、7122/200R-001[3,060]、7200/200R-001[4,460]
アクアノート
5067A-024[1,830]
完全ニューモデルRef.7122も含めダイヤモンド攻勢のレディス。Ref.4897、7200RはベゼルにRef.4968は文字盤へのダイヤモンド新機軸が登場。ディスコンを逃れたワールドタイムにもニューフェイスが追加されたが間違い探しのようなシティディスクの変更なのでたぶん既存2Ref.は追加ディスコンかと・・アクアノートの新色は例年のお約束だが生産中止発表の白文字盤との違いが不明。これはバーゼルで確認か。あれだけバッサリだったTwenty-4追加無しは意外。

明日はパリ経由でチューリッヒへ、久々のエアフランスでシャルル・ドゴール空港利用だが、テロの影響なのか今回初めてメールでの事前個人情報送信登録を去る18日に求められた。人災は忘れた頃にやって来るかもしれないし、ロストバゲッジも頻繁だし、客室乗務員の質だって最高?なエアフランス。無事、現地からサンプル初見後のインプレッションをレポート出来れば良いのだが・・・
※悩んだがクオリティを追及出来ない商談テーブルでのサンプル撮影は今回敢えてアップしない事に、夏以降の実機入荷時に紹介ブログの掲載画像を撮り込みたい。

パテック フィリップの2016NEW MODEL動画
PATEK PHILIPPE 公式ページ

初見編につづく

文責:乾

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