パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

5711/1A-010 あぁノーチラス、されどノーチラス

まず最初にお断りしておきますが、このステンレス人気希少モデルの対応についてはパテック フィリップ正規販売店各々が個別にルールを設けており、PPJ(パテック フィリップ ジャパン)からの決まりごとはありません。
で、当店カサブランカでは人数を限定し、店頭予約制で、今現在は規定人数に達し新たなご予約をお受けしておりません。ご納品毎に1名追加予約を受けておりました。しかしパテック取扱いから半年以上を経て諸般の事情で方針変更をいたします。
今後はご来店の上、店頭にて登録制と致します。ただしこれは予約ではありません。あくまでもご購入希望の登録です。商品が入荷した際には当店の判断でご登録リストより誠に僭越ながらご購入者様を選ばせていただきます。ですので登録すればいつかは購入出来るという保証はございません。尚、今現在既にご予約済みのお客様分は納期は掛かっても何とかご納品したいと考えております。

この異常なまでの特殊モデルをご紹介するべきか否か?ロレックスのデイトナSS以上に正規店の店頭に並ぶことがありえない。予約も取りすぎれば収拾がつかなくなる。入荷即売り上げはもちろん有難い。しかしながらも販売プロセスはほぼ無く、決済・サイズ調整・納品・・以上終わり!プロのお仕入れ筋の方々からのコンタクトも多々あり、うれしくて少しむなしいRef.5711/1A-010。

なぜ、こんな面倒くさい話をわざわざするのか。それはロレックスデイトナSSと同じ疑問を抱えたから。どの正規店でも見た事も、もちろん触ったり腕に試着したりしたこともないまぼろしモデルを予約したり抽選会にのぞんだりするしかない状況。これは明らかにおかしい。デイトナにネガティブ意見は無いが、カレンダーは無いし個人的にはあまり好きな文字盤ではない。カサブランカではデイトナに関して常に白・黒を各1本店頭展示し物を確認して貰ってから抽選申込を受けたり、予約を取ったりしてきた。実物を見て他のロレックスや別のブランドを買われた方も多数いらした。
ノーチラスSSブラックブルーも同じやり方をしたいが、同一リファレンスを複数在庫することが困難なパテックの現状では個人所有物を借りるぐらいしかサンプル確保が難しい。運良く縁にも恵まれて今回の紹介ピースは販売不可能ながら、しばらく店頭で確認(透明保護シール付)が可能な特殊なタイムピース。今のところ保有期間は未定です。
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ノーチラスシリーズはRef.5712Gでプチコンを7118/1Aでレディス3針を紹介してきた。Ref.5711/1Aも基本Cal.324のセンターローター自動巻きを積む7118のサイズアップなので時計そのものの紹介は多少は繰り返しになるがご容赦願いたい。
天才時計デザイナー"チャールズ・ジェラルド・ジェンタ"がオーディマ ピゲのロイヤルオークのデザインを1970年(製造は1972年)にたった一日で考案したのは有名な逸話。そして1976年にパテックのノーチラスファーストモデルRef.3700/1Aデザイン(下画像)を生み出した。
決して3点は色違いの超レアのアンティークピースではない。だがすべて同一モデル。スキャニング元資料の違いでこれだけ差がある。時分針とハイライトとシャドウ部分の違いから元々の画像そのものが異なるようだ。個体差については判然としない。
やはり時計は現物をおのれのマナコで見て、我が手で触り、腕に載せて、出来れば室外の太陽光でも確認せねば本当の得心とは行かない。だから面白くて奥深いと日々思う。
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左)PATEK PHILIPPE GENEVE(M.HUBER & A. BANBERY) P.231
中)Patek Philippe Internaional Magazine VolⅢ No.10 P.27
右)Patek Philippe Internaional Magazine VolⅡ No.8 別冊付録ノーチラスニューコレクション1976-2006:NAUTILUS,THE LEGEND LIVES ON P.2

ファッション雑誌"GQ"のWEB上の記事によればジェンタ以前は時計デザインとはトータルで一人のデザイナーがするものではなく、ケースや針、ブレス、文字盤それぞれが別々にデザインされていたらしい。ジェンタは元々ジュエリーが専攻だったが、時計においては着け心地を良くすることを優先事項にしていた。その具体策として彼はケースとブレスに薄さを求めたが、エレガントかつ実用的な"ラグジュアリースポーツ"という腕時計の新ジャンル確立にはしっかりした防水性確保も課題であった。ロレックスのように裏蓋を捻じ込むスタイルだと厚みが出てしまう。ジェンタはケース構造に工夫を凝らす事で初出のロイヤルオークに50m、満を持してさらに構想が練られたノーチラスには画期的な120mもの防水性を与える事に成功した。このあたりの天才ぶりに各有名時計メゾンがこぞって彼のデザインを採用した理由があるのだろう。

現行のメンズノーチラスシリーズの防水性能はスケルトンバックで裏蓋が捻じ込み式になって120mを確保しているが、唯一プチコンを積むRef.5712系のみはスケルトンバック+スナッチバック仕様の為に60mとなっている。レディスは全モデルがスナッチバック仕様の60m防水でメカがスケルトン、クォーツがノーマルケースバックとなっている。メンズに話を戻すとセンターフルローターの多機能モデルは全てケース厚が1cmを超えている。最厚はトラベルタイムクロノグラフ5990/1Aの12.53mmだが他ブランドのデカ厚に比べればまだまだ余裕がある。薄さを求めてマイクロローター搭載のCal.240を積んだRef.5712系だけは設計思想上敢えてスナッチにする事でケース厚8.52mmの薄さを獲得した。

3針モデルのデビュー作3700/1の搭載ムーブメントはパテック、オーディマ(Cal.K2121)、ヴァシュロン(Cal.1120)の3社が共同開発しルクルト社に製造させたと言われるCal.28-255C。センターフルローターながらカレンダー機構を搭載して厚さ3.15mmと実に薄かった。現行Ref.5711に搭載のCal.324 S C(3.3mm)よりも薄かったのだ。直径は前者28mm、後者27mm。ジェンタは画期的な裏蓋を独立させない2ピース構造で8mmの薄さと120m防水を両立したが、2006年に30年を経てフルモデルチェンジした現行モデルRef.5711はスケルトンバックをスクリューインする3ピースながら8.3mmと頑張っている。やはり30年間のケース製造における進化に負うところが大きいのだろうか。一体どの程度のネジ山が切られているのか是非見てみたいものだ。
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正直に言えば1990年代初めの頃、新米時計屋が初めて見たノーチラスの印象はあまり良くなかった。実はロイヤルオークもあまり好きでなく、ジェンタデザインアレルギーがあったのかもしれないし、30代前半の自分にはエレガント過ぎる印象もあった。50代になった今はどうか?お財布を無視できれば昨年発表のローズゴールドブレス3針のRef.5711/1R-001(税別5,730,000円)には興味がある。デビュー作Ref.3700でイタリア向けに10本のみ製造された幻のローズゴールドバージョンにはならないだろうが・・・
愛用されているお客様が異口同音に「ケースとブレスの薄さが着け心地そのもの」とその着用感を絶賛される。実は現行にマイナーチェンジする前のRef.5711/1A-001では駒がネジ止めだった為に微妙な厚みがあった(らしい)。通常この価格帯でのピン止めは見た目の高級感からはありえない。見た目より実を取るパテック。耐久性では明らかにハンディになるが、"装着感の為には維持のコストで対処下さいもパテック流だ。" やはりガンガン使い倒せるロレックスとは世界が違いすぎる。
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しかしながら010(ブラックブルー)とリファレンス最後の枝番違い011(シルバリィホワイト)とで人気に極端に温度差があるのも不思議だ。その違いはデイトナの比ではない。恐らくデビューモデルRef.3700に最初から採用された魅惑的なまでのあの色味・・深い青でもあり、グレーがかった紺にも見え、青味を帯びた黒とも言えるあの掴み処の無い微妙な色と横ボーダー柄にメロメロにされてしまうのだろう。ロレックスデイトナのように購入後のダイアルチェンジが可能なら少しは状況も好転するのに・・・

Ref.5711/1A-010
ケース径:40.0mm(10時ー4時方向) ケース厚:8.3mm
防水:12気圧
ケースバリエーション:SS(別文字盤有)の他にRG 
文字盤:ブラックブルー 夜光付ゴールド植字インデックス
価格:税別 2,790,000円(税込 3,013,200円)2015年7月現在

ブレスタイプの裏蓋は本当に撮り辛い。出来れば避けたいのでレディスノーチラスRef.7118/1Aの画像流用の予定だったが上述にて見た目が違い過ぎる為これより撮り下ろしマス。
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Caliber 324 S C/386)
直径:27.0mm 厚み:3.3mm 部品点数:213個 石数:29個 受け:6枚
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

5月31日訂正加筆

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