パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

5960/1A-001まさかのSS年次カレンダークロノグラフ

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パテックフィリップは節目で必ずサプライズを用意する。今回紹介のRef.5960もパテックのクロノグラフ完全自社生産移行への第二弾として、2006年に発表された画期的な自動巻クロノグラフキャリバーCal.CH28-520のデビューを飾る為にそれまでのパテックには無かった恐ろしく斬新な装いを纏って登場した。同年のバーゼル会場の話題はコイツに完全にさらわれた感があった。
パテックが上手なのは当時競合各社もこぞって発表した垂直クラッチ(我が国が誇るセイコーが世界初の実用化に成功)方式を採用しただけでなくフライバックを備え時分双方の積算計を6時位置に同軸化してレイアウトした事だろう。此処まででも他社にアドバンテージだが、さらに突き放すのがパテック流でお得意の実用複雑機構である年次カレンダーモジュールを重ねてきた。
当初プラチナケースにアリゲーターストラップで発表され、様々な追加文字盤の変遷を経て、2014年に潔く全モデル生産中止が発表された。そして同年のバーゼルでまさかのサプライズ、さらに実用的なステンレスケース&ブレスで発表されたのが今回紹介のRef.5960/1A-001である。
この初代のプラチナモデルについてはフィリップ スターン会長が別素材での展開をしないと公言していた事もあってか、ともかく再三の価格改定にも関わらず2次マーケットで常にプレミアのつく大ヒットモデルとなった事は記憶に新しい。

この時計の最大の魅力である実用性を列挙すると
①最大55時間のパワリザ付き自動巻き
②垂直クラッチが実現したクロノ秒針の時計秒針使用
③フライバック機能の秒針ゼロリセットで毎分毎に秒レベル調整可能
④当たり前に年次カレンダーは便利
⑤SSモデルには初採用のドロップリンクのメタルブレスで恒常的連続着用実現
てなあたりでしょうか。
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シリーズ初となる淡色系ダイアルは指し色の黒と赤が効いていてこの上なくスポーティだ。文字盤上部に弓上に並ぶ曜日、日付、月の表示は革新系モデルでおなじみの形式でその窓枠ならびにアワーインデックスと時分針には18金素材に多面的なファセットが与えられ、さらに酸化処理でブラックに仕上げられている。この光沢たっぷりな表面感はポリッシュというよりもむしろセラミック系の艶っぽさがある。クロノ(通常秒針兼用)秒針とクロノ積算分針は真っ赤。毎月1日もレッドプリント("赤字"なんて指が裂けても書けません!)となっている凝りようだ。クロノ積算時針とスケルトン(見落としそう!)仕様になったパワーリザーブ表示針も通常時分針とほぼ同じブラックの仕様と思われる。
文字盤面は平滑なシルバーだが6時位置の大ぶりなクロノ積算インダイアル部は外周部の盛り上がりや、一段下がった内側のサークル状エングレーブ(写せておりません)、パテックにしては肉厚気味な転写プリント等の凝った作りである。
尚プラチナからSSへの移行の最大の改良点は時分積算カウンターの内外(時と分サークル)の入れ替えであるが、他にもインデックスや積算カウンターサークル、曜日と月の窓枠追加等々でプラチナより高級感が与えられる結果となってしまった。
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ケースサイドから望むとさすがにコンプリ✖コンプリはそれなりの厚みを感じる。ケース厚13.5mmは意外にもノーチラスシリーズで最厚のトラベルクロノRef.5990を0.57mm上回るが、個人的に腕時計は15mmまでは十分着用可能な厚みと考えている。
ちなみに愛機の中で最厚はボールウオッチの18.9mm。さすがにチタン製だが存在感はステン並みにある。そして最薄はゴールデン・エリプスRef.3738の5.8mmだろうか。ちなみにエリプスは手巻ではなく偏心ローター採用の自動巻極薄Cal.240を搭載し、パテックの現行全コレクション中でも最薄のはず。
良い機会なので2015総合カタログでケース厚13.5mm超を調べてみた。ダイヤベゼルの兄弟機Ref.5961は同じく13.5mm、意外に厚い手巻ラトラパンテRef.5370は13.56mm、逆に意外に薄いのがミニット、永久、トゥールビヨンRef.5207で13.81mm、同ベゼルダイヤRef.5307が13.96mm、少々厚い印象の永久ラトラパンテRef.5204は14.3mm、えっ!わざと厚くしたの?年次クロノRef.5905が14.3mm、そろそろ着用限界か?永久ミニットクロノRef.5208になると15.7mm、そして今年リニューアルされたレトグラ永久ミニット天体系のスカイムーントゥールビヨンRef.6002の17.35mmは彫り物もあってほぼ鑑賞用?
当然最厚は今年市販化モデルとして発表されたグランドマスターチャイムのはずが・・・どっこいまさかのRef.6300はなんと16.1mm。結果的に最厚となるRef.6002はスカイムーン機能が厚さの原因でもなさそうで、単純スカイのセレスティアルRef.6102はたったの10.58mm(薄さに唖然!)しかない。どうやら憶測ながらRef.6002は装飾を生かすために厚めに作られた気配が濃厚だ。いづれにせよ15mm越えがたったの3Ref.しかない複雑時計王国パテックはやはり薄さの追求で群を抜いている。
尚、ムーンフェイズ表示が無いのでカレンダー関連の調整プッシュ(CORRECTER)は3つ。左から月、日付、曜日の順番はダイアル上部の三つ窓レイアウト通りでとても解り良い。

ベゼルはこれまた革新系パテック意匠でおなじみのコンケーブ(逆ゾり)形状が採用されている。ブレスは従来から18金のコンプリケーションウオッチで多用されているドロップリンク5連のしなやかなタイプ。冒頭の全身画像でブレス部をじっくり見ると微妙なしなりが見て取れる。まるでキャタピラのようにしなやかなブレスは短めの弓管のすぐ外から真下にストンと曲がれる構造と相まって装着感が抜群によろしい。

Ref.5960/1A-001 年次カレンダー自動巻きクロノグラフ

ケース径:40.5mm ケース厚:13.5mm ラグ×美錠幅:21×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:SSのみ
文字盤:シルバリィ ホワイト ゴールド植字酸化黒色仕上げバーインデックス
ブレスレット:両観音クラスプ付きステンレス5連ブレス 抜き打ちピン調節タイプ 
尚、2014BASEL発表の商品リリースはコチラから
価格:税別 5,730,000円(税込 6,188,400円)2015年7月現在


冒頭でも触れたキャリバーCal.CH28-520は、それまで頑なに手巻きの水平クラッチに拘っていたパテックのクロノグラフ史を2006年に塗り替えたエポックメイキングなエンジンである。前年発表の完全自社クロノキャリバーCal.CHR27-525は確かに最初の100%自社製造ではあったが、それまでの伝統的製造手法でコツコツと工房で少量生産される手作り的エンジンであり、搭載されるタイムピースも商品というより作品と呼ばれるのがふさわしいユニークピースばかりだ。対してCal.CH28-520は"シリーズ生産"と呼ばれる或る程度の工場量産をにらんだ商業的エンジンであり、パテックフィリップが新しいクロノグラフの歴史を刻み込むために満を持して誕生させた自信作なのだろう。
パテックの自社クロノキャリバー3兄弟の価格は、その搭載機能や構成部品点数に比例せず、どれだけの手仕事が盛り込まれているかで決定される。金銭感覚抜群で働き者の次男CH28-520 C(自動巻、垂直クラッチ、フライバック、部品点数327点)、次がクラシックだけどハイカラな3男坊のCH29-535 PS(手巻き、水平クラッチ、部品点数269点)、そして金に糸目をつけない同楽な長男CHR27-525 PS(手巻き、水平クラッチ、ラトラパンテ、部品点数252点)の順となる。
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上記画像でローターで隠された部分は3枚の受けがあるが、この部分はどの派生キャリバーもほぼ変化が無い。それに対してテンプ左のPPシールの有る受け、さらに左の複雑なレバー類がレイアウトされた空間は派生キャリバー毎にけっこう異なる。必要なミッションに応じて搭載モジュールがダイアル側で単純にチェンジされるだけでなく裏蓋側の基幹ムーブメントへもアレコレと手が入れられている。

Caliber CH 28-520 IRM QA 24H:年次カレンダー機構付きコラムホイール搭載フルローター自動巻フライバッククロノグラフムーブメント

直径:33mm 厚み:7.68mm 部品点数:456個 石数:40個 受け:14枚 
パワーリザーブ:最低45時間-最長55時間(クロノグラフ作動時とも)
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
又スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

ビブロ実測値(精度・振り角・ビートエラー)
文字盤上:+1~+2 320°~327° 0.1
 3時下:-3~-1 287°~292° 0.0
検品担当の岩田いわく「クロノ作動時でも精度はもちろん振り角、ビートエラー総てに殆ど変化がありません。他社の垂直クラッチとは別物です」

運針確認時間:58時間運針(クロノグラフ非作動)

PATEK PHILIPPE 公式ページ 

文責:乾
Patek Philippe Internaional Magazine VolⅡ No.8 VolⅢ No.6 及び11

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
だいぶ先になりますが今夏のお盆真最中8月11日(木・山の日)~15日(月)に当店初の『パテック フィリップ展』を実施いたします。カサブランカ流の"何か"が違う展示会イベントに出来ないかと日々無い知恵をしぼっております。是非ご期待下さい。詳細等が詰まりましたら順次ご案内申し上げます。

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