パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

2018年7月の記事一覧

今夏の異常気象は本当に厄介だ。予想外地域への地震、記録破りの大雨に一転しての酷暑、そして逆走台風。被災された方々は本当にお気の毒。心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。
相方の出が広島県。しばらく断水で難儀を強いられた血縁もいた。また百貨店部門は愛媛の松山市にあって直接被害等は無かったが県南部(南予)は報道が少ないものの結構な被災をされており、地縁と血縁強固な地方特有の事情もあって経済的影響も色々出ている。
そんな過酷な日々ながら奈良県北部の大和盆地は本当に災害が少ないエリア。日本最初の都に定められた天命を災害の報を聞くたびに強く思う。

さて、この時期は少しでも凉を感じられるモデルを紹介したい。それでいて夏色感もあるレディスコンプリケーションがRef.7121J-001。コンプリと言っても本当にプティ(小さい)コンプリでムーンフェイズ(月相)しか付いていない。実用面から言えばカレンダーの方が必要なはずだが、月の満ち欠けなどと言うロマンティックな表示が優先されているのはいかにも乙女時計らしい。
ちなみにメンズには全くラインナップされていないムーンフェイズのみという乙女時計仕様はレディスでもう一型Ref.4968があり素材やブレス違いを含めると2型で5つもバリエーションがある。
現在でこそ永久カレンダーを始め手巻きクロノグラフ、年次カレンダー、ワールドタイム、トラベルタイム等でパテックに於けるご婦人用のコンプリケーションウオッチは百花繚乱と言えるが、それはここ10年位の話でそれ以前から長きに渡って作られて来たレディス用のコンプリケーションはシンプルムーンフェイズモデルだった。
スイスでは永久カレンダー(1800年頃)よりも古くから搭載された機能で、当時は航海や狩猟、漁猟に欠かせないものだった。月齢の周期は29日12時間44分。これを29.5日として59日で2個の月が描かれたムーンフェイズディスクを一周させている。0.5歯という歯車を刻めないので倍数処理されたわけだ。
ただ、その周期だと数年で調整が必要な誤差が出てしまう。パテック フィリップを始め現代の高級時計の標準的なムーンフェイズは、複雑な歯車機構により構成されており122.6年掛けてたった1日分の誤差が蓄積して要修正となっている。前言撤回でPetitとは言えない立派なコンプリケーションだった。
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針の形状はユニークだ。ちゃんと名前が有って"スペード針"と言われている。分針が途中でくびれていて女性のセクシーなボディーラインの様に見えなくもないが、スペードの形状を限りなく伸ばした形でメンズウオッチにもこの針はそこそこ採用されている。ブレゲ数字インデックスとの相性がとても良い。
女性向けムーンフェイズの特徴の一つはムーンフェイズディスクだけでなくスモールセコンドと供用されているサークルの未開口部分にもお星さまが装飾としてプリントされている事だ。これもメンズでは見られない乙女仕様か。
ケースは腕時計黎明期を思わせるオフィサー(将校)スタイルのユニークなラグ形状。女仕立てにすると結構可愛らしい。ベゼルには0.52カラットになる66個のダイアモンドが輝いている。あまり知られていないがパテックのタイムピースにはデビアス社のトップウェッセルトン・ダイヤモンド(クラリティIF及びFLのみ)が使用されていて極めて質が高い。そしてジェムセッティングは実用性を重んじるパテックらしく滑らかな表面を意識し、衣類の袖口の繊維が引っかかったりしない手法が採用されている。
ストラップはMatte pearly beige alligator。パーリィとあるように車のパール塗装の様に光沢があってとても上品。暖色系の色目ではあるが、薄めのサンドカラーに光沢感が効いて涼しさを感じさせる夏時計に仕上げられている。

Ref.7121J-001 レディス コンプリケーション ムーンフェイズ

ケース径:33.mm ケース厚:8.35mm ラグ×美錠幅:16×14mm
防水:3気圧 66個のダイア付ベゼル(約0.52ct.)
ケースバリエーション:YGのみ 
文字盤:シルバリィ グレインド 18金植字ブレゲ数字インデックス
ストラップ:ハンドステッチのマット(艶無)パーリィベージュアリゲーター
      18KYGブレスレットのバリエーション有り
価格:お問合せ下さい
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少しでも涼し気な印象に出来ないかとフォトショップでチョッと悪戯。ムーブメントNoもあり得ないくらいラッキーな・・・不変の長命ムーブメントCal.215。人生もこうであって欲しいナァ!

Caliber:215 PS LU

ムーブメントはパテックを代表する手巻キャリバー215にスモールセコンドとムーンフェイズを組込んでいる。2006年に発表されたシリコン系素材Silinvar®「シリンバー」採用の革新的なSpiromax®スピロマックスひげゼンマイが搭載されたことで耐磁性と耐衝撃性が格段に向上している。まさにパテック フィリップの哲学"伝統と革新"を体現した頼もしいエンジンが搭載されている。

直径:21.9mm 厚み:3.00mm 部品点数:157個 石数:18個 
パワーリザーブ:最短39時間-最長44時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

2018年7月31日現在
7121J-001   店頭在庫有ります
関連ブログ:着物でパテックフィリップ、ショパール(2017/8/29記事)





2018年のパテック フィリップカタログに掲載されるモデル数は181本。これを無理やり主観的に機能別で分類すると下記の様になっている。
20180629_4.jpg複数の機能を併せ持つモデルがあるため181モデルが216に膨れている。パーセントはあくまで181モデルを分母としてある。"コンプリにあらねばパテックにあらず"の様に捉われがちだが半分弱はシンプルな2・3針モデルで構成されている。そしてコンプリでは永久と年次のカレンダー系とクロノグラフの比率が高く合計で50%を超えている。ただクロノグラフには一般的ではないスプリットセコンドのモデルが7型含まれるので、年次カレンダーこそが現在のパテックを代表するシリーズと言えそうだ。
当店の店頭在庫においてはカラトラバやゴンドーロのシンプル系が大変充実すると共に年次カレンダーとワールド/トラベルタイムも良く揃っている。特に年次カレンダーは代表3Ref.の5146、5205、5396に加えて、滅多に入荷しないレギュレーター仕様のRef.5235Gや生産中止ながら希少なステンレスブレスのフライバッククロノ搭載のRef.5960/1A黒文字盤等の6モデルが横一列に並んでいるのは中々圧巻。
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Ref.5205G-010年次カレンダー
詳細は過去記事からご覧頂くとして今年度ディスコン発表がなされた一本。インデックスも針も12時の窓も凄くエッジが効いていてツートンの文字盤カラーも実に渋い色目で都会的な風貌。アバンギャルドと言うフレーズがこれほど似合う時計も珍しいのではないかと思う。

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Ref.5960/1A-010 フライバッククロノグラフ年次カレンダー
詳細は6月の記事及び文字盤色違いモデル紹介過去記事からご覧頂くとして。スポーツシリーズ(ノーチラス&アクアノート)以外で唯一だったメンズステンレスモデル。たった一年でディスコンになった希少デッドストック。正直なところ白文字盤のデビューが印象的過ぎたからかブラックダイアルの人気は今一つだった。短命に終わった理由かもしれないが、スポーティな時計の顔は基本的に黒なので先に黒が出ていれば全く人気度合いは異なっていたかもしれない。結果的黒文字盤の個体数は相当少ないのではないだろうか。

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Ref.5205R-010 年次カレンダー
過去記事より詳細は見て頂くとして・・現行パテックで一番色気が際立っているモデルだと思う。良く似たモデルに超絶系の5208Rやダイア付の5961Rがあるが色々と凄い物を着込んでいるのでセクシーではなくてどこまでもゴージャスな世界。5205Rはストイックに引き締められた体躯と健康的に色づいた肌でこそ存在感が際立つ色男時計。

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Ref.5235G-001 年次カレンダー・レギュレーター
展示会用貸出サンプルとして来たことが無いので、PPJにサンプルがあるのか無いのか?すら分からないモデルの一つがこちらレギュレータータイプの年次カレンダー5235G。つい先日の記事から詳細はどうぞ。
今年発表のニューモデルで断トツ人気の一番がノーチラスの永久カレンダーWG、二番目がアクアノートジャンボのフライバッククロノグラフSSだと思われる。この2点のサンプルも恐らくどの正規店の展示会場にも並ばないと思われる。あまりにもご注文が多い人気モデルは熱が冷めて落ち着くまで追加オーダーを出来るだけ避けるために未出品となる。数年後にこの新作2モデルがどうなっているかは予想がつかないが、定番でもずっと展示会を欠席し続けているノーチラスやアクアノートのSS系はそれなりの数が製造されている。にもかかわらず熱が冷めるどころか益々加熱しているので永久欠番になりそうだ。
パテックコレクション唯一のレギュレーター5235Gにそこまでの人気は無い。どちらかと言えば通好みであり、個性的な顔は好き嫌いもあろう。もちろんネットで騒がれる事もお問合せを始終頂くわけでもない。しかし展示会を毎回欠席するのは生産が非常に少なく供給が不安定な為である。理由は恐らくアドバンストリサーチがらみの前衛的な素材を心臓部である脱進機廻りに採用しているためだろう。直ぐにブランドがわからない方が良い方や人と被るのが嫌な方にお勧めの一本。

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Ref.5396R-011 年次カレンダー
運命のいたずらで我が愛機となった5396R。たぶんあの事件が無ければ未だにこの価格線のパテックを手にしていたか怪しい。はぼ3年愛用しての感想は本当に飽きの来ない顔だなと・・4つのプッシュコレクターによるカレンダー合わせは好き嫌いが有りそうだ。自分自身でもムーンフェイズは合わせず着用も多い。ご面倒な方にはクロノグラフ搭載の5960系やレギュレーターの5235等のお月様無しの方が使い勝手が良いかもしれない。まあ正装における蝶ネクタイのようなものなので・・

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Ref.5146G-010 年次カレンダー
今は無き大原麗子さんがサントリーCMのセリフに「少し愛して、長~く愛して!」と言うのが有ったが、この時計を見る度にこのセリフを思い出してしまう。
パテックの年次カレンダーは1996年にRef.5035でデビューした。ダイアルレイアウトはそれまでに在りそうで無かった3カウンターで、あまり押し出しの無い地味な印象だった。正直なところまさかこの顔がマイナーチェンジを受けつつ現行のRef.5146に脈々と受け継がれながら超ロングセラーになろうとは思いもしなかった。年次機能が時代にマッチしていた事がロングライフの最大の理由だろうが、パテックらしいある意味そっけないが厭きない顔つきが良いのだとしか思えない。まああと2つの顔がクラッシックな5396、アヴァンギャルドな5205なので年次専用でルーツでもあるこの顔は今後も無くせないような気がする。

まさか大阪での地震に続いての未曽有の豪雨災害。どうも東日本大震災頃から日本列島はあまりにも頻繁に災害に見舞われている気がする。そんな中でも当店の有る奈良県北部は地震も噴火も洪水も・・本当に災害が少ない。さすが1300年前にこの国で初の都と定められただけの事はある。ただたった70数年でその座を京都に譲り渡してからは、ほぼ時間の流れが止まったかのようで住処とするには安全で良いのだが商売っけが無いと言うか、危機感が欠如していると言うか、いらちな大阪生まれ育ちの我が身も此処数十年でそんなリズムに染まってしまった。思いっきりユッタリのんびりと時計を見て楽しんで頂ける空間である事は間違いございません。

文責:乾

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カサブランカ奈良

〒630-8013 奈良市三条大路1-1-90-101
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定休日 / 水曜日 TEL / 0742-32-5555
ホームページ / http://www.tokeinara.com/

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