パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

廃盤/生産終了モデル 一覧

今年は少し早かった。昨日、次の記事が生産中止だろうと書いたが、翌日(2/2)に早くも通達がやってきたわけだ。皆さんご興味のある所なので、例年のごとく後日加筆覚悟でさっそくご紹介。

斜体文字のRef.は今日現在で当店在庫有り。尚、生産中止発表後にひょっこりと対照モデルが入荷することがある。客注の場合も、そうでない場合もある。あくまで2019年のどこかで生産を打ち切る予定リストなので、現在仕掛かっている製品もあるだろうし、これから仕掛かり年度内に出荷もあるかもしれない。希望的とは言えないが本発表が、即絶望とも言い切れない。一生懸命探しますので、ダメもとのお覚悟ならお声がけください。よろしくお願いします。(2/3加筆)


メンズ31型


超絶系?
6300G-001グランドマスターチャイム
ミニットリピーター
5539G-0105304R-001
※3モデル全て時価(Price on riquest)
6300_5539_5304_341_b.png
スプリットセコンドクロノグラフ
5204P-0115950R-001 ※2モデル共に時価(Price on riquest)
永久カレンダー
5940R-001
5204_5950_5940.png
年次カレンダー
5146P-0015146/1J-0015146/1R-0015146/1G-0015146/1G-010
5235G-0015396R-0125396G-0145396R-014
5146_PJR_b.png
5146_G_001_010_5235.png
5396G_014_R_012_014.png
クロノグラフ
5170P-001
5170P-001.png
カラトラバ
5119J-0015119G-0015119R-001
5296G-0015296R-0015296G-0105296R-010
5227G-0015153J-0015153G-0105153R-001
5119JGR.png
5296G_001_R001.png
5296G_010_R010_5227G_001.png
5153JGR.png
ゴンドーロ
5124J-0015124G-011
5124JG.png
ノーチラス
5726/1A-0015726/1A-010
5726_1A_001_010.png
2017年度27型、昨年2018年度が20型、そして今年が31型。今年は大量ディスコンの年だ。永久カレンダーまでのグランドコンプリケーション6型はこんなもんでしょう。6300グランドマスターチャイムは恐らく世界中で現実的にオーナーになりたい方(なれる方)の受注が一通り終わったのか。通称TVスクリーンと呼ばれる個性的かつ人気の永久カレンダー5940はリファレンスそのものが姿を消すことになった。ラトラパンテの5950も無くなってクッションケースがラインナップからグッバイする事態になった。
年次カレンダーはややマニアックなモデルとそんなにご要望のなかったメタルブレスがごっそりと鬼籍に入った。ノーチラスを除きメタルブレスは、ほぼ絶滅危惧種になりつつある。
個人的にお気に入りの手巻きクロノ5170Pは2年で姿を消す。結構将来の資産価値が期待できるレアモデルだったりして。
そして衝撃のカラトラバ。11型のドロップが今年の大量ディスコンの根幹だ。昨年の5116Rに続いてクルドパリベゼルの名作5119が全モデル生産中止。同じくド定番のクンロク自動巻5296も4型全廃となった。あまりにお気の毒で掛ける言葉もありません。ハンターケース系はオフィサータイプの5153が全部サヨウナラ。
ゴンドーロはメンズで唯一残留していたレクタンギュラーケースの5124が消えてレディスオンリーのシリーズとなってしまった。ああバッサリ!(2/3加筆)
さらに衝撃はノーチラスにも、しぶとい人気の年次カレンダーステンレスブレス2色が鬼籍に入ってストラップモデルのみ徳俵で残った。

レディス12型

コンプリケーション(ムーンフェイズ)
7121/1J-0014968/400R-001
7121_1J_4968_400R.png
カラトラバ
4899/900G-0017122/200G-0017122/200R-001
7122_200G_7122_200GR.png
ノーチラス
7018/1A-0017018/1A-0107018/1A-011
7014/1G-0017014/1R-0017021/1G-0017021/1R-001

7018_1A_001_010_011.png

7021_1GR_7021_1GR.png
レディスの12型も、2017年度10型、昨年2018年の6型から見て結構な見直しとなった。ただその内半分はかなりな宝飾モデルで目垢も付きやすく、買うべき方が一巡すればあまり長く継続すべきではないだろう。個人的にはステンレスノーチラス自動巻で33.6mmと小ぶりで日本人にグッドサイズだった7018全廃は残念だ。

数年に渡る大胆なラインナップ見直しの一方で、昨年の新製品はメンズ12型、レディスはたった3型。一昨年2017年はそれぞれ17型と8型なので近年は寡作化が進行している。結果コレクション全体がシェイプアップされ続けている事になる。かといって生産能力はリストラされている訳ではなく、新工場を現本社工場に隣接して建設中であり、二年ほど前のスイス時計産業不振時期には他の時計コングロマリットが放出した技術者達を積極的に雇用したパテック社の生産余力はむしろ充実傾向にある。
理由として考えられるのは、P社自身も唱えているさらなるクオリティアップ。そしてアフターサービスの充実あたりだろう。決して1モデル当たりの生産本数を全体に底上げするような事はして欲しくないと願っている。
しかし毎年感心するのは、どこの誰がリーク元か知らないが、年末あたりから真しやかに流れている根も葉もない(と言い切れるのか?)生産中止の怪情報がほぼ十中八九的中している事である。そして僅かながら2019新製品の怪情報も添えられているのだが、さすがに現段階では立場上言及できない。ただし本当ならとっても嬉しい内容なのだが・・
今年のバーゼルは3月21日(木)から開催される。例年通りであれば9時間時差のある現地21日午前0時(たぶん)、日本時間午前9時にはP社公式HPで新製品の全貌が発表されるはずだ。個人的には大きなまとまりを欠いたカラトラバシリーズのラインナップ再構築が最も気になるところである。(2/3加筆)

今年はカタログへのリンクだけではなく、判りやすく商品画像も貼る予定。考察ももう少し書き足したい。でもこの手の情報は鮮度が命なので取り急ぎひとまずアップ致します。明日以降加筆予定。速記記事ゆえ多少の誤字・リンク誤りはご容赦ください。

文責:乾

インスタグラムアカウントinstagram作成しました。投稿はかなりゆっくりですが・・

例年の事である。今年は6日に生産中止予定モデルの追加・変更の通達が来たらしい。"らしい"とはまたええ加減な表現だが、2月は例年恒例の毎週東京詣でなので今朝見た。スタッフの教育できとりまへん。要は社長が甘くてボンクラ。大小問わず、こういう一見些細なことがいずれ致命傷となり企業はご臨終となる。しっかりせんかい!(千回)と自分自身に"活!"を入れる乾です。
変更は、ポケットウオッチRef.972/1J-001の生産中止追加。中止予定だったスプリットセコンドクロノRef.5950R-001の生産継続にての復活。以上2点で大勢に影響はない。何故か懐中時計の画像は既に公式HPには無い。2017ゼネラルカタログには掲載されている。HPに今時点で生産中止発表され未掲載のモデルはこの一点だけ、何ゆえか?実は心当たりがある。でも、チョッと書けないんだナぁ。(以上2/8加筆)

昨日、数時間を掛けてふうふう言いながら書き込みまくった記事が何故か今朝消えていた。
そして実に億劫な書き直しをする前に雑事にかまけている最中に価格改定の続報が来て、そっちが優先となった。アップしたらインスタにも反映し、FBにもついでにとやってるうちに、来客もあってこんな時間になってしまった。ところが書き直し作業を始める段になって昨年の2017生産中止記事をコピーの上で修正作業していた事に気づき・・・ひょっとして、やはり昨年の記事の直上に昨年日付のまま保存されていた。横着は自滅の元になる。いわゆる自業自得(この言葉はおかしい、自分が得して無い)・・自業地獄の方が今の気分。
閑話休題、ともかく助かった。正月二月堂のみくじは"末吉"、氏神様の漢国神社(かんごうじんじゃ)で掟破りの再挑戦も"小吉"。凶が出なかったのでお見捨てだけは免れたようだ。以下、書き直しせずに原文ママアップしますので文脈少し相前後等をご容赦願います。

昨日、異常人気モデルのノーチラスの特別価格改定をお知らせしたばかりの本日、ようやく熱っぽさも取れ始め風邪退治モードに入っていたらまたも熱のぶり返しそうな入荷と通達がパテックフィリップから同時にやって来た!
書きかけの記事やらお触りしかけたイケメン画像なども中途半端にあって、なんせ最近納品した実機撮影をご承諾頂いたモデルなだけに気が急いて・・・

本日入荷品は昨年白文字盤が生産中止になってブラックダイアルとして新たにリリースされた年次カレンダーフライバッククロノグラフRef.5960/1A-010。で、ですよ。やってきた通達が2018生産中止(通称RUNOUT)モデルのご案内で、この着荷ホヤホヤも入っており非常に複雑な心境にならざるを得ない訳です。たった1年でのディスコン決定した新規在庫品の販売に吉と出るか凶と出るか・・・

前年に引き続き、本日は取り合えず画像又は過去記事リンク付きリストのみ。明日以降に徐々に肉付けするかも・・

※当然現在製造仕掛かりの物もあるだろうし、2018年度(2月~2019年1月)中に生産が中止になるリストなので、たちまち全てが一切手配不可という事もないのは昨年同様。時々アレッ!というディスコンモデルの入荷案内というサプライズ仕入というのもパテックにはあるので、皆様のご希望品は精一杯探したい。簡単ではないけれど、あきらめませんの精神で・・・
と書き込んでいる間にいきなり5200-010の入荷案内が飛び込んできて、全く油断も隙も無い。もちろんお宝は即仕入!

斜体太字のRefは今日現在で当店在庫あり。
メンズ

ミニットリピーター
5207/700P-001 5208P-001
スプリットセコンドクロノグラフ
5950R-001 5959R-001
※上記4モデル全て時価(Price on riquest)この辺りのモデルを過去記事リンクできない悲しさをバネにひたすら書き続けるとするか。
永久カレンダー
5139G-010, 5140P-017, 5270R-001, 5940G-010
年次カレンダー
5960/1A-010, 5205G-001, 5205G-010,
クロノグラフ
5170R-001, 5170R-010,
ワールドタイム
5131R-011,
カラトラバ
5116R-001,
ゴンドーロ
5200G-001, 5200G-010,
ゴールデンイリプス
3738/100G-012, 3738/100J-012, 3738/100R-001,

ミニットリピーターに関しては昨年に11Ref.ゴッソリディスコン(生産中止)が今年はわずかに2モデル。しかしこの2モデルは只のグラコンならず究極雲上スーパーグランドコンプリケーションである。もちろんそのまま空席はあり得ない予想をしている。
スプリットは自社クロノキャリバー初出のCH27-525搭載モデル全般にありがちな短期生産中止の流れに乗るもので流通個体を抑える事で将来の希少価値(資産価値とは書きません。いや、書けません!)を狙っているのだろう。
永久カレンダーは個人的に悲しい結果に、好みのワンツーモデル(5139G,5140P)が揃って鬼籍に入ってしまった。さらにクロノを搭載したダブルコンプリの5270Rは昨年のバーゼルワールドでのスイスパテック社のガラディナーパーティーの際、ティエリー・スターン社長自らがご着用されていたモデル。何ぞ狙いが或るのやら無いのやら・・
普通?に販売できないクロワゾネワールドタイム5131Rは、例年なら今年度もダイアルデザイン違いのクロワゾネ仕様で枝番替わりの2018バージョンが出そうなもの。しかしながら昨年プラチナブレス仕様が登場したのでこれは何とも予測付き難し。
カラトラバ5116Rは正直5119Rとの違いが我々プロでも並べぬ限り見分けが付かない。ただ個人的にはこの100人に一人しかわからん様な"実はね"モデルが大好きだ。様は只の時計フェチです。
ゴンドーロの人気モデル8デイズ両落ちには少しビックリ。専用ムーブだけに今後の動向が予測不能ながら何か出てきて欲しい!
イリプスの18金3素材全落ちは予想通りで発売50周年を記念して私見ながら継続となったプラチナ5738P-001と同サイズ34.5×39.5mmで3素材出揃うのではなかろうか。時代はサイズアップトレンドながらも近年はサイズダウンへの見直しもある。でも現行の18金イリプスはあまりにも小さ過ぎた。実を言うと"小ぶりフェチ"でもある自分自身の愛機は最近ブログアップもしたYGのイリプス。まず洋装の時には巻かないが大島紬との相性の良さは抜群だ。
閑話休題、イリプスに関してこのサイズリプレースのみで終わるのか否や?アチラの世界はクォーター(25年)が重視される。となれば50年はもう少しサプライズがあるかもしれない。しかしノーチラスとはベーシックに人気度合いが違うので意外に現実的かも?のティエリー社長はどこまでやるのかやらないのか・・・


レディス
ミニットリピーター
7000R-001(時価Price on riquest)
年次カレンダー
4948G-001
カラトラバ
4895G-001, 4895R-001, 7200/1R-001
ゴンドーロ
4973G-001
昨年同様に豪華なジェムセッティング3型に加えてレディス唯一のグラコンミニットとお別れする事になった。

メンズ、レディスとも今年は少なめの生産中止。メンズスーパーグランドコンプリとレディスの高額ラインについては見直しなのかお見送りなのか。昨年までの世界的腕時計不景気は多少解消しつつあり、特に超の付く高額腕時計は絶好調(日本だけ?)と言われる状況の中なので正直真意は読めません。今年はこの辺りぐらいしかバーゼル詣(3/22-27)の目的が無くなった。確か1300社程度あった出展社が今年は700とも900とも言われているし、会期も2日ほど減るBASELWORLD。ROLEX&OMEGAとバイバイし、毎年ワクワクだったブライトリングも来年からは1月のジュネーブSIHHに移行する。かといって航空券は最低現地滞在5日未満は急に高額になるのでとんぼ返りも出来ない。と言う事はスタッフ不足に早く何とか目途付けて来年のバーゼルはパテック+気が向いたトコだけ挨拶廻りを一日で済ませて、市場調査と称してイギリスのアイラ・ロー&ハイランド等々のディスティラリー巡りでも計画するしかバーゼルに行く理由がなくなりそうだ。とてもこのシーズンにマッターホルン再登を狙える実力は無いし・・

ちなみに今年は年々口煩さがエスカレートしている姐を同行せず、一人気楽な道中の予定。

文責:乾

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気がつけばもう8月も後半。今夏は梅雨明け以降で湿気がひどく寝苦しい夜が続いた。ところが盆を過ぎてからは夜が急に涼しくなり早朝足が攣ったり鼻かぜ気味になったりと体調管理が難しく厳しい夏だ。このやけに過ごしにくい粘着質の暑さはまだまだ続きそうなのだが・・皆様いかがお過ごしでしょうか。
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本日紹介は今年の新製品として初紹介となるRef.5170P-001。2010年にパテック フィリップ完全自社開発製造となる初の手巻クロノグラフムーブメントCH29-535PSを搭載してイエローゴールドのメンズモデルとして発売以来ホワイトゴールド、ローズゴールドとバリエーションが発表され今年初のプラチナ素材でのローンチとなった。この顔には既視感をお持ちの方も多いと思う。ケース形状は全く違うが昨年秋に発表されたノーチラス40周年限定モデルとして発表されたWGクロノグラフモデルとプラチナ3針モデルで採用された濃青色にバゲットダイアインデックスのコンビネーション。
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ノーチラスの文字盤には特徴的な横縞ボーダー柄があり、微妙な光の当たり加減によって作り出される魅惑的で多彩な表情に悩殺されっぱなしのノーチラスファンが跡を絶たない。5170PのダイアルはBlue sunburst black gradated 放射状の微細な刷毛目紋様の上に文字盤中心の青から円周部の黒へとグラデーションしている。手法は微妙に違うのだが色目の印象が非常に近くて派生モデルっぽく見える。
一般的に言ってメンズウオッチへのダイアモンド装飾はギラギラ感が押し出され過ぎる事が多く、好きな方はそれが魅力で着けておられる。パテックにおいてもベゼルへのダイアセッティイングモデルは存在感タップリで何処にも誰にも負けない立派なものです。ただ一連のノーチラスと言い、5170Pにしてもじっくり見ないと綺麗なバーインデックスに見えてしまったりする。これが押し出しは要らないが自分で満足できる特別感は欲しい時計ファン、パテックファンの背中を押したようだ。個人的にもベゼルダイアは一生腕に巻く事は無さそうだが、この手のモデルは躊躇なく着用可能だ。
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ダイアインデックスを包み込みダイアルにセットしているWGのホルダー。ショーピースを慌てての撮影なのであまり鮮明ではない。万が一の脱落を防ぐためか天地の爪がガッシリしている。ファセット面が非常に少ないのもキラキラ感を抑えている要因であろう。
今年の新製品で一番気になったこのモデル。バーゼルで始めて見てその文字盤の美しさに吸い込まれそうになった。先日久々にサンプルを見直してもその思いは変わらない。漆黒の艶っぽいアリゲーターストラップもダイアとの相性がすこぶる宜しい。
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ケース厚は10.9mmは薄すぎず暑すぎずバランスが良く端正で完成されたカラトラバクンロクケースに仕上がっている。スクエアのプッシュボタンは安定感があり、リセットボタンの押し加減は風の様に軽やかで癖になりそうな独特のフィーリングを持っている。
パテック社の商品分類ではグランド(超複雑)ではなく普通のコンプリケーション(複雑)に分類されている手巻クロノグラフ。しかしその製造方法はいわゆる″二度組"と言われるグランドコンプリケーションレベルと同じであり、時としてパテック社の関係者もグラコンと勘違いをしていることすらあって、価格的にもCH29系クロノはグラコン扱いで良いように思う。巷ではヌーベル・レマニア社のパテック向け専用手巻きクロノグラフキャリバーCH27-70が搭載された自社製化直前のRef.5070、それもプラチナ(ダイアルは確か濃い目のブルー)の人気が今日でもまだまだ高いそうだ。今回の5170のプラチナも将来そんな伝説のモデルに化ける可能性が有るかもしれない。

Ref.5170P-001

ケース径:39.4mm ケース厚:10.9mm ラグ×美錠幅:21×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:PT、RG(ブラック010ホワイト001
文字盤:ブルー サンバースト ブラック グラデーテッド バゲットダイアモンドアワーマーカーインデックス(~0.23ct)
ストラップ:手縫いシャイニー(艶有)ブリリアントブラックアリゲーター 
バックル:フォールデイング(Fold-over-clasp)
価格、在庫:お問い合わせください

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以下過去記事より転載
搭載キャリバーは何度見ても惚れ惚れする美人ムーブのCH 29-535 PS。古典的と言われる水平クラッチ(キャリングアーム方式)は美観に優れ、クロノ操作を見る楽しみを与えてくれる。ところがクロノグラフスタート時にドライビングホイール(A、クロノグラフ出車)と常に咬み合っているトランスミッションホイール(B、中間車)が、水平移動してクロノグラフホイール(C、クロノ秒針車)と噛み合う際に、タイミングによって歯先同士がぶつかるとクロノ秒針が針飛びや後退を起こす弱点がキャリングアームにはある。これを解消するためにパテック社ではクロノグラフ輪列(前述のA~C)に特許による新しい歯型曲線を採用している。その他にもコラムホイールカバー(D、偏心シャポー)やレバーやらハンマー等々あっちゃこっちゃに、これでもかと特許技術を投入することで、古典的美観はそのままに時代を先んずる革新的かつ独創的な手巻クロノグラフキャリバーを完成させている。
※パテック社によるCH29-535の解説は→コチラから
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Caliber CH 29-535 PS:コラムホイール搭載手巻クロノグラフムーブメント

直径:29.6mm 厚み:5.35mm 部品点数:269個 石数:33個 受け:11枚 
パワーリザーブ:最低65時間(クロノグラフ非作動時)クロノグラフ作動中は58時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:ブレゲ巻上ヒゲ
振動数:28,800振動

PATEK PHILIPPE 公式ページ 

文責:乾

前回に続いてディスコン(生産中止)の銘品紹介シリーズ。レディスコンプリケーションのトラベルタイムRef.7134G。天才時計師ルイ・コティエ氏によって考案されたトラベルタイム機構の特許をパテックが取り製造を始めたのは50年以上も前の1959年。その後クォーツ全盛期時代に製造は一旦途切れている。スイスの機械式時計がようやく復活した1990年代後半になって現代のトラベルタイムの製造が再開した。
今回紹介のRef.7134Gは2013年に発表され2016年にディスコンされた少し短命なモデル。或る意味製造個数も少ないはずで希少性は高い。
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実はこのモデルの生産中止で現在レディスのトラベルタイムコレクションのラインナップが無くなっている。個人的には1997年から再開された現代トラベルタイムのレディスでは一番お洒落で良い顔をしていると思う。何が良いって文字盤の色目が表現の仕様が無い微妙な薄めのブラウン。同色のアリゲーターストラップのカラー名称がシャイニー トープ(Shiny taupe)。そう、某有名ブランドE社の中々買えない超人気レディースバッグにも採用されている有名な色目。いわゆる旬のお色。
全ての針と6時側のスモールセコンドインダイアルと12時側のホームタイムと連動した24時間インダイアル、パテック フィリップのロゴ等の情報一切が白色でまとめられておりスッキリと締まった表情になっている。18金製のアラビアインデックスはポリッシュされており少々視認性に難がありそうだが、オフィスや屋外など光量がしっかりある環境なら充分見易い。逆に少しトーンダウンしたレストランのディナー席などではインデックスが変に悪目立ちしないのでラグジュアリーなドレスウオッチとなる。ベゼルにはトップウェルセットンのダイアモンド112個(~0.59ct)が丁寧にセッティングされている。パテックのダイアセットはその時計作りのポリシー同様に実用性を高めるため衣類の袖口が引っかかったりしないよう滑らかさを最優先した手法を採用している。海外を舞台に働くキャリアウーマンにはうってつけの一本と言えそうだ。

Ref.7134G-001
ケース径:35mm ケース厚:9.2mm ラグ×美錠幅:18×14mm 防水:3気圧
112個のダイヤ付ベゼル(~0.59カラット)
ケースバリエーション:WG 
文字盤:ブラウン サンバースト 18金植字アラビアインデックス
ストラップ:シャイニー トープ アリゲーターストラップ
価格:税別 4,510,000円(税込 4,870,800円)2016年11月現在
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Caliber:215 PS FUS 24H
この時計手巻きである。実用性からすれば極薄自動巻きCal.240にトラベルタイムモジュールを積めば良さそうだが、たぶん文字盤レイアウトに無理があって手巻きの名キャリバー215が採用されている。ビックリするのはトラベルタイムモジュールの薄さだ。ベースキャリバー215の素の厚みが2.55mmで部品点数130個なのでモジュールは厚さ0.8mmに48点のパーツで構成されている事になる。他のメンズのトラベルタイムと違ってホームとローカルタイムの昼夜表示が無いにしても凄い部品密度である。ケースの厚みは9.2mmと意外にある。たぶんトラベルタイム操作プッシャーを組み込む為にある程度の厚みが必要なのだろう。

直径:21.9mm 厚み:3.35mm 部品点数:178個 石数:18個
パワーリザーブ:最短44時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動

尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

2017年6月9日現在 店頭在庫有ります

気付けば2月以来商品紹介が出来ていない。この時期はバーゼルワールドを始めとして生産中止情報や2017新作ダイジェストなど話題はそこそこにある。反面、例年2月から夏場にかけては本年の新作入荷がまずないので商品情報はどうしても少な目である。しばらくは緩やかな更新でご容赦下さい。
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パテック フィリップの七不思議に生産終了品のヒョッコリ入荷というものがある。最終生産ロット品がゆっくり出荷されたのか。最近何かの理由で再生産されたのか。パテックからの明確な答えは無い。今回は今年生産中止発表されたクロノメトロゴンドーロの多分最終生産ロットだと思われるローズゴールドモデルRef.5098Rのご紹介。
1920年代頃にブラジルの高級時計宝飾品店のゴンドーロ・ラブリオ社の求めに応じて納入されていたのはイエローゴールド製。(下画像:良く紹介されている1925年製イエローゴールドモデル)
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色目的にはローズは大変近い。ただ文字盤上に特徴的な楕円形のインデックス表示部分とPATEK PHILLIPE GENEVEやCHRONOMETRO GONDOLO、SWISS MADEの文字表記部分については金色(PP社表現はハニーブラウン)の平滑面になっていてギョーシェ装飾が施されたシルバーカラー部とくっきりとしたツートンカラー仕様になっている。2007年にローズに先駆けて復刻発表されたプラチナモデルRef.5098Pも1920年代のオリジナル同様に全体がシルバーで統一されていた。ツートン仕様は2009年発表の現代復刻モデルのローズバージョンでの新規採用となる。これは好みの別れるところで個人的には甲乙付け難い。
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何といってもこのモデルの魅力の第一は18金素材の文字盤にビッシリと施された手作業によるギョーシェ(波状の微細な彫装飾)だ。調べればこれまた18世紀の天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲ考案らしい。手作業とは言ってもギョーシェ専用のマシンに文字盤をセットして人の手で操作しながら複雑なパターンを掘り出すスタイル。バイトと呼ばれる鏨(のみ)を使ってムーブメント構成パーツである地板や受けにフリーハンドで施されるエングレーブ(彫金)とは異なる。またモノトーンのプラチナモデルと異なり装飾後の色付け工程も一手間増えていそうだ。
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誠に優美かつ正当なトノーシェイプのケース形状も魅力的だ。全体が曲線で構成されており色気漂う女性のグラマラスな姿態を想像させられる。表裏両面のサファイアクリスタルもケース同様緩やかにカーブしている。普通此処まで曲面だと鏡代わりに顔をうつすと歪んだりするのだが、パテックレベルになると冷間鍛造とポリッシュの技術が凄い為一切ゆがまない。ラグは紳士用腕時計黎明期に採用された貫通ピンをねじ止めしたオフィサー(将校)タイプ。画像は無いがもちろんピンタイプのバックルもオフィサー仕様となっている。
2月に紹介したRef.5205R-010を現代セクシー系とするとRef.5098Rはクラシカルな色香が漂うどこかアンティークっぽいモデル。昨今あまりにもハイテク化が進む現代車の反動なのか、アナログなヴィンテージカ―の静かなブームが起きそうな気配がある。そんなクラシックな出で立ちにこそ着けてみたい魅力的タイムピースだ。

Ref.5098R-001

ケース径:32×42mm ケース厚:8.9mm ラグ×美錠幅:17×14mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:RGの他にPT いづれも製造中止
文字盤:ギヨーシェ装飾18金製 ツートーン
ストラップ:マット(艶無)ダークブラウンアリゲーター
価格:税別3,930,000円(税込 4,244,400円)2016年11月現在 


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1900年代のオリジナルクロノメトロゴンドーロのムーブメントは当時パテック社の主要エボーシュであったルクルト社製の丸型キャリバー12"'が搭載されていた。2007年のモデル復刻にあたってパテックはケース形状にふさわしい角型の専用新キャリバー25-21RECを開発した。同社にとって1934年に開発した名キャリバーCal.9"'-90(上)以来の73年ぶりの自社角形ムーブメントと言われており、明らかに意識したレイアウトが採用されている。往年の名キャリバーへの強烈なオマージュと言えそうだ。
尚、Ref.5098が全て生産中止になった今、同じくゴンドーロシリーズのレクタングラーシェイプのRef.5124のWGYGにのみこのキャリバーが搭載されている。
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Caliber 25-21 REC(手巻き)
サイズ:24.6×21.5mm 厚み:2.57mm
部品点数:142個 石数:18個 パワーリザーブ:最低44時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製) 振動数:28,800振動
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

文責:乾

2017年6月2日現在
5098R-001 店頭在庫有ります
(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)

明日ブログアップ予定の3月中旬のパテックイベントの仕込み中にPPJから来たサンプル貸出しリストを見て、かなりビックリ!衝撃的な生産中止モデルが追加されていた。
Ref.5960/1A-001、2014年に発表されたステンレスケース&ブレスレット年次カレンダーフライバッククロノグラフ。それまでのプラチナケースを全廃し、鳴り物入り(ミニットでは無いが・・)で投入されるや一気に人気希少モデルとなり、最近でこそ多少落ち着いてきたがステンゆえの価格のこなれが手の届く限りなくグラコンに近いコンプリケーションだった。パテック新参の当店でもパテック通の方が2本目や3本目パテックとしてさりげなくゲットされる人気アイテムだったのに・・
恐らく、今後の入荷はほぼ絶望的で可能性はご決定客注で申請してどうなるかレベルである。個人的には今年のRUNOUTS達の中で一番寂しいニュースである。
もう一点はレディスコンプリのワールドタイムで、昨年2016年の発表からたった一年で追加ディスコンとされたRef.7130R-010(リンクいつ切れるやら?)である。これは同じく2016年のメンズの第3世代ワールドタイムRef.5230発表時にシティディスクの都市名が一転二転したどさくさで、とばっちりを受けた格好でプチマイナーチェンジを受けたモデル。WGは先日公式発表リストにUPされていたので正に片手落ちだろう。ただ、現時点で一旦レディスのワールドタイムはラインナップ上から完全に姿をくらませる事になる。これはひょっとすると目前に迫った2017バーゼルワールド(3/23-3/30スイス)でフルモデルチェンジのレディスワールドタイムRef.7230??のWGとRGが出て来そうな気配ありありだ。楽しみっ!
以上、2月28日加筆


前年に引き続き今年の生産中止情報が本日届きましたので取り急ぎご紹介・・・本日は取り合えず画像リンク付きリストのみ。明日以降に徐々に肉付け?予定

斜体太字のRefは今日現在で当店在庫あり。
※当然現在製造仕掛かりの物もあるだろうし、2017年度(2月~2018年1月)中に生産が中止になるリストなので、たちまち全てが一切手配不可という事もないのは昨年同様。ご希望品は前回以上に精一杯探したい。やっぱり簡単ではないけれど・・・
※急ぎやっつけ仕事なのでケアレスミスの可能性も有りアリです。

メンズ
ミニットリピーター
5078P-001 5078P-010 5078R-001 5539G-001 5073R-001 5073P-001
5073P-010 5213G-010 5216R-001 5216P-001 5307P-001
スプリットセコンドクロノグラフ
5950R-010
セレスティアル
6104G-001
永久カレンダー
5140P-013 5270G-019 5270G-018
年次カレンダー
5396/1R-010 5396/1G-010
クロノグラフ
5170G-010
スケルトン
5180/1G-010
カラトラバ
5120J-001 5120G-001 6000G-012 6000R-001 5298P-012
ゴンドーロ
5098R-001
ノーチラス
5719/1G-001

2016年度に全19モデルで構成されていたパテックのミニット・リピーター王国の11Ref.ゴッソリディスコン(生産中止)にビックリ!2014年のブランド創立175周年の各種イベント以来このジャンルに力を入れてきた様に思える中での大量廃番は、2017BASELで新たなミニット旋風が巻き起こるのか?
2016新製品のスプリットセコンドクロノRef.5950R-010、クロノグラフRef.5170R-010は1年の短命、一体何本の個体数なのか?パテックお得意の超レア作戦。
永久カレンダークロノグラフRef.5270G2色廃番は新文字盤ではなくマイナーチェンジ新モデル登場を期待出来そうだ。
スケルトンは昨年のレディスに続きメンズも無くなりラインナップされなくなった。新らしい企画が進行中なのか、否か?
カラトラバベーシックモデルの小ぶりな自動巻きRef.5120JとGのディスコンはモデルそのものが生産中止。ニューフェースを考えるのが難しいシンプル顔なのでお蔵入りの可能性大。当店店頭の希少なWGの最終在庫品はいつ頃にどなたに嫁ぐことやら・・
同じくCal.240を積むRef.6000の2色もモデル廃番。チョッとアバンギャルドなこちらのお顔、何となくもうお目にかかれない気が・・
大好きなクロノメトロ ゴンドーロがついに完全鬼籍、さみしい限りで今年度の入荷を心待ちにしていたのに・・でも、ひょっとして・・

レディス
ワールドタイム
7130G-013(リンクページ危うし!)
クロノグラフ
7071G-001 7071G-011 7071G-010 7071R-001 7071R-010
アクアノートルーチェ
5069G-001 5069G-011 5069R-001 5072G-001
2010年にブランド初の完全自社設計開発製造されたCal.29-535を積んでメンズに先駆けて発表されたレディス ファースト クロノグラフRef.7071が品番完全廃番になった。7年間の貴重なお勤めご苦労様でした。

メンズのセレスティアル、カラトラバ、レディスのアクアノート等のゴテゴテのダイア仕様ゴージャスラインに大ナタが振るわれたのは、昨今の世界的不景気の影響と思われる。
昨年の大量60Ref.に対して今年は32Ref.のディスコン。ほぼ半減の例年並みとなった。改めて2017BASEL発表モデルを考察するにミニット・リピーターの新機軸は必ずありそうだが、世界の景気状況からして例年よりも今年は静かなのかもしれない。健闘組のパテックですらこうなのだから、他ブランドは押して知るべしという気がしている。まあ久々に口うるさい姐と珍道中予定の今年スイスはゆっくり、じっくり少数の逸品を拝みに行く事になりそうだ。さてさて・・

文責:乾

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2013年バーゼルワールドのパテック フィリップ最大の話題作エイトデイズRef.5200G。画像では時分針をお約束の10時10分ではなく、8時20分としてブランドロゴを見せるようにした。さてスイスの時計業界には数年から10年くらいの期間で何かしらテーマというか流行があって、ロングパワーリザーブは2010年頃から現在も続くロングなトレンドである。どちらかというと保守的なデザイン性からパテック フィリップは何事も奥手のように思われるが、実際には新進気鋭の先物取りが多い。このロングパワーリザーブもミレニアムイヤーの2000年に3000個限定で発表された10-Day Ref.5100モデルにその遺伝子は遡る。もちろん当時腕時計では最もロングパワーリザーブで主ゼンマイを収めた香箱を2個積んだCal.28-20/220を搭載していた。このキャリバーはパテック社のR&D(研究開発)スタッフ35名をして開発に3年を要した大プロジェクトだったようだ。
※画像はPATEK PHILIPPE INTERNATINAL MAGAZINE No.7より
5100G.jpg
ちなみにチョッとビックリしたのだがパワーリザーブ表示機構というのもクロノスさんの記事によれば20年ほど前にパテックが初めて装備したらしい。時期からして1998年のノーチラスRef.3710が最初らしいのだが調べきれなかった。
※下画像はWRISTREVIEWさんより借用
Nautilus_3710_a.jpg
勉強不足だったがこのパワリザ機構というのは結構複雑でリスクもあるようで歯車の設計と磨き上げに絶対の自信を持つパテックならではの開発だったような。
もう少し前置きを書くと2003年にはこのCal.28-20/220にトゥールビヨンキャリッジを組み込んだCal.28-20/222が開発されて10 Day Tourbilon Ref.5101がプラチナケース(2012年YGケースで再発表)で発表されている。
※画像はPATEK PHILIPPE INTERNATINAL MAGAZINE Vol.Ⅱ No.1より、ムーブメントイラストの余計な線は元原稿の解説用の引き込み線。

5101P.jpg
今回本題のRef5200Gと長ったらしい前置きの2モデルとの大きな違いはデイデイトカレンダーの搭載である。しかも瞬時日送り式というのがポイントで、真夜中の0時(あたり)に0.003秒で変更される。パテック社のリリース特集記事によればこの画期的なカレンダー機構搭載はゼンマイのトルクをかなり消費するために10デイズの2日間分のパワーリザーブを献上?することで実現されている。さらに2005年~2008年にPP社アドバンスドリサーチ部門により開発された最新鋭のPulsomax®脱進機とSpiromax®髭ぜんまいが積まれたことによる時計精度の向上と持続時間の延長がはかられた事も大きく寄与している。しかし発売当初は異常に入荷が少なく安定供給まで1年以上掛かった記憶があり、製造技術的にはハードルが高かったようである。
デザイン的には10 Day Tourbilon Ref.5101とシンプルなレクタンゴンドーロのRef.5124をミックスした印象。よく天地の長さ(46.9mm)による腕への座りを心配される方が多いが、緩やかなカーブでなじみは非常に良い。またラグを除いた時計部の天地は35mm以下でけっして大振りな時計ではない。
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ケースのフォルムはRef.5124Gに似るがケース巾とラグ巾は8DAYSが狭いので、天地左右のバランスは10Day Tourbilon Ref.5101に近い。両者の良い所取りとなっている。撮影時に気が付いたのだがこの文字盤はスノーマンダイアルと名付けたらどうだろうか。そのひょうきんさは本来上下にくっついているPATEK PHILIPPEとGENEVEの文字が大きく上下に離れている事も一因している。そして10時10分になると雪ダルマは完璧な両腕を持つ。顔の真ん中には8日分のパワーリザーブインジケーターがありガス欠状態の真っ赤な9日目も一応は正常に動くはずとなっている。実際に巻き上げるとさすがにロングで135回で全巻きを示すが巻き止まりが無いままずっと巻ける。取説では″20回余分に巻いて終わり"となっているのでどうも巻き止まりがない設計のようだ。さすがにそれ以上は怖くて巻き続ける気になれなかった。お腹の同軸内側が秒針、外が日付。真上の窓に曜日ディスク。取説には瞬時日送りが深夜0時とあるが実機の手動運針では0時数分過ぎだったので結構巾がありそうだ。ピカピカの鏡面仕上げの18金ドーフィンハンド(時分)とエッジの効いたバーインデックスはパテックお得意の組み合わせ。

ケースの厚みは11.63mmとけっこうあるが優美なカーブにより1cmを超えている印象は無い。リューズに並ぶコレクター(プッシュボタン)は左が曜日、右が日付調整用である。
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Ref.5200G-001
ケース径:32.4×46.9mm ケース厚:11.63mm
ラグ×美錠幅:20×16mm 防水:3気圧

ケースバリエーション:WG別ダイアル有のみ 
文字盤:マットブルーサンバースト ゴールド植字インデックス
ストラップ:シャイニー(艶有)ネイビーブルーアリゲーター
価格:税別 6,030,000円(税込 6,512,400円)2016年11月現在

長ったらしいキャリバー名Caliber 28-20 REC 8J PS IRM C Jは、天地ー左右サイズが28✖20mmでRectangular(仏英:長方形)・8Jour(仏:日)=8日巻き・Petit Seconde(仏:小さい秒)=小秒針(英:Small Second=通称スモセコ)さらにIndicateur de réserve de marche(仏:パワーリザーブ表示)最後のC JはCalendrier Jour(仏:カレンダー 日、英:Date Day)の頭文字の短縮表現。仏語Calibreの意味は″口径"なので従来多くのムーブメントは、その直径(mm、古くはリーニュ)で簡潔に命名されていたものが、2000年以降のどこかから覚え難いが解りやすい名称になってきた。冒頭のおさらいになるが原点と言える2000年の10DAYSのCal.28-20/220は移行途上の名付けだろうか。2003年の10Day Tourbilon Ref.5101搭載の派生キャリバーCal.28-20/222(プレスリリース記載並びに地板刻印)はバーゼルより数か月後発行のゼネラルカタログではCal.TO 28-20 REC 10J PS IRMと記載されており、正にこの年辺りで移行されたと推測している。出来れば3つのムーブを並べ比較したかったが適当な画像が無かった。どれもが美しいが個人的には最新の8DAYSのキャリバーの装飾性が最も高いと思う。一見3本の別れた地板のように見える部分は実は剛性の高い一枚物に凝った化粧が施されている。
注:Ref.5101のCaliber名称については最初どちらの表現が正しいのか判然としなかったが最近入手したパテックマガジンのバックナンバーと2012ゼネラルカタログから混在していたことが解った。(11/17追記)
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Ref.5124の記事でも触れたが8DAYSでもケースとキャリバー双方の形とサイズに親和性が高くて完全な専用ムーブである事の特別感を感じさせてくれる。ビスポークエンジンゆえにコストに反映されるのだが、その割には結構頑張った価格設定ではないか。
最新鋭のPulsomax®脱進機とSpiromax®髭ぜんまいに迫ってみた下の画像。一番左の穴石(赤い人口ルビー)の下方に見える黒っぽい(実際は青っぽい)歯車がシリコン素材をベースとしたSilinver®製のガンギ車。同素材のアンクルは他のパーツに隠され見えない。パテックはこれら脱進機2パーツをディープ反応性イオンエッチング(DRIE)製法と呼ばれる技術で従来の機械的製法の最大10倍の精度で作り上げている。難解すぎて良く理解はできないがセイコーが採用しているメムス(MEMS)に似た化学的な手法で写真の現像焼き付けのイメージで非常に高精度なパーツが製作されているようだ。テンプの上側に黒くグルグルっと巻かれているのが同じ素材のSpiromax®髭ぜんまい。ピンぼけご容赦!_DSC8176.jpg

Caliber 28-20 REC 8J PS IRM C J
デイデイトカレンダー、パワーリザーブインジケーター搭載8日巻き手巻ムーブメント
サイズ:28×20mm 厚み:5.05mm 部品点数:235個 石数:28個
パワーリザーブ:最大192時間(8日間) 
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

2016年11月12日 現在
5200G-001 ご相談ください
5200G-010 ご予約対応となります
(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)



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前々からチョッと気にはなっていたのだが改めて2016カタログを見直して本稿のタイトルに・・種を明かせば同一リファレンスなのに素材が違う事で針やインデックス等が異なり別の顔のモデル。これが在りそうで中々ない。
レクタングラー(長方形)で2針+スモールセコンドのシンプルウオッチは現行ラインナップ中でこのゴンドーロのRef.5124が唯一。2008年のデビュー時からのロングセラーが今回取り上げるシルバリィオパーリン文字盤(銀と言うよりその色目は微妙にアイボリーがかった白?)にトライアングルインデックスを持つイエローゴールドYGタイプ(下右)。その枝番001はデビューモデルである事を示している。
同時に発表されたWGのヴィンテージローズ文字盤に黒色アラビア(算用数字)インデックスRef.5124G-010(下左)が7年を経て昨年ディスコンとなり、入れ替わりに若々しいブルーサンバースト文字盤にエッジの効いたバーインデックスのRef .5214G-011(下中)にモデルチェンジされた。
いつもながら長々と回りくどいが18金の素材違いで全部異なる文字盤デザインがラインナップされてきた変わり種。詳細に言えばWGのヴィンテージローズ文字盤は植字ではなく転写の黒色インデックスであり、時分針2本の形状も現行2モデルのドルフィンに対してリーフハンドだった。そして小秒針(スモールセコンド)デザインについても素材によって異なっている。
※尚、下の画像は当店スタッフ竹山のマジックハンドによるもので、WGアラビア文字盤のデッドストックはありません。
5124_3.jpg
しかし本当に″ジキル&ハイド"はこのモデルだけなのか?カラトラバのRef.5296のRG、WGにあるトリプルサークルダイアルとノーマルのバーインデックスはどうなる。さらに従来のバーインデックスに今年アップライドアラビア文字盤が追加された年次カレンダーRef.5396のRG、WGはいったいどうなのか。これらはそれぞれの素材に両方のダイアルがあるので双子の兄弟(たとえに無理があるナァ)みたいなものだろうか。
しかしながらRef.5296P-001のプラチナは同一リファレンス中で唯一のアップライドアラビアインデックスかつリーフハンド、さらにスモセコデザインも異なっている見事なジキル氏であった。しかしこの変人ジキル氏は嫌われるどころか結構なお宝。店頭にまず並ばない希少モデルである。結局これら2品番3点しか現行には無いはずなのでやっぱりパテックの″ジキル&ハイド"はレアだ。グランドコンプリケーションなんかはもっと素材違いによる奇人変人がいて良さそうだが中々にコンサバティブである。

この時計、針と時字(アワーマーカー)及び時分針がシャープ極まりない楔形状なのでブラウン及びネイビー系のビジネススーツとの相性は抜群である。イージークリックを活用してストラップを黒にすればグレーからブラック系スーツにももちろんOKである。さらに12時が植字のアラビアインデックスであり、ストラップ(初期設定)が艶無しの少し明るめの茶色。文字盤色も暖か味のある白なので秋から春まではカジュアルシックに合わせたい。個人的にはザックリとした太畝のコーデュロイパンツにバルキーなシェトランドセーター辺りが気分かと・・

Ref.5124J-001
ケース径:33.4×43mm ケース厚:7.38mm ラグ×美錠幅:22×16mm 防水:3気圧
ケースバリエーション:YGの他にWG 
文字盤:シルバリィオパーリン ゴールド植字インデックス
ストラップ:マット(艶無)チョコレートブラウンアリゲーター
価格:税別 2,670,000円(税込 2,883,600円)2016年10月現在

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Caliber 25-21 REC PS

ムー ブメントは、2007年復刻モデルとして発表されたトノー型の傑作モデル"クロノメトロゴンドーロ"の為に専用開発された角型手巻の新キャリバー25-21 REC のスモールセコンドバージョンである。さらに遡れば1934年から1967年まで製造されたCal.9-90(下:1951年製)に酷似している。元々の画像は天地が逆、文字が倒立するが上との比較でくるりと回した。でもなぜか最下辺の9-90は上を向いている。(2016/11/13加筆と画像追加)
img002.jpg
面白いのは御本家クロノメトロゴンドーロのキャリバー鑑賞用裏スケルトン窓とトノー形状の裏蓋とのサイズバランスには少し戸惑いを覚えるが、5214ではケースとキャリバー双方の
形とサイズに親和性が高い為に、むしろ専用ムーブ感を強く感じる事である。 いづれにせよ2モデル限定の少量生産希少エンジンゆえに時計のお値段は当然それなりとなります。(転載)

サイズ:24.6×21.5mm 厚み:2.57mm
部品点数:142個 石数:18個 パワーリザーブ:44時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製) 振動数:28,800振動
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾 Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P.129(2016/11/13加筆)

2017年10月21日 現在
5124J-001 店頭在庫あります
5124G-011 予約対応となっています

(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)

時計選びで最も重要なのは、見かけだと思っている。そして人から見られた時の見え感も大事ながら自分自身で見る腕元上での見え方が何よりも大事だと思う。十年、二十年と見続けても惚れ惚れする見かけが維持されていると想像出来るかにかかっている。もちろん昨今、幾多のブランドから"今の一瞬"を切り取った尖がったトレンディなタイムピースも発表されている。たった数年後でさえ陳腐化するリスクと背中合わせで腕にする勇気・豪気が無ければ絶対に手が出せない飛び道具。車に例えればランボルギーニかブガッティ。良くも悪くも刹那を生きる潔さがたまらない魅力なんだろうと思う。
パテック フィリップは対極にある。これは良し悪しでなくブランドはそれぞれの哲学を貫こうとしているだけだ。ただパテックが他ブランドと比べた時に高次元でそれを実現できている最大の理由は"メゾン"であることに尽きる。それも形だけの傀儡メゾンではなく100%自己ファミリー資本というバックボーンが無ければ実現不可能だろう。

今回の紹介モデルはパテックを代表する機能である永久カレンダー。既に同じ機械を搭載したRef.5940J、Ref.5140Pを紹介済みなので画像中心のご紹介。で、なんでしつこくこのモデルか?単純に見かけ。さすがに容易に買える価格帯ではないのだが、個人的には現行パテック永久ラインナップにあって一押しの男前モデル。2番目は2016新作として発表されたRef.5140P-017。ただし気を付けないといけないのはデザインに多少の緩さがあるのがパテックの良さ、それがT,P,O,をあまり選ばず着けられる長所に繋がっている。
ところが時計は男前になればなるほどドレスコードが正装に寄りがちで巾も狭くなって来る。特徴的な"Clous de Paris"(クルドパリ 仏語 意:パリの爪または鋲釘、英語表現では"hobnail pattern(ホブネイルパターン)"で靴底用の鋲釘文様のベゼル装飾を有するファミリー(Ref.5116、5119、5120)には全てその傾向があるのだが、なぜか特にこのRef.5139に強く感じてしまう。三つ目玉のコンプリ顔なのでドレス系と言うよりゼンマイ系でジャケパンぐらいは許して貰いたいが、シックかつドレッシイな濃色系スーツと合わせて夕刻以降のデートや会食にお供をさせたい一本だ。時計の格からしてスーツは最低でエルメネジルド ゼニア、本来はジョルジョ アルマーニかブリオーニクラスを合わせるのかナァ!
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銘キャリバーCal.240に組み込まれた永久カレンダーモジュールは現代パテックの黄金コンビで、ともかく薄い仕上がりを実現している。
ちょうど9時位置には曜日調整ボタンがある。
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そして12時側には左から月(閏年サイクルも含めて)調整ボタン、右側は日付調整となる。
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反対の6時側センターのボタンでムーンフェイズ(月齢)を調整する。
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以前にも書いたが欧米での大振りモデルへの要望から、今年は長らく永久カレンダーの主役定番モデルであったRef.5140(径37.2mm)がプラチナ以外全て生産中止になり、少し大ぶりな後継定番としてRef.5327(径39.0mm)が発表された。Ref.5139はその中間の38mm径で、個人的にはこのサイズ感が大層気に入っている。尚価格はRef.5140G(生産中止)と同じで新作Ref.5327Gより税別で30万弱お手頃となっている。
初出は2008年に白文字盤でデビューしたが、1年で生産中止となり現行の黒ダイアルに切り替わって既に7年はロングセラーな二枚目モデルである。

Ref.5139Gー010 自動巻永久カレンダー
ケース径:38.0mm ケース厚:8.7mm ラグ×美錠幅:20×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:WGのみ 
文字盤: ブラック ラッカー ゴールド植字インデックス
ストラップ:シャイニー(艶有)ブラックアリゲーター
バックル:フォールデイング(Fold-over-clasp)
価格:税別 9,540,000円(税込 10,303,200円)2015年7月現在

Caliber 240 Q 

直径:27.5mm 厚み:3.88mm 部品点数:275個 石数:27個 受けの枚数:8枚
パワーリザーブ:最低38-最長48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動 
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから
cal.240-1985b.jpg
上が1985年製、下は41年後のCal.240。一見殆ど変化無し、原設計完成度の高さに脱帽!
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PATEK PHILIPPE 公式ページ 

文責:乾

2016年8月5日現在
Ref.5139G-010 店頭在庫有ります
(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
お盆真最中8月11日(木・山の日)~15日(月)に当店初の『パテック フィリップ展』を開催いたします。
展示会期間中の土日13日14日の両日午後2時から「パテックフィリップに夢中」と題してライブトークイベントを実施いたします。正規輸入元のパテック フィリップ ジャパンからの特別ゲストを迎えて、突っ込みどころ満載のパテック フィリップの謎に乾はじめ当店スタッフががぶり寄ってゆきます。参加ご希望の場合は席(※本音は寄集めの椅子の都合で)に限りがありますので案内状送付希望を下記からいただき申し込み用紙にお名前等ご記入の上、FAX・お電話にてお申込み下さい。
また今年度の新製品はパテック社の方針で展示が出来ません。ただ事前予約いただければ個別にご紹介が可能です。詳しくはコチラ『パテック フィリップ展』からご覧ください。

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本日の紹介モデルは、通称トリプルサークルの名称で親しまれている個性的な顔を持つユニークなタイムピースだ。最大の特徴であるこのダイアルデザインはパテック フィリップ独特のデザインで、知りうる限り他ブランドには全く見られず一目でパテックと判別が可能だ。紹介のホワイトゴールドに加えてローズゴールドでも同デザインのダイアル展開がある。面白いのはいづれもRef.の枝番が001で、これまたそれぞれに設定があるプレインなソリッド文字盤の方が枝番010である事。つまりこのモデルに関しては灰汁の強いトリプルサークルダイアルが基本で、シンプルな文字盤がサブ的な扱いとなっている訳だ。
このダイアルデザインのルーツを探してみた結果、恐らくPATEK PHILIPPE GENEVE(Martin Huber & Alan Banbery)P.118の右下掲載の1934年製204 468と思われる。元の画質がかなり厳しいので画像は荒れている。
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商品説明によればRef.96とあり1932年が同リファレンスのデビュー年なのでクンロク黎明期に生まれた非常に由緒正しき正統派の変わり文字盤と言える。エボーシュはルクルトで中央秒針付き15石の12リーニュ(Ligne:2.2558291mm)で約27mm径キャリバーとなる。パテックの当時のメインチューナーであったF.V.Piguetがフィニッシュワークを担当している。もちろん手巻き時代のお話だ。それにしてもリューズがデカい。
ところが上述のテキストブックにはこの一点きりしか掲載が無い。しかたがないのでパテック フィリップ インターナショナルマガジンのバックナンバーを繰ってゆくと前々回の記事を触発してくれたクロワゾネ特集なんかが先に見つかってえらい目に合った。結局Vol.ⅢのNo.03の文字盤の変遷についての特集記事内25ページで下の画像を発見。左端が上の画像と同じ1934年発表のアール・デコ様式の伝説的な96モデルとある。ほぼ同じモデルと思われるが下の個体には6時側に SOMAZZI LUGANO とプリントが入っている。ルガノはイタリア国境にほど近いスイスイタリア語圏のリゾート地で美しい湖があったハズ。ソマズィ?(恐らくイタリア語)はたぶん時計店の名前でいわゆるダブルネームウオッチだろう。
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ついでに真ん中は本稿のメインディッシュのRef.5296G-001で2005年発表とあり今日迄11年間の継続はパテックのコレクションとしてはとても長寿だ。右は2010年に生産中止発表になったRef.5396Rで発表が2006年なのでこちらはけっこう短命。際立った白色使いと12時位置の太目の二本線を配置したトリプルサークル、加えてダブルギッシェ、さらにムーンフェイズ+24時間サークルは賑やかに過ぎるが、個人的には結構好きな顔だった。しかし今見直してみると確かにチョッとうるさくて暑苦しい気もする。逆にシンプルな3針の長寿Ref.5296Gのバランスが秀逸なのかもしれない。スターンファミリーが実質的経営権を握って直後の1934年が出自のオリジナルモデル、次世代へのバトンタッチ(2006年クリスマスに息子のティエリーへ次期社長就任通告)への移行期直前にあった2005年にフィリップ・スターンが採用した復刻文字盤デザインには何かしら特別な思い入れがあったのかもしれない。

上述の転載画像と比較の為、正面画像も撮ってみた。
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チョイとピンが甘いですナぁ。1934年のオリジナル(文字盤焼けかも)より多少白っぽいが、実に忠実な復刻ぶりである。パテックのアーカイブはとてつもなくぶ厚いし、特にダイアルはスターン家の稼業だったのでニューモデルクリエイトの引き出しは無限と言うほどあるはずだ。実際幾多のモデルがさりげなくアーカイブからヒントとエッセンスを得てリリースされ続けている。ただ昨2015年の話題の新作Ref.5524Gカラトラバ・パイロットトラベルタイムのようにニュースリリースのコメントが無いとオリジナルモデル不詳と言うものの方が、むしろ多いように思う。ところがこのクンロクに関しては1934年の初出以来文献上では復刻実績が見当たらないにも関わらず、初見でいかにもなパテックの顔と意識せざるを得ない。さらにオリジナルと見比べれば完全に瓜・・と言うよりも、もはやCOPYであってデイトカレンダーの有無ぐらいしか違いが無い。

ところがである。注意深い皆様はもうお気づきかもしれないがもう一箇所重要な相違点がある。現代クンロクRef.5296はPATEK PHILIPPE GENEVE のロゴである。1934年の初代は2点とも PATEK PHILIPPE の後に & Co とあり、改行して GENEVE は同様である。実は初代発表前年の1933年に経営権を掌握したスターン兄弟が社名変更を実施し、それまでのAncienne Manufacture d'horlogerie Patek Philippe & Cie,Société Anonyme(株式会社 伝統ある時計メーカー パテック, フィリップ社)からPATEK PHILIPPE & Cie,S.A.(株式会社 パテック, フィリップ社)になった。そりゃ変えるでしょう。なんぼ何でも社名が長過ぎ!る。
スターンファミリーはその後2回さらなる社名変更をしている。1966年に社長8年目を迎えたアンリ スターンが社史上もっとも簡略なPatek, Phillipe S.A.(株式会社 パテック フィリップ)に変更している。恐らくそのきっかけは後継者フィリップがこの年に入社しており、来たるべき息子の時代を周知させる為であったのだろう。
そして直近の2009年にはPATEK PHILLIPE SA GENEVE(株式会社 パテック フィリップ ジュネーブ)と43年ぶりの変更があった。この年のトピックは言うまでもなくティエリー スターンの社長就任であり、ジュネーブシールとの決別、新たなPPシールのスタートイヤーでもあった。
社名変更脱線ストーリーをもう少しオフィシャルHPから拾うと1839年のPatek, Czapek & Cie - Fabicants à Genève(パテック, チャペック社 - ジュネーブ所在メーカー)以降実に良く変更がなされていて1845年(アドリアン フィリップとの共同経営スタート、チャペックとの分社化)、1851年(アドリアン フィリップ名の社名取入)、1876年、1883年、1901年・・実に1933年のスターン家の事業継承までの96年間に5回も社名変更がなされている。面白いのは現社名に久々にGenèveがついているが創業期(1839~1876年)以来133年のブランクを経ての採用である。一体何が彼ら(フィリップ & ティエリー両氏)にそうさせたのか?これはお盆に聞きたいリスト追加かなァ。
さて話を文字盤へのブランド名称表示スタイルに戻す。現行の PATEK PHILIPPE GENEVE の出現をテキストで追いかけると1937年からの様だ。ただ1940年代前半までは PATEK PHILIPPE & Co GENEVE と混在している。推測だが37年以前からの継続モデルには敢えて仕様を変えなかったのかもしれない。ただ結論づけると1933年のスターン兄弟による社名変更とダイアルへのブランド名称表示変更時期は少し異なって(遅れて)いた。

薄い!やっぱり薄い。横っ面は何度も見ているし、撮ってもいる。それでも改めて見る度にその薄さに驚く。センター軸のフルローターセルフワインディングを収めて厚さ8.43mm。
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Ref.5296G-001
ケース径:38mm ケース厚:8.43mm ラグ×美錠幅:21×16mm 防水:3気圧
ケースバリエーション:WG別ダイアル有)の他にRG別ダイアル有) 
文字盤:ツートーン シルバーリィグレイ, ブルートランスファー プリンテッド アワーマーカース
ストラップ:シャイニー(艶有)ネイビーブルーアリゲーター
価格:税別 3,040,000円(税込 3,283,200円)2016年7月現在

Caliber 324 S C/390(過去記事Ref.5296G-010より画像とも転載)

ムーブメントはパテックを代表する自動巻キャリバー324系のベースキャリバーだ。かつては315、330と同系列のキャリバーが搭載されていたモデルにも現在はこの最新型キャリバーが積まれている。汎用性が非常にあるようで、年次カレンダーとトラベルタイムの大半に加えて、グランドコンプリケーションでも日付がレトログレードするタイプの永久カレンダーはこの派生キャリバーを積んでいる。実用性重視のキャリバーなので頻繁に手が加えられ、その都度キャリバーナンバーが変わったものと思われる。
PATEK PHILIPPE GENEVE Wristwatches(M.Huber & A.Banbery)230ページのCaliber28-255(1970-1980)を両方向巻上タイプの最終機として、次世代新設計の片方向巻上のCaliber310(225・226ページ、1981年?~)が開発されている。どうやらこれが324系のルーツと思われ、瞬時日送りカレンダー機能も付加されている。実機への搭載はCal.335Cとして誕生5年目のノーチラスの2代目ムーブとして1981年に積まれたようだ。とすれば熟成期間すでに30年以上か・・・
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直径:27.0mm 厚み:3.3mm 部品点数:213個 石数:29個 受け:6枚
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

2016年7月29日現在
5296G-001 店頭在庫有ります
5296G-010  店頭在庫有ります
(パテック フィリップ在庫管理担当 岡田)

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
いつの間にかもう二週間たらずのお盆真最中8月11日(木・山の日)~15日(月)に当店初の『パテック フィリップ展』を開催いたします。
展示会期間中の土日13日14日の両日午後2時から「パテックフィリップに夢中」と題してライブトークイベントを実施いたします。正規輸入元のパテック フィリップ ジャパンからの特別ゲストを迎えて、突っ込みどころ満載のパテック フィリップの謎に乾はじめ当店スタッフががぶり寄ってゆきます。参加ご希望の場合は席(※本音は寄集めの椅子の都合で)に限りがありますので案内状送付希望を下記からいただき申し込み用紙にお名前等ご記入の上、FAX・お電話にてお申込み下さい。
また今年度の新製品はパテック社の方針で展示が出来ません。ただ事前予約いただければ個別にご紹介が可能です。詳しくはコチラ『パテック フィリップ展』からご覧ください。

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