パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

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メインのパテックフィリップ新作話の前に少し他ブランドのさわりをイントロしたい。今回は晴れ男2人組なので、当たり前に連日快晴のバーゼル。現地2日日程で初日の土曜は例年恒例のブライトリングからスタート。

ブライトリングとしては初挑戦であろうまるでパテックのアドバンスドリサーチのような税込予価約500万円(PPとゼロ一つ違い!)の特殊モデルのスーパオーシャンヘリテージ クロノワークを除けば、お堅い色使いで手堅くまとめられた今年のブライトリング。今やバーゼル名物になった巨大水槽の今年のゲストは3色のジェリーフィッシュ(くらげ)だった。いつもこの演出にはほんとに癒される。
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ショパールは発売20周年のアニバーサリーを迎えたL.U.C.から魅力的なステンレスモデルをラインナップしてきた。かつてのマークⅢやクロノワンのSSのように限定扱いではなく、定番での投入が味噌である。初のワールドタイムもいきなりSSが含まれている。
タグホイヤーはさすがに天才ビバー氏が本腰を入れてきているだろう。自社ムーブCal.01搭載のスケルトン系カレラクロノグラフがデビュー当時のHUBLOTを彷彿とさせる出来映えだった。
カシオはバーゼル発表限定モデルも当たり前に良いのだが、今年初?の試みとして特殊なアーティステックな投光と可動する幻想的なライティングオブジェを組み合わせたインスタレーション(空間プレゼンテーション)が数年前にバーゼルの話題をさらったシチズンの地板の空間演出のように人々の目を奪っていた。
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前置きはさておいて、気になる肝心のパテックフィリップの2016新作。全てを褒めちぎるは流石にありえないので、その辺りはご来店にて口を滑らす事とさせて頂いて、順不同で幾つかの印象をご紹介。
まずRef.5930ワールドタイムクロノグラフは予想通り以上に今年の筆頭家老だった。前稿でこの2つの複雑機構の組み合わせはパテック初と書いたが1930年代のタイムピースにヒントとのコメントが有り帰国後に※要再確認だ。尚、PPJプレゼンターのN氏をしてスモセコがオフセンターしているCal.240ベースに積み上げている既存のワールドタイムモジュールでは、現行のクロノキャリバー3兄弟(CH27,28,29)に搭載する事は困難と予想していたそうだ。 この予想を見事に裏切ったパテックの開発陣は、ベースムーブCal.CH28-520に手を加えると供にワールドタイムモジュールを新規開発。
手の込んだダイアルセンターのギョーシェも高級感があってWEB上のモニターでの印象も素敵に裏切ってくれた大ヒットモデルと予想する。
※3月24日訂正:確かに1940年にRef.1415/1当時のメインクロノエボーシュCal.13'''(Valjoux23vz)23石に天才時計師ルイ・コティエ氏開発のワールドタイムモジュールが組み込まれた代物で、下記参考文献の装丁カバーにも採用されて始終目にしていたタイムピース。詳細はRef.5930G実機入荷の際に画像も含め紹介したい。取り急ぎ訂正してお詫び申し上げます。
参考:Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P.270、346
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加筆:書き忘れていた大事なコンプリケーションがニューワールドタイムRef.5230のWGRG、いづれも税込予価は5,778,000円。色んな意見が百出しているだろうが、あくまで個人的にはベゼルにエッジを効かせたケース形状になりカラトラバのクンロク系の印象が良ろしい。たった1mmのケース径ダイエットなのに、このケースデザイン変更で実寸以上にシャープな印象となった。またラグ(ホーンの方がしっくり?)はグラコン永久クロノRef.5270等に採用されている付け根部がチョイ張出しスタイル(これも未来志向モダン意匠か?)が控えめに採用された。これまた個人的にはこの控えめ度合いが "いとよろし!" 書き忘れたが上述のRef.5930のケースも同デザインが採用されている。
※7月17日追記と画像追加:このラグ形状にもアーカイブがあって1940年~50年代に流行したウイングレットラグと言うらしい。
左:1950年製Model2482 右:1956年製Model2525/1 12リーニュのミニットリピーター Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P.205、317より。
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さてRef.5230に話を戻して、時分針は好みが別れるところだろう。超薄型自動巻Cal.240 HUを採用して2000年デビューの初代Ref.5110に戻った感をどう評価するか。実機サンプルを見るまでは2代目Ref.5130のアップルハンド残留に未練があったのだが、上述のケース&ホーンのシャープ化作戦をアシストするにはコッチの方が良い形状。アッサリ宗旨替えをいたします。

新しい永久カレンダーRef.5327は大半がディスコンになったRef.5140から微妙にサイズアップ。さらに昨今のモダンテイストパテックのケースサイド意匠であるRef.52275205等に採用されている手仕事の長楕円彫り込みが施され、伝統のCal.240 Qエンジンはそのままに次世代のパーペチュアルの在り方を提案してきた。個人的にはかつてのRef.5140のプラチナに設定されていたブルーダイアルの再来をおもわせるWG素材の青文字盤にやられてしまった。税込予価WGRGが10,314,000円、YGで10,044,000円

ところで絶滅危惧種のRef.5140に突然変異のアルビノ?のように発表された希少なプラチナのバーインデックスダイアルモデルRef.5140-017、税込予価12,852,000円は既存のダイアポイント文字盤からすればチョッとお高い印象もあって、初見迄はあまり気にも留めていなかった。しかしである人も時計も会わなきゃわからないもので、このアンソラサイト・ソレイユと命名されたグレイッシュな文字盤が素晴らしい別嬪上玉にして今年度唯一のプラチナモデルである。

ローズとホワイトで此処まで印象が変わるのか?パテック正規店新参には無縁としか思えなかったこのデコラティブオーバーな高額タイムピースRef.5160R改め新作5160Gは別物になっていた。この税別予価20,628,000円は、超絶系フェイスからすれば大いにお買い得感?有りではないか。ファンクションはレトログレード永久カレンダーのみながらハンターケース仕立てに加えて、何よりも175周年記念限定の雲上ピースRef.5175グランドマスターチャイムを彷彿とさせるハンドエングレービングはパテックフィリップ現行ラインナップ中Ref.6002に次ぐハンドクラフトであり、今年のビッグサプライズモデルであるRef.6300Gグランドマスターチャイムの上質ながら控えめとも言えるクルドパリ装飾を凌いでいる。
同様の印象は、これまたローズからホワイトへ乗り替わった超絶系Ref.6002 スカイムーントゥールビョンにも共通していた。
ちなみに 時価で二億数千万円とされる市販版?グランドマスターチャイムRef.6300にはバーゼル開催4日目にして日本の正規店からオーダーが既に複数入っているとか・・時計も人も超絶系辞書に不況の文字は無いのだナァ。

さて訪問前の疑問であったレディスアクアノートRef.5067Aの間違い探し。ディスコンカラー白(枝番011)からニューカラー白?(同024) はモニターや印刷物では絶対に識別不可能な代物(白物!)だった。PPJのN氏の解釈が絶妙でマット系の純粋な旧型の白が、車のボディーカラーで昨今多々採用されるいわゆるパールホワイトへの変更だった。新色は見方によって燻んだ印象も受けるが、 旧タイプより汚れ難いのは明らかで地味ながら気の利いた改良だ。パールエフェクトが加わっても価格変更は無し。

尚、例年バーゼルで判明するマイナーチェンジに伴う、事前発表の無い追加?生産中止モデル。今年はメンズのニューワールドタイムRef.5230とのペア感を醸成すべくシティディスクに"間違い探しですか?"レベルで微修正が施されたレディスワールドタイムRef.7130G7130Rがカタログ上は新製品扱いをされずに枝番(Gが010から013へ、Rは001が010へと)のみコッソリ?変更されている。
ところが個人的にご贔屓モデルのレディスカラトラバRef.4897Gもベゼルのダイア使いがバージョンアップ(ラウンドからバゲット)された事で 枝番が001税込3,488,400円から300G-001税込予価5,227,200円へとてっきりチェンジだろうと思いきや、どっこい上品な従来のラウンドダイアモデルも残留継続され贅沢な選択技が与えられる結果となった。

明日というか、もう今日なのだがチューリッヒ現在午前2時過ぎ。昼前のフライトでアムステルダム経由にて早くも帰国である。無事帰れば日本はお彼岸。帰り道には御礼を込めてお墓詣りを帰店前にしてゆこう。週末には桜?続いてワラビ、山椒、筍・・やっぱり日本が最高。当たり前ながらそれを再認識する為の毎春のスイス詣でなのだろう。

文責:乾

体質的に時差ボケたっぷりなので、さらに大事なトピックが抜け落ちていた。バーゼル期間中の日曜日(今回20日)は例年VSOP(古いナァ~)のパテックのスターンファミリー主催のガラディナー(パーティー)が有って、世界中のパテックショップのオーナーが大集合する。会場での受付直前に手渡された招待状にはテーマは"1970年代"とある。さらにいつもティエリー・スターン社長が挨拶する演台の背景ボードにも70年代風にアンディ・ウォーホール色調で、果たせるかなノーチラスのデコレーションが施されていた。ようやく始まった恒例の挨拶スピーチには、ヒアリングの達人数名に聞き及んだ結果、どうやら秋頃に40周年記念のノーチラスにサプライズが有るらしい事が判明。シャンパンばっかり飲んどる場合では無かったのだナァ。でもティエリーの英語の聞き取りはいつも本当に苦手なのだ。

3月21日 チューリッヒ空港にて修正加筆(慣れないiPadは本当に・・)
3月22日 関空からの帰路に墓参りを済ませた後、奈良店/岩田リコメンドのビッグジョー羽曳野本店で380gハンバーグを頂き帰店後再々修正加筆

PATEK PHILIPPE 公式ページ

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
だいぶ先になりますが今夏(お盆頃)当店初の『パテック フィリップ展』を計画中です。カサブランカ流の"何か"が違う展示会イベントに出来ないかと日々無い知恵をしぼっております。是非ご期待下さい。日程・詳細等が詰まりましたら順次ご案内申し上げます。





バーゼル出発前ゆえ、本稿については現地から?または帰国後?追記更新予定

今年のニューモデルは堅実なラインナップながら、新機軸(素材、文字盤等々の追加)だらけで買手からすると"迷い箸"しそうな涎たっぷり、実に美味しそうな2016年新モデル。
昨年までのバーゼルワールドでは当社がテナント運営する百貨店部門(いよてつ髙島屋:愛媛県松山市)の商談に同席していたので、パテック フィリップファンの一人として事前情報による先入観を持たずに初見で新製品とご対面していた。
だが奈良で日々パテックを商うようになった今年は状況が異なる。既にPATEK PHILIPPE OFFICIAL HPに2016NEW MODELがUPされ、商談予定の土曜日までに各正規店から現場で撮影された生々しい画像と情報も届けられるだろう。本意ではないのだが・・乗り遅れるわけにもゆかず・・・取り敢えず新製品をラインナップ紹介し、現地?あるいは帰国後すみやかに印象など追加してゆきたい。
価格は敢えて載せておりません。予価になりますがお電話・コメント・メール等でお問合せください。ご返事は帰国後になりますが・・・
3月23日加筆:様々なブログで予価掲載有り。本稿にも各品番の最後に税別1,000円単位で参考追記

メンズ 
品番頭●の色はザックリながら、完全な新商品、新素材投入、新文字盤追加 POR:時価対象モデル
グランドマスターチャイム
6300G-001(POR)
ミニットリピーター
6002G-010(スカイムーントゥールビヨン、POR.)、5539G-010(POR) 、5374P-001(永久カレンダー付、POR)
永久カレンダー
5140P-017[11,900]、5160/500G-001[19,100]、5327J-001[9,550]、5327G-001[9,810]、5327R-001[9,810]、5496P-015[12,100]
スプリットセコンドクロノグラフ
5204R-001(永久カレンダー付)[31,830]、5950R-001(シルバー系文字盤、POR)、5950R-010(ローズ系?文字盤、POR)、5959R-001(POR)
クロノグラフ
5930G-001(ワールドタイム付)[8,280]5170R-001[9,110]、5170R-010[9,110]、5961R-010(年次カレンダー付)[15,030]
年次カレンダー
5396G-014[5,390]、5396R-012[5,390]
ワールドタイム
5230G-001[5,350]、5230R-001[5,350]
アクアノート
5164R-001[5,730]
生産中止がドッサリだったグランドコンプリケーションはメンズ全体(23型)の6割にあたる14モデルもの大量投入である。グランドマスターチャイムの市販?モデルは"まさか!"だったが、Ref.6002G、5204R、ラトラパンテCal.CH27-525系の新素材版など超絶価格帯は賑やかだ。永久カレンダー系も新作Ref.5327の発表も含め大豊作だ。
コンプリケーションのRef.5930はパテック フィリップ※史上初ワールドタイム付きクロノグラフ。ワールドタイムは予想通り第3世代となる新型が発表された。その他は人気の中軸既存モデルにニューフェイスや素材追加が16Ref.と堅実なバランスも取られている。いづれも購買の選択技を広げる顧客優先の新作ばかりである。少々意外なのが発売40周年を迎えたノーチラスの三振空振りだろうか。
※3月23日訂正:次稿で触れるがPPJより前例有の指摘があった。確かに1940年にRef.1415/1(当時のメインクロノエボーシュCal.13'''(Valjoux23vz)23石に天才時計師ルイ・コティエ氏開発のワールドタイムモジュールが組み込まれた代物である。詳細はRef.5930G実機入荷の際に画像も含め紹介したい。取り急ぎ訂正してお詫び申し上げます。
参考:Wristwataches Martin Huber & Alan Banbery P270、346

レディス 完全な新商品、新素材投入、新文字盤追加、●ジェムセットアレンジ
ダイアモンドリボン
4968/400R-001[7,640]
ワールドタイム
7130G-013[5,730]、7130R-010[5,730]
カラトラバ
4897/300G-001[4,840]、7122/200G-001[3,060]、7122/200R-001[3,060]、7200/200R-001[4,460]
アクアノート
5067A-024[1,830]
完全ニューモデルRef.7122も含めダイヤモンド攻勢のレディス。Ref.4897、7200RはベゼルにRef.4968は文字盤へのダイヤモンド新機軸が登場。ディスコンを逃れたワールドタイムにもニューフェイスが追加されたが間違い探しのようなシティディスクの変更なのでたぶん既存2Ref.は追加ディスコンかと・・アクアノートの新色は例年のお約束だが生産中止発表の白文字盤との違いが不明。これはバーゼルで確認か。あれだけバッサリだったTwenty-4追加無しは意外。

明日はパリ経由でチューリッヒへ、久々のエアフランスでシャルル・ドゴール空港利用だが、テロの影響なのか今回初めてメールでの事前個人情報送信登録を去る18日に求められた。人災は忘れた頃にやって来るかもしれないし、ロストバゲッジも頻繁だし、客室乗務員の質だって最高?なエアフランス。無事、現地からサンプル初見後のインプレッションをレポート出来れば良いのだが・・・
※悩んだがクオリティを追及出来ない商談テーブルでのサンプル撮影は今回敢えてアップしない事に、夏以降の実機入荷時に紹介ブログの掲載画像を撮り込みたい。

パテック フィリップの2016NEW MODEL動画
PATEK PHILIPPE 公式ページ

初見編につづく

文責:乾

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
だいぶ先になりますが今夏(お盆頃)当店初の『パテック フィリップ展』を計画中です。カサブランカ流の"何か"が違う展示会イベントに出来ないかと日々無い知恵をしぼっております。是非ご期待下さい。日程・詳細等が詰まりましたら順次ご案内申し上げます。




まず最初にお断りしておきますが、このステンレス人気希少モデルの対応についてはパテック フィリップ正規販売店各々が個別にルールを設けており、PPJ(パテック フィリップ ジャパン)からの決まりごとはありません。
で、当店カサブランカでは人数を限定し、店頭予約制で、今現在は規定人数に達し新たなご予約をお受けしておりません。ご納品毎に1名追加予約を受けておりました。しかしパテック取扱いから半年以上を経て諸般の事情で方針変更をいたします。
今後はご来店の上、店頭にて登録制と致します。ただしこれは予約ではありません。あくまでもご購入希望の登録です。商品が入荷した際には当店の判断でご登録リストより誠に僭越ながらご購入者様を選ばせていただきます。ですので登録すればいつかは購入出来るという保証はございません。尚、今現在既にご予約済みのお客様分は納期は掛かっても何とかご納品したいと考えております。

この異常なまでの特殊モデルをご紹介するべきか否か?ロレックスのデイトナSS以上に正規店の店頭に並ぶことがありえない。予約も取りすぎれば収拾がつかなくなる。入荷即売り上げはもちろん有難い。しかしながらも販売プロセスはほぼ無く、決済・サイズ調整・納品・・以上終わり!プロのお仕入れ筋の方々からのコンタクトも多々あり、うれしくて少しむなしいRef.5711/1A-010。

なぜ、こんな面倒くさい話をわざわざするのか。それはロレックスデイトナSSと同じ疑問を抱えたから。どの正規店でも見た事も、もちろん触ったり腕に試着したりしたこともないまぼろしモデルを予約したり抽選会にのぞんだりするしかない状況。これは明らかにおかしい。デイトナにネガティブ意見は無いが、カレンダーは無いし個人的にはあまり好きな文字盤ではない。カサブランカではデイトナに関して常に白・黒を各1本店頭展示し物を確認して貰ってから抽選申込を受けたり、予約を取ったりしてきた。実物を見て他のロレックスや別のブランドを買われた方も多数いらした。
ノーチラスSSブラックブルーも同じやり方をしたいが、同一リファレンスを複数在庫することが困難なパテックの現状では個人所有物を借りるぐらいしかサンプル確保が難しい。運良く縁にも恵まれて今回の紹介ピースは販売不可能ながら、しばらく店頭で確認(透明保護シール付)が可能な特殊なタイムピース。今のところ保有期間は未定です。
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ノーチラスシリーズはRef.5712Gでプチコンを7118/1Aでレディス3針を紹介してきた。Ref.5711/1Aも基本Cal.324のセンターローター自動巻きを積む7118のサイズアップなので時計そのものの紹介は多少は繰り返しになるがご容赦願いたい。
天才時計デザイナー"チャールズ・ジェラルド・ジェンタ"がオーディマ ピゲのロイヤルオークのデザインを1970年(製造は1972年)にたった一日で考案したのは有名な逸話。そして1976年にパテックのノーチラスファーストモデルRef.3700/1Aデザイン(下画像)を生み出した。
決して3点は色違いの超レアのアンティークピースではない。だがすべて同一モデル。スキャニング元資料の違いでこれだけ差がある。時分針とハイライトとシャドウ部分の違いから元々の画像そのものが異なるようだ。個体差については判然としない。
やはり時計は現物をおのれのマナコで見て、我が手で触り、腕に載せて、出来れば室外の太陽光でも確認せねば本当の得心とは行かない。だから面白くて奥深いと日々思う。
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左)PATEK PHILIPPE GENEVE(M.HUBER & A. BANBERY) P.231
中)Patek Philippe Internaional Magazine VolⅢ No.10 P.27
右)Patek Philippe Internaional Magazine VolⅡ No.8 別冊付録ノーチラスニューコレクション1976-2006:NAUTILUS,THE LEGEND LIVES ON P.2

ファッション雑誌"GQ"のWEB上の記事によればジェンタ以前は時計デザインとはトータルで一人のデザイナーがするものではなく、ケースや針、ブレス、文字盤それぞれが別々にデザインされていたらしい。ジェンタは元々ジュエリーが専攻だったが、時計においては着け心地を良くすることを優先事項にしていた。その具体策として彼はケースとブレスに薄さを求めたが、エレガントかつ実用的な"ラグジュアリースポーツ"という腕時計の新ジャンル確立にはしっかりした防水性確保も課題であった。ロレックスのように裏蓋を捻じ込むスタイルだと厚みが出てしまう。ジェンタはケース構造に工夫を凝らす事で初出のロイヤルオークに50m、満を持してさらに構想が練られたノーチラスには画期的な120mもの防水性を与える事に成功した。このあたりの天才ぶりに各有名時計メゾンがこぞって彼のデザインを採用した理由があるのだろう。

現行のメンズノーチラスシリーズの防水性能はスケルトンバックで裏蓋が捻じ込み式になって120mを確保しているが、唯一プチコンを積むRef.5712系のみはスケルトンバック+スナッチバック仕様の為に60mとなっている。レディスは全モデルがスナッチバック仕様の60m防水でメカがスケルトン、クォーツがノーマルケースバックとなっている。メンズに話を戻すとセンターフルローターの多機能モデルは全てケース厚が1cmを超えている。最厚はトラベルタイムクロノグラフ5990/1Aの12.53mmだが他ブランドのデカ厚に比べればまだまだ余裕がある。薄さを求めてマイクロローター搭載のCal.240を積んだRef.5712系だけは設計思想上敢えてスナッチにする事でケース厚8.52mmの薄さを獲得した。

3針モデルのデビュー作3700/1の搭載ムーブメントはパテック、オーディマ(Cal.K2121)、ヴァシュロン(Cal.1120)の3社が共同開発しルクルト社に製造させたと言われるCal.28-255C。センターフルローターながらカレンダー機構を搭載して厚さ3.15mmと実に薄かった。現行Ref.5711に搭載のCal.324 S C(3.3mm)よりも薄かったのだ。直径は前者28mm、後者27mm。ジェンタは画期的な裏蓋を独立させない2ピース構造で8mmの薄さと120m防水を両立したが、2006年に30年を経てフルモデルチェンジした現行モデルRef.5711はスケルトンバックをスクリューインする3ピースながら8.3mmと頑張っている。やはり30年間のケース製造における進化に負うところが大きいのだろうか。一体どの程度のネジ山が切られているのか是非見てみたいものだ。
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正直に言えば1990年代初めの頃、新米時計屋が初めて見たノーチラスの印象はあまり良くなかった。実はロイヤルオークもあまり好きでなく、ジェンタデザインアレルギーがあったのかもしれないし、30代前半の自分にはエレガント過ぎる印象もあった。50代になった今はどうか?お財布を無視できれば昨年発表のローズゴールドブレス3針のRef.5711/1R-001(税別5,730,000円)には興味がある。デビュー作Ref.3700でイタリア向けに10本のみ製造された幻のローズゴールドバージョンにはならないだろうが・・・
愛用されているお客様が異口同音に「ケースとブレスの薄さが着け心地そのもの」とその着用感を絶賛される。実は現行にマイナーチェンジする前のRef.5711/1A-001では駒がネジ止めだった為に微妙な厚みがあった(らしい)。通常この価格帯でのピン止めは見た目の高級感からはありえない。見た目より実を取るパテック。耐久性では明らかにハンディになるが、"装着感の為には維持のコストで対処下さいもパテック流だ。" やはりガンガン使い倒せるロレックスとは世界が違いすぎる。
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しかしながら010(ブラックブルー)とリファレンス最後の枝番違い011(シルバリィホワイト)とで人気に極端に温度差があるのも不思議だ。その違いはデイトナの比ではない。恐らくデビューモデルRef.3700に最初から採用された魅惑的なまでのあの色味・・深い青でもあり、グレーがかった紺にも見え、青味を帯びた黒とも言えるあの掴み処の無い微妙な色と横ボーダー柄にメロメロにされてしまうのだろう。ロレックスデイトナのように購入後のダイアルチェンジが可能なら少しは状況も好転するのに・・・

Ref.5711/1A-010
ケース径:40.0mm(10時ー4時方向) ケース厚:8.3mm
防水:12気圧
ケースバリエーション:SS(別文字盤有)の他にRG 
文字盤:ブラックブルー 夜光付ゴールド植字インデックス
価格:税別 2,790,000円(税込 3,013,200円)2015年7月現在

ブレスタイプの裏蓋は本当に撮り辛い。出来れば避けたいのでレディスノーチラスRef.7118/1Aの画像流用の予定だったが上述にて見た目が違い過ぎる為これより撮り下ろしマス。
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Caliber 324 S C/386)
直径:27.0mm 厚み:3.3mm 部品点数:213個 石数:29個 受け:6枚
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

5月31日訂正加筆

前回の続編クロノグラフ実機編を書いている最中にニュースが届いたので割り込みで取り急ぎご紹介・・・徐々に肉付け?予定
斜体太字のRefは今日現在で当店在庫あり。
※当然現在製造仕掛かりの物もあるだろうし、2016年度(2月~2017年1月)中に生産が中止になるリストなので、たちまち全てが一切手配不可という事もないらしい。ご希望品は精一杯探したい。もちろん簡単ではないけれど・・・

メンズ
ミニットリピーター
5074R-001,012 5074P-001 5217P-001 6002G-001 5207R-001 5207P-001
スプリットセコンドクロノグラフ
5959P-001,011 5950/1A-012,013 5951/500P-001
永久カレンダー
5140G-001 5140J-001 5140R-011 5940G-001 5940J-001 5496P-014 5160R-001
ワールドタイム
5130R-018 5130J-001 5130G-019 5130P-020 5130/1R-011 5130/1G-011
クロノグラフ
5170G-001
カラトラバ
5153G-001 5123R-001

今年は例年になく廃番が大量だが、中でもいわゆる超絶系が目立つ。特にスプリットセコンドクロノは、直前のエントリーでも紹介した2005年に初めて完全自社開発・製造された世界最薄コラムホイール割剣クロノキャリバーCHR27-525系搭載全モデルがごっそりディスコンとなった。
後年開発の手巻キャリバーをスプリットへ拡張化させたCHR29-535系があるのだが、直径が29.5mm(Ref.5370)と27-525系27.3mm(Ref.5959)より2.2mm大きい。ひょっとしたら時代の要請として少し大ぶりなクラシカルデザインのスプリットクロノがラインナップされるのであろうか。
つい先日撮影したばかりで、近日アップ予定の手巻クロノの5170G-001(シルバーリィホワイトアラビック)の廃番もさみしい限り。
慢性品不足のワールドタイムが超希少なクロワゾネRef.5131を除いてバッサリ製造中止もちょっとビックリだ。スタッフの中には175周年記念限定ワールドタイム同様にムーンフェイズが付加された新型を予想する者もいて、想像は膨らむばかりだ。

レディス
スプリットセコンドクロノグラフ
7059R-001
年次カレンダー
4936G-001 4936J-001 4936R-001 4937R-001 4937G-001
スケルトン
7180/1G-001
ダイアモンドリボン
4968G-001
トラベルタイム
7134G-001
カラトラバ
7119J-010 7119G-010 7120R-001 7120G-001
ノーチラス
7010G-011, 012 7010/1G-011,012
アクアノートルーチェ
5067A-011
トエンティフォー(Twenty~4)
4908/11R-010 , 011 4908/101G-001 4908/101R-001 4908/200G-001 , 011 4909/50R-001 4909/50G-001 4910R-001 4910G-001 4910/52G-001 4911G-001 4920G-001 , 010


レディスの年次カレンダーは予想通り。ただカラトラバは予想外でRef.7119はパテック フィリップ唯一のペアモデルだったのに・・ノーチラスで最も人気があったRef.7010Gも心残りだ。
Twenty~4は22Ref.の内、半数以上の14Ref.がドロップ。売れ筋ステンレス4色文字盤とローズゴールド18Kのブレスとサテンストラップそれぞれ各2色文字盤のみへと大ナタが振るわれ、超の付くゴージャスラインが大掃除された。次なる一手に興味津々だ。

いつものことながらパテックの廃番はサプライズありすぎ!しかしこれだけ(60ref.)いさぎ良ければ、逆にニューコレクションの大豊作が期待できる。こうなればテロリストと一戦交えても俄然バーゼルへ行く気満々になってきた。まるでカンフル剤のような今回のリスト。いやいや3月が待ち遠しい。

文責:乾


当店で一工夫加えた2015最新パテック フィリップ コレクションカタログを店頭にてお渡ししています。

パテックフィリップのカタログは結構見やすい。ほぼ現行モデル全部を統一されたわかり易い原寸大の画像付きで紹介するカタログを、きっちり作っているスイスのメジャーブランドはありそうで・・ない。
しかも毎春のバーゼル会場で、継続品と生産中止を反映した英語版(たぶん主要言語の仏、独あたりもありそう?)が用意されていて受け取れる。さらに6月頃には空輸で若干数の日本語版が先行で、少し遅れで船便カタログも夏前には到着して正規販売店に配布される。新製品のデリバリーが始まるのが早くて例年8月下旬なので物よりカタログが早い。
国産製品に対する日本人の感覚からすれば、この当たり前のスケジュールが、スイスを含めてヨーロッパでは希薄だ。ブランドによっては翌年カタログ配布なんてのも平気だ。

さて、その生真面目で使い勝手の良いカタログにも弱点があって、品番を昇順に並べたプライスリストになぜか新製品が未掲載。商品画像もスペックもあるのに価格が不明なのだ。まあ配布元の正規店に問い合わせが入るようにという配慮なのかもしれないが、やはり少々不満が残る。
そこでカサブランカ オリジナルプライスリストを作成してみた。B4サイズの表面にはページ昇順、裏面は品番昇順で新製品を含むカタログ記載の全モデルを掲載。結果的に我々にとっても大変便利な価格表となった。
こちらを店頭にてカタログと共に配布しております。ご来店の折りに是非お申し付け下さい。

赤字部を訂正。最新プライスリストには新作価格も掲載済み。それでも負け惜しみで無くて、当社のバージョンを見易さで押したいナァ~(10月1日)

5126Jの回でパテック フィリップが裏スケルトン仕様の導入にも非常に腰が重かった件に触れたが、時計に限らず大御所と言われる家や人や物は、腰が重い→なかなか揺るがない→だから大御所 という事になっている。
というわけで大御所パテックには、今時この仕様ですか???が、いくつもある。
筆頭はハッキング機能(秒針停止機能)が殆んどのモデルに備わっていない。
さらに無反射コーティングが施されていない・・・かどうかPPJに確かめてみたら・・実はありましたヨ。
ノーチラス、アクアノート等で個体によって有ったり無かったりするらしい。徐々にコーティングタイプ化されているわけでも無いらしい。またスポーツモデルに限定でも無くてカラトラバの5227や5296にも稀に出没するらしい。個人的には未だ気づいたことが無いので、こうなると俄然見たくなる希少な個体。ちなみにコーティングは物理的な剥離を嫌って内側のみ塗布されているらしい。

で、今回はヘボなアマチュアにとってパテックの撮影ほど難しいものは無い、という撮影話。
まずハックが無いので自動巻きは針が止められない。10時10分にセットした時計の秒針の美しい位置は20秒から40秒辺りの20秒間なので、1分間に多くて2回ぐらいしかシャッターが切れない。実際にはライティングをしてから10時6分頃に合せて埃をぬぐって撮影台に位置決めしていると2分ぐらいすぐ経過する。最初の1分で試し撮りし、次の1分で微修正し、3分目で本番撮って と実に忙しくて煩わしい。
さらに無反射コーティングがまず無いので、当たり前ながらガラス表面が反射しやすい。具体的には白っぽく霞がかかったように写ってしまい易い。光源の照射角、カメラの光軸と時計ガラス面、それら3者の微妙な角度の組み合わせで乗り切るが、追い打ちをかける様に文字盤に装飾物が少なくプレーンで単色なタイプが多いので平板に写ってしまって、画像になると高級感が出しづらい。
誤解なき様に断るが、あくまでヘボカメラマン泣かせということであって、実機を肉眼で見れば無反射コートが無い事で視認性が損なわれているとは感じないし、平板な文字盤でありながら高級感をしっかり感じさせる完成度はいつ見ても凄いと思う。人と同じで時計にも写真うつりの良し悪しが有るようだ。

当店のHPの時計画像は、ほぼ総てメーカーや輸入元からの提供を受けている。そして各ブランドのオフィシャルカタログでもその画像が使われている。パテックフィリップも例外ではない。
様々な製作物や広告に於いて時間とお金の節約がデジタル画像の普及で急速に進んだ。最近は雑誌も自前の撮影より提供画像そのままが大半となってきた。良い事である反面、デジタルな加工処理が行き過ぎて、もはや写真と言うより、限りなくイラストに近づいて写実感をどんどん失っている。
"解り易いが、伝わり難い!"のがデジタル画像の特徴ではないだろうか。
オンラインショップ等が拡大急成長すればするほど、実店舗で実機を手に取って確認する必然性が出てきている気がする。その行為は意志、時間そして手間を伴うだけに、ある種の贅沢とも言えよう。それはそれで我々には追い風?かもしれない・・・
そんなこんな時代だからこそ、下手くそでも出来るだけアナログな画像(カメラはデジタル一眼ですが・・)で少しでも写実感というか実物が発するリアリティをお伝え出来ればと思っている。


文責:乾

cafs.jpgカラトラバ十字。言わずと知れたパテック フィリップのブランドシンボルは、4つの百合の組み合わせから出来ている。偶然ながらカサブランカもあまりにも有名な百合の名前。因縁か宿命か・・・

ついに取扱いが始まったパテック フィリップは長年お付き合いをしてきたものの店頭で日々商売をするのは久しぶり。で、何が困るって品名が無くリファレンスと呼ばれる品番を覚えなくては不自由この上無い事。
確かにリファレンス命のブランドは少なくない。例えばロレックスが代表選手なのだが、かなりの法則性があるので覚えやすいし、新製品でも結構検討がつく。人気モデルは品名もそれなりに有る。
ところがパテック フィリップはルールが有るような無いようなでほぼ丸暗記に近い。それでなくても近年記憶力は加速度的に怪しくなっている。
ところが他ブランドと違うのは、このリファレンス言語のネイティブスピーカーが我々玄人に留まらずお客様にも非常に多い事なのである。嫌でも覚えないと時として会話が成立しない。珠に来店があるアジア系旅行者ですら"ファイブ セブン ワンワン・・・"と在庫を聞いてくる始末。

ということで我々のお勉強も兼てのパテック フィリップ専門ブログ立ち上げです。

文責:乾

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定休日 / 水曜日・第一木曜日
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