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メンズモデルで最もこなれた価格のパテック フィリップは5119である。確かにステンレスのアクアノート自動巻ラバーストラップが少し安いが、素材が異なるしジャンルがあまりに違う。正統派のエントリーモデルとして世界中の機械式時計ファンが最初の雲上ブランドを検討する際に候補として避けて通れない必須モデルであり、この大御所ブランドへ通じる扉に備えられたドアノブのような存在ではないだろうか。

ファーストモデルは1985年のRef3919である。あまりにも特徴的な"Clous de Paris"(クルドパリ 仏語 意:パリの爪または鋲釘)文様のベゼルはじめシンプルこの上ないデザインでベストかつロングセラーモデルとなった。20年ぶり2006年にモデルチェンジしたRef5119は時代の流れを取り入れてわずか2.5mmケース径が拡大した以外の外観はほぼ踏襲された。すなわちラッカー仕上げの白無垢の真鍮製文字盤、転写による真っ黒なローマンインデックス、黒色メッキされた18KWGのシャープなリーフ形状の時分針、同仕様のボックス型スモール秒針等々が見事に引き継がれている。

ただしケース構造については大胆なフルモデルチェンジがなされている。3919はスナップ構造のベゼルを有する2層構造ケースに対して、5119ではスケルトンのケースバック+ラグと一体化したアンダーケース+ベゼル一体型サイドケースの3層構造となっている。この変更に伴ってパテックお得意のジョイントリューズが5119では非採用となっている。この構造変更の最大のメリットは実サイズの厚みが7mm以上とは思えない程に薄く見せられる事である。ケースバックセンターのサファイアガラス部分(7.43mm厚)からケースサイドに向かって段々薄くなってサイド部では3mm弱迄薄さが強調されている。ラウンドケースの手巻メンズに限れば最薄モデルである。

長い間このベゼルのデザインパターンのクルドパリを"パリの石畳"と勝手に思い込んできた。今回改めて調べると石畳は"Pave(パべ)"で宝飾時計に敷き詰められたダイア装飾を指している。確かに英語表現では"hobnail pattern(ホブネイルパターン)"で靴底用の鋲釘文様の意味なのでピラミッド状突起の連続パターンという事になる。様々なブランドで広く使われる装飾技法だが、個人的にはパテックフィリップのRef5119がその代表格としてまずは想起される。

Ref.5119G
ケース径:36mm ケース厚:7.43mm ラグ×美錠幅:20×16mm 防水:3気圧
ケースバリエーション:WGの他にYG,RG 
文字盤:ホワイトラッカー
ストラップ:シャイニー(艶有)ブラックアリゲーター
価格:税別 2,420,000円(税込 2,613,600円)2015年7月現在
   税別 2,350,000円(税込 2,538,000円) 2017年8月現在

Caliber:215PS

ムーブメントはパテックを代表する手巻キャリバー215PS。構成部品たった130個の完全熟成の名機に2006年に発表されたシリコン系素材Silinvar®「シリンバー」採用の革新的なSpiromax®スピロマックスひげゼンマイが搭載されたことで耐磁性と耐衝撃性が格段に向上している。まさにパテック フィリップの哲学"伝統と革新"を体現した頼もしいエンジンである。

直径:21.9mm 厚み:2.55mm 部品点数:130個 石数:18個 パワーリザーブ:44時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

その2(後半)につづく

文責:乾

2017年9月12日現在
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