パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

レアハンドクラフト 一覧

ようやくの実機編である。さすがに書き疲れた感が漂っているが、そんな時の特効薬は画像の見直しに尽きる。特に今回は白七宝焼文字盤の表面テクスチャーの表現が総てであって、誰の目にも違いが明らかになる捉え方を撮影力として求められた。と言うか自ら求めて自虐的に七転八倒して苦悶を味わってしまった。それでも何とか当初の目的は達成出来た様に勝手に思う。一方で、もう一度おんなじ撮影再現が困難な"危ういナァ技術レベル"を自覚させられる結果ともなってしまった。ともあれ画像を・・
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パテックのブランドロゴの盛り上がりが凄い。12時辺りのインデックスも肉厚な感じがする。ただ文字盤表面にエナメル感が無い。そうこれはRef.5116Rに似て非なるRef.5119JのWhite lacquered, black Roman numerals 白ラッカー塗り、黒ローマン文字(クラッシックなシリコン転写技法による)である。そうラッカーの盛り上がりはそれなりにしっかりとある。あって当たり前で、もし薄すぎれば下地の白が透けて最悪グレィッシュで不気味な黒になってしまう。漆黒にするにはこれぐらいの盛りが必要なのだろう。確か以前にどこかの時計雑誌で誰かが他ブランドに比べてパテックの転写文字の厚み(盛り)は非常に薄くエレガントに仕上げてあるウンヌン・・という記事があったが、一体他ブランドはどのくらい盛っているのか一度検証せねばならない。下はライティングを少し変えて同じくRef.5119J。文字盤表面はどこまでも平滑かつ均一である。
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そして次がいよいよ真打Ref.5116Rの御登場となる。まず画像をご覧召され・・
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う~ん、ようわからんノゥ!やたら汚いのはサファイアクリスタルを拭く余裕が無かったのですよ。でもパテックのロゴが明らかに転写プリントのRef.5119Jのそれとは異なってかなり薄い。それでいて下地の白が透ける気配が無いのは、焼結が塗りとは彩色においての性格が根本的に違うからだと思っている。そして恐らく不透明な釉薬を用いているのではないだろうか。
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少しライティングを変えた1枚。上と同じようだが2時から3時辺りにエナメル独特の表面感が見られる。ローマンインデックスもかなり焼かれて荒れた仕上がり感が見てとれる。しかしロゴもインデックスもあまりにも整然と描かれており、人が細密用の筆で書いたものとは思えない。たぶん黒い釉薬を転写手法で塗り付けたのではと想像している。で、さらにアレコレといじくっている内に次のような画像が撮れてしまった(注:"撮った"では無いのが残念!)。
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写真としては明度がおかしいし順光でも逆光でもない変てこな画像なのだがエナメルの表面感をほぼ全体で捉えた貴重なカット。この環境下で比較するために、Ref.5119Jを同様に撮りたかったのだが残念ながらどうやってみても叶わなかった。
仮に、皆様がどちらかの店頭で運良く白の塗りと焼きの文字盤を見る機会があっても肉眼ではほぼ絶対と言って良いほどその違いは判らないだろう。その場にルーペ(キズミ)があったらどうか?黒ならそれなりに見えるかもしれない。でも白文字盤の場合まず見えないが、上の画像のような表面状態に対する既視感を持っていれば光の当て具合の工夫である程度は見えるかもしれない。
最近の女優が4K画質の環境を「毛穴まで一体どうやって隠せというの・・」と嫌うような撮影を今回はやった。その意味ではこの荒れたエナメル文字盤を美しいと見るかどうかは意見が分かれるかもしれない。生身の人肌とアンドロイドの合成の肌をマクロレベルで較べてどっちが良いのか問われているようなもので答えようが無い問題かもしれない。ただ歩留まりの悪さ(結果、高額)とは反して陶磁器ゆえの圧倒的な耐光性が半永久的に文字盤変色を防いでくれる。此処に関しては塗りは全く歯が立たない。

エナメル文字盤の歴史を振り返ると一般的には1900年代前半の1920年代から1930年代の比較的短い期間に多数の高級時計ブランドが採用していたようだ。しかしその後は簡単で歩留まりの良い塗り文字盤が主流になる。そして1990年代になって機械式時計が徐々に復活してゆく中で、前回記事でも少し触れたユリス・ナルダンやヴァシュロン コンスタンタンなどが徐々に生産を復活し始める。
ところがパテックは1960年代から1970年代前半のスイス製機械式時計暗黒の時代にかなり生産数を減少させた以外は1900年代を通じてずっと精力的に各種エナメルダイアルを作り続けてきた。1950年代のアンティーククロワゾネワールドタイムが各オークションハウスで非常な高額で落札され続けているのも当時はパテックしか伝統の技を継承していなかった事が由縁の一つかもしれない。なぜにパテック フィリップは生産効率が悪く当時は市場性が疑われたような高難度の文字盤製作に拘り続けたのか?
それは明らかにスターンファミリーの出自に直結していると思っている。1932年、Ref.96(クンロク)がデビューしたまさにその年に現社長のティアリー氏から三代前(曾祖父)に遡ったジャン及びシャルルのフィリップ家の兄弟が同社の株主(実質経営者)となり、翌年の1933年にはPatek, Philippe & Cie S.A.(株式会社パテック, フィリップ社)が登記され創業家からの経営移譲が終了した。このスターン家は元々パテックにダイアルを供給してきたジュネーブの高級文字盤製作会社(スターン兄弟文字盤製作所)を営んでいたという経緯があった為にダイアルへの拘り方が半端では無い。
下画像はパテック フィリップ インターナショナルマガジンVol.ⅢNo.02 P.16-17に掲載されているスターン家4代である。左のモノクロは45歳のアンリ・スターン(1911-2002)、左下がその父シャルルで右下は叔父のジャン。右のカラー写真、上から当時専務だった42歳のフィリップ(1938‐)、社長アンリ71歳、そして現社長ティエリー(1970-)はたった10歳。
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シャルル・スターンの息子アンリ・スターンが1958年社長に就任し、その息子であるフィリップ・スターンは1993年にその役を継承した。そして2009年に現社長ティエリー・スターンがその任に着いている。時計のプロである前に彼らには文字盤命の遺伝子が受け継がれており、常に他ブランドとは一線を画したダイアルを求め続けるのだろう。恐らくこれからも・・

文字盤以外のRef.5116Rの特徴や詳細は紹介済みのRef.5119G-001とほぼ共通なのでそちらをご覧いただきたい。最後に一応は撮った裏蓋側の絵もご覧いただいて本稿を終了したい。
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Ref.5116R-001
ケース径:36mm ケース厚:7.93mm ラグ×美錠幅:20×16mm 防水:3気圧
ケースバリエーション:RGのみ 
文字盤:本白七宝文字盤(Authentic white enamel)
ストラップ:シャイニー(艶有)ブラックアリゲーター
価格:税別 2,930,000円(税込 3,164,400円)2016年7月現在

Caliber:215PS

ムーブメントはパテックを代表する手巻キャリバー215PS。構成部品たった130個の完全熟成の名機に2006年に発表されたシリコン系素材Silinvar®「シリンバー」採用の革新的なSpiromax®スピロマックスひげゼンマイが搭載されたことで耐磁性と耐衝撃性が格段に向上している。まさにパテック フィリップの哲学"伝統と革新"を体現した頼もしいエンジンである。

直径:21.9mm 厚み:2.55mm 部品点数:130個 石数:18個 パワーリザーブ:44時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

※最終画像以下のスペック等は過去記事のコピペ+修正なのだが、修正時に気づいたのがケース厚がRef.5119よりも0.5mmも厚くなっている事だ。インデックスとブランドロゴ部分は明らかにラッカーの塗りの方が厚く見えるので、結論として下地となる本白七宝そのものが塗りよりも分厚いという事になる。
これは前稿で触れたように0.5mmの金線の高さがベースの白七宝の厚みとされているのか、または反り返り防止策としての文字盤裏への捨てエナメル焼結による厚み増加なのか、あるいは焼結による真鍮文字盤自体の歪み防止の為に厚みそのものをうんと持たせているのか?実にエナメルの世界は深い。まだまだその扉を開けかけたぐらいなのか・・そのうちに焼きの現場を見れんもんかいノォ

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
だいぶ先になりますが・・と言っていたが、いつの間にかもう一か月後となった今夏のお盆真最中8月11日(木・山の日)~15日(月)に当店初の『パテック フィリップ展』を開催いたします。カサブランカ流の"何か"が違う展示会イベントに出来ないかと日々無い知恵をしぼっております。是非ご期待下さい。詳細等が詰まりましたら順次ご案内申し上げます。
展示会期間中の土日13日14日の両日午後2時から「パテックフィリップに夢中」と題してライブトークイベントを実施いたします。正規輸入元のパテック フィリップ ジャパンからの特別ゲストを迎えて、突っ込みどころ満載のパテック フィリップの謎に乾はじめ当店スタッフががぶり寄ってゆきます。参加ご希望の場合は席(※本音は寄集めの椅子の都合で)に限りがありますので案内状送付希望を下記からいただき申し込み用紙にお名前等ご記入の上、FAXにてお申込み下さい。

※案内状(7月下旬発送予定)のご希望がございましたら、コチラからお問合せ下さい。


2016年7月17日現在 5116R-001 店頭在庫あります。
(パテック フィリップ在庫管理担当)岡田

そう、またもやである。実は実機編はほぼ完成している。アップを待つだけ状態にある。ところがPPJapanから次の入荷案内があったRef.5296-001について早々の下調べ中に見つけんでもいいものを・・
Patek Pilippe International Magazine Vol.Ⅱ N0.11(2008,Autum)のP.78-85にクロワゾネを中心とした七宝技法が特集されている。見つけたものはしょうがない。今回は手短にお手柔らかでご勘弁を
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何度も紹介しているがバーゼルワールドのPPブース一階にはこんなドーム・テーブル・クロックも展示されている。まさに鑑賞するにふさわしい作品ながら立派な売り物である。ちなみに機械式である。ただゼンマイを鍵等で巻き上げるのではなく、電池+モーターで巻くとの事。このハイブリッド?楽ではあるが、個人的には微妙だ。全面に見事なクロワゾネが施されている。しかし、一体どうやって釉薬を曲面に流し込み平らに焼結させるのか?残念ながらその答えは文中には無い。結局、工房に潜入し、こっそり絵付け焼き入れの真似事などせねばわからんのやろうな。想像するに塗り付ける釉薬が結構粘度が高いのではないか・・アホでも考える事ですが
文章中には唸らされる発見がそこ此処にある。以下抜粋しながら転載(抜粋、修正あり)させていただく

クロワゾネ七宝においては、着色されたガラスが地となる金属に施される。金属表面はちょうど鏡のようにガラスを通して光を反射する。釉薬(酸化金属を混ぜて着色したガラス質の粉末)は、炉の中で摂氏約800度に数分間過熱され、溶融して金属表面にガラス層を形成する。釉薬は何層にもわたって施され、その都度過熱されるが、短時間で均一に溶融するよう、一層の厚さは極めて薄い。
七宝(エナメル)の語源は、古フランク語(7世紀以前の古代フランク人の言語)で「溶融した」を意味する「smalt」に由来する。イタリア語の「smalto」、フランス語の「émail」、ドイツ語の「Email」または「Emaille」はすべて同じ語源である。

七宝そのものの歴史は古いが時計製作の世界に登場するのは16世紀以降で卓上時計・携帯時計(懐中)の文字盤やケース装飾に、ステンドグラスを模した色彩と意匠が最初は使われた。ジュネーブは七宝装飾卓上時計の中心地となり、職人の家系によって世代から世代へと受け継がれた。20世紀初頭に至り、アール・ヌーボーの勃興と共にブームを迎える。そして腕時計の時代が到来した。
今日、伝統的クラフトマンシップを貴重な遺産として保護育成するパテック フィリップのようなマニュファクチュールの努力がなければ、七宝は過去の芸術になっていたかもしれない。

クロワゾネ七宝装飾の製作工程を簡単に紹介する。まずモチーフの輪郭にしたがい、厚さ約0.5mmの扁平な純金(銀、銅の場合もある)の線を曲げてゆく。この際には双眼顕微鏡が多用される。次に特殊な接着剤でこの金線を金属表面に固定。最終的には金属表面を埋め尽くす金線が、地金の上に多数の囲い(フランス語の「cloisons」←原文ママ「cloisonné」?)を作り上げる。クロワゾネ七宝の名はこれに由来とある。やっと、たどり着いた感アリ!
次は釉薬注入で、囲いの中に均一に広げるために釉薬を水または油に溶かし細い筆で塗布を施す。まず最初はフォンダンと呼ばれる透明な釉薬を全体にさらには地金裏面にも塗る。これは「contre-émail」と呼ばれ過熱過程で金属とガラスの膨張率の違いによる地金の反りを防止する為の技だ。透明な釉薬を施された地金は、炉で摂氏800度に加熱される。接着剤と液体はすぐに跡を残さず昇華・蒸発し、釉薬が溶融し始める。数回に及ぶ加熱工程で失敗と成功を分けるのは炉から取り出すタイミングだという。釉薬が完全に溶融してからだと失敗らしい。此処までが下準備で、それぞれの囲いに異なった色の釉薬を施す創造的な工程に進む。一層ごとに加熱されるが、粉末の釉薬は溶融するにしたがって色合いが変化するので、あらかじめ別の金属表面で色の出方を確認するサンプル(下画像)を作っておくのだそうだ。何層にも重なったガラス層が金線の高さ(0.5mmという事か?)に達したら全体を均一にポリッシュし、最後にもフォンダン(透明釉薬)を塗って出来上がり。
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シャンルベとクロワゾネの見分け方の記述もあって、線状の区切りであってもクロワゾネは線の太さが一定であるのに対してシャンルベでは一定ではない。またモチーフが離れている装飾がシャンルベでは可能なので文字盤よりも大きい時計ケース(例えば裏蓋)などに良く採用される。
七宝工程2.jpg
また両技法において半透明な釉薬を採用し地金に施された彫りのモチーフを浮き出させる手法が良く使われるらしい。特にギヨシェ装飾(手動式機械で施された同心円状の規則性のあある模様)を浮き出させたものをフランケ七宝と呼ぶ。上の画像の鳥の羽部に粗い筋目彫りがある。下の画像では取り付け中の金線のすぐ下側に葉脈が細かく彫り込まれた葉っぱが穿たれている。前回記事で平安の貴婦人の持つ扇の緑色波状部等はこの手法と思われる。
七宝工程1.jpg
また重なった薄いガラス層の層と層の間に金箔でできた装飾小片(パイヨンと呼ぶ)を配置するとまるで浮遊しているように見える技法があり、花、渦、小鳥、昆虫などがモチーフとして古くから用いられてきた様だ。平安貴婦人で掘り残したのではないかと想像していた金色の花型モチーフはきっとこの技法が使われたのだろう。透明な仕上げ層フォンダンの前にアラビアゴムなどで金箔を固定し、フォンダンを掛ける事で金箔は保護されつつ美しく光り輝くとある。
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結構書くのも大変だが、お付き合いいただく皆様もお疲れかと・・まだミニュアチュール(七宝細密画)のくだりがあるのだがやめときます。最後に上記工程画像とは異なるが共通的なモチーフであろう"極楽鳥"を見ていただいて本稿終了。
7/12加筆:ちなみに知る限りではこの手のタイムピースはセンター2針で極薄自動巻Cal.240が積まれている。価格は時価で複雑さに比例するも最低で800~900万円。まあ1,000万円からと思った方が良さそうだ。同一キャリバーを積むカラトラバRef.5120Gが税別284万、スモセコタイプのRef.6000Gが税別315万なので恐らく時計代で300万程度として文字盤の加工費が最低で500万以上という事になる。あぁ!ナルダンうらめしゃ~
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今回は総てスキャン画像ゆえお見苦しい点ご容赦願います。なんか忘れてると思ったら七宝職人の工房にある仕事机の画像だった。沢山の釉薬のビンと双眼顕微鏡、そのすぐ右下には色見本(前述画像)の丸と角の金属片が見られる。
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文責:乾

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だいぶ先になりますが・・と言っていたが、いつの間にかもう一か月後となった今夏のお盆真最中8月11日(木・山の日)~15日(月)に当店初の『パテック フィリップ展』を開催いたします。カサブランカ流の"何か"が違う展示会イベントに出来ないかと日々無い知恵をしぼっております。是非ご期待下さい。詳細等が詰まりましたら順次ご案内申し上げます。
展示会期間中の土日13日14日の両日午後2時から「パテックフィリップに夢中」と題してライブトークイベントを実施いたします。正規輸入元のパテック フィリップ ジャパンからの特別ゲストを迎えて、突っ込みどころ満載のパテック フィリップの謎に乾はじめ当店スタッフががぶり寄ってゆきます。参加ご希望の場合は席(※本音は寄集めの椅子の都合で)に限りがありますので案内状送付希望を下記からいただき申し込み用紙にお名前等ご記入の上、FAXにてお申込み下さい。

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前回記事の予告では、今回はエナメル文字盤の希少モデルRef.5116Rの実機紹介の予定だった。ところがあまりにも"このタイミングって!"という掲載雑誌がパテック フィリップジャパン(PPJ)から届いた。アメリカンエキスプレスカードのプラチナ会員および最上位のセンチュリオン(通称ブラックカードホルダー)会員向けに発行されている"デパーチャー"と"センチュリオン"の2誌に挟み込まれる腕時計情報付録パンフレット「WATCHES」。最初はセンチュリオンって何や?状態からググって、人によっては戦車やロケットまで買えてしまう危険なカード(入会金54万円、年会費37万8千円とプラチナの約3倍)らしい。
要するに裕福層と超裕福層向けマガジンの付録「WATCHES」が、パテックフィリップの紹介の中でまずフォーカスしているのがレアハンドピース(希少な手作り時計)でクロワゾネやらシャンルベ等々の各種エナメル技法がてんこ盛りの為、急遽この"中編"の起稿となったわけだ。実機から脱線し、またぞろラビリンス(迷宮)に足を踏み入れる勇気を奮い立たせて・・
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今回は縦長画像ばかりでお見苦しい点はご容赦をお願いして、上は同誌17Pパテックフィリップ紹介扉ページ。左の懐中時計はクロワゾネ(有線七宝)で前回記事紹介済みの鳥モチーフの腕時計文字盤と同じ技法が採用されている。右のモデル名"平安の貴婦人"はチョッとややこしい。運良くPPJ経由で画像が入手出来たので拡大して詳細に睨み倒す。記事中の説明文にはクロワゾネとシャンルベ両技法の組み合わせとあるが、どこがシャンルベで何処がクロワゾネなのか判然としない。問合せるもお互い想像の域を出ず、完全に把握するにはスイスパテック社の職人に聞くしかないとの結論に至った。
そうなると本稿が終わってしまうので間違い覚悟で恥を忍ばず無理やり乾流解説でご勘弁ください。
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明らかに判り易いシャンルベは女性の左上と扇の右のひし形のモチーフが繰り返す部分で、ひし形の枠は明らかに元の18金裏蓋が掘り残されたものである。一個一個のひし形の中は花形、さらにその内側には〇が有線(クロワゾネ)で仕切られていて、外からうぐいす色のバックに花弁は多少緑っぽい青色で中央丸形の花芯部は女性の顔と同じ肌色である。"花芯"が肌色?とは瀬戸内先生が喜びそうやナぁ・・
あと扇の緑色の部分や十二単の袖部分のベースになっている薄桃色の両方とも凹んでいるというか一段レベルが低い状態になっている。此処はえぐり込まれた跡に釉薬を流し焼結させたシャンルベではないかと思っている。そして恐らく扇の緑色部の波状の細かい模様は彫り込む際につけられた模様で深い彫り跡は濃い緑に、浅い部分は薄く焼き上がるのではないか。
そして女性の顔と首の肌色部分は非常に平滑であり明らかにクロワゾネ技法である。ただ眉と目の黒は肌色釉薬焼結と同時に焼かれて微妙な滲みがあるが、唇の紅色は全く滲んでおらず此処だけは焼結後に細密筆で描き焼かれたミニュアチュールであろう。なお扇の黄土色部分やその右上のワインレッド色部等に見られる丸形や花形の金箔状の装飾は一体どんな技法なのか?全体がシャンルベで金箔部を掘り残して焼結後に花形部などはさらに内部を細かくエングレーブかなあ。確かに下側のワインレッドベース部の網目紋様?も先程の扇緑波型部同様に深彫り網目をすれば濃く焼き上がってこう仕上がるのではないか。
さらに聞けていないが数度に及ぶ焼結の工程で釉薬が塗られていない生身の18金素材表面部分は酸化して茶色く変色する?はずで、最終焼結後に手間をかけて丁寧な研磨を受けるのだろうか。この装飾工程全部で一体どの位の時間がかかり、何人位の熟練職人が関わるのだろうか?全く見当もつかない。
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何とも豪勢なノーチラスである。此処までやれば男のダイヤモンドも"あっぱれ!"で有りかなと思ってしまう。文字盤からベゼルにかけての装飾のモチーフは実にカラフルな不死鳥。彫り物と言いたくなるように技法は絵に描いたような(洒落では無い!)判り易いシャンルベである。ただ平安の貴婦人のように深彫りによる高低差を付けずに実に平滑に仕上げられている。そして一旦焼かれた上からさらに細密画法(ミニュアチュール)で羽根のディティールを表現した茶や青の線が描かれ再度焼かれているようだ。3針が金色と言うのがこれまた何とも濃~い!気になるお値段は時価となっている。さあ皆さん、こちら、HOW MUCH?
このタイムピースであと語るとすればビッシリと敷き詰められたダイヤモンドのセッティングなのだろうが、すみませんそちらは全く不勉強な生粋の時計屋ですのでご勘弁を・・
何となく尻切れトンボのような今回の幕切れ、いよいよ次回は実機紹介をお盆の初パテック フィリップ展詳細ご案内より先に出来そうかなぁ

7月9日追記:今回紹介のタイムピースも前回の鳥モチーフのクロワゾネダイアル腕時計と同様に今年のバーゼルワールド・パテック フィリップブース1階のレアハンドクラフトタイムピースコーナーに展示され、一応発注も可能ということになっていた。懐中時計の"平安の貴婦人"なんかは上から吊るされてゆっくり回転して表裏両面を魅せる演出付きであった。
出来上がりが微妙に異なるゆえ、全ての個体をユニークピースと見て良いのだが、Ref.毎にくくっても生産数は恐ろしく少ないはずで、注文してもまず入荷しないと言われている。ただ今年は世界(特にヨーロッパと中国)的に景気が怪しいために例年と比較して入荷の可能性が高いとの案内を受けた。
実際に当社百貨店部門では数点発注を掛けたが今のところ受注OK等は受けていない。もっとも通常の新製品ですら早くて8月下旬各正規店にデリバリー開始が通常スケジュールなので、正式な返事はまだまだとして首を長~くして、財布のひもをしっかり握って待ち続けたい。要するに皆さん顧客様とおんなじ心理なのですョ 我々も・・

文責:乾

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展示会期間中の土日13日14日の両日午後2時から「パテックフィリップに夢中」と題してライブトークイベントを実施いたします。正規輸入元のパテック フィリップ ジャパンからの特別ゲストを迎えて、突っ込みどころ満載のパテック フィリップの謎に乾はじめ当店スタッフががぶり寄ってゆきます。参加ご希望の場合は席(※本音は寄集めの椅子の都合で)に限りがありますので案内状送付希望を下記からいただき申し込み用紙にお名前等ご記入の上、FAXにてお申込み下さい。

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どう読んでも"イーメール"e-mail"としか読めない。何年やっても初級から抜け出せないフランス語かぶれの姐に言わせると仏語の読みは"エマーユ"となるそうだ。ただ厳密にフランス語表記するならば"ÉMAIL"とEの上にラテン系言語に特有のアクセンテギューをつけなければならないはずだ。今回これに気づかされて長年のもやもやが吹っ切れた。そう、英語っぽくしか見えないのはアクセンテギューが無いからだったのだ。ティエリー社長頼むからちゃんと付けて下さいよ。
重箱の隅はほっといて、パテック フィリップのタイムピースにおいて6時位置にインデックスの巾にほぼ合わせて極小で描かれるこの5文字は、水戸黄門の印籠級の扱いがなされている。しかし総てのモデルで6時位置に5文字表記があって、この違いは教えられないと気づかずに見過ごしてしまう方が多い。その非"EMAIL"モデルの5文字表記は"SWISS"となっている。しかしながらこのRef.5116に限らず、今やパテック フィリップのエナメル文字盤モデルは総てが超レアなので店頭で見比べる機会はまず皆無だろう。画像では上がRef.5116のエナメル焼き文字盤、下がRef.5119のホワイトラッカー塗り文字盤。インデックスの黒っぽさに微妙な違いがあるのがわかる程度で文字盤の表面感は全く同じとしか思えない。

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エマーユは日本語では"七宝"。七つの宝なのでとても貴重で高い価値を持っている事になる。でも普段使いする鍋やマグカップの表面処理に多用されている琺瑯(ホウロウ:この漢字は絶対書けませんナァ)も原理は同じ・・らしい。
また当店一階で扱っているエントリークラスのボールウオッチのクラシカルな白文字盤が魅力なキャノンボールⅡにはコールドエナメルなる手法がなされている。かくのごとくエナメルは多様性があり根本から勉強をしなければならぬ次第となった。コールドエナメルの良い記事を見つけたので貼っときまして説明は省略御免です。

まず、ウイキペディアでエナメルを引いてみると英語表記は"ENAMEL"であり、陶磁器の釉薬("ゆうやく"よりも"うわぐすり"が解りやすいでんナぁ)とある。正確ににはポーセリン エナメル(porcelain enamel)と言う。そして原材料の名称に留まらず金属表面をその材料で加工する行為もエナメルであり、美術的技法を七宝焼き(仏:Cloisonné:クロワゾネ)と言い、工業的な製法としては琺瑯と呼び一応区別されている。その他にもこれら本来のエナメル特有の光沢感を連想させる塗料やカバン、靴・・等々なんやかやとあって定義が好き勝手に拡大している感があるが、本稿では時計文字盤に限って自ら学びつつ掘り下げての紹介が出来ればと思っている。

ここのところ更新が間延びしたが、公私とも色々あった以上にこのエナメルという奴は奥が実に深そうで取っつきにくかったのが延び延びの原因・・これはやっぱり言い訳やナぁ。
ブログ遅延の為に店頭に出せない金庫のRef5116Rにストレスを抱えながら10日程経った頃に大阪のホテルでパテック フィリップの本黒七宝焼文字盤を拝見する貴重な機会を得た。しかも単純なキズミ(時計師用ルーペ)ではなく、どちらかというと宝石用の照明(通常ライトと蛍光確認用のブラックライト)を備えたカール・ツァイス仕様のレンズ搭載の超高級ルーペを拝借してというおまけつきだった。価格数十万と聞いたこのルーペが凄いのは普通のキズミがレンズ中央部分にのみにしか焦点が合わないのだがレンズ全面に焦点が合ってしまって笑らけるくらい見易かった。正直購入を検討し、色々とググってみるが何とも見当たっていない。どなたかご存知の方おられれば是非ご紹介下され。
たぶん過去にもバーゼルのパテックブース等で黒エナメルは見ているはずなのだが、なんせ頭の中がエナメル、エナメル、エナメル・・状態で見なければ初見と同じだったという事で。
閑話休題、このルーペでみたブラックエナメルダイアルは見事に凹凸や気泡跡などまさしく焼きの痕跡がしっかりあって、これをラッカー(塗り)と見間違える事はド素人でもまず有り得ないだろう。ちなみにこの見分けやすい黒の七宝文字盤の方が白七宝よりも製作が非常に困難との理由で現在はパテック フィリップのほぼ独占状態になっているらしい。パテックHP内の参考記事はコチラ

次に"七宝焼き"をググれば、かなり色々と詳しく出てきた。ママ引用(文字)すると以下である。
七宝焼(しっぽうやき)とは金属工芸の一種で伝統工芸技法のひとつ。青銅などの金属製の下地の上に釉薬(ゆうやく:クリスタル、鉱物質の微粉末をフノリでペースト状にしたもの)を乗せたものを摂氏800度前後の高温で焼成することによって、融けた釉薬によるガラス様あるいはエナメル様の美しい彩色を施すもの。日本国内では、鉄に釉薬を施したものを、主に琺瑯(ほうろう)と呼ぶ。中国では琺瑯(ほうろう/読み:ファーラン)という。英語では、enamelエナメル)という。七宝焼の名称の由来には、宝石を材料にして作られるためという説と、桃山時代前後に法華経の七宝ほどに美しい焼き物であるとしてつけられたという説がある。
歴史的には紀元前から始まって発祥は中近東。シルクロードから中国経由で飛鳥時代には日本へやってきていたようだ。ウイキペディアによれば日本、中国そしてヨーロッパにそれぞれ多種の技法があって近似のものも多い。全部紹介出来ないし、したところで引用だらけになるので時計に関するヨーロッパ系のものだけ以下引用する。

ペイントエナメル(painted enamel)

あらかじめ単色で焼き付けたエナメルを下地とし、その上に、筆を使ってさらにエナメル画を描き、焼き付ける技法。人物や植物を描いたミニアチュールが例として挙げられる。
時計文字盤でのミニュアチュールは細密画と言われる手法だったはず。数年前のバーゼル会場のブランパンブースのエントランスにあるイベントスペースで女性細密画師のデモンストレーションを拝見した記憶がある。

シャンルヴェ
(champlevé)
土台の金属を彫りこんで、できたくぼみをエナメルで埋めて装飾する技法。初期の頃は、輪郭線の部分をライン状に彫りこんでいた。技術の発達につれて、逆に、面になる部分を彫りこんでエナメルで装飾し、彫り残した金属部分を輪郭線とするようになった。
日本の象嵌七宝に近いらしい。時計文字盤ではたまに見るかナぁ、前述のペイントエナメルや後述するクロワゾネ手法の際に部分的に採用されていた記憶があるような気も・・

クロワゾネ(cloisonné)
土台となる金属の上に、さらに金属線を貼り付けて輪郭線を描き、できた枠内をエナメルで埋めて装飾する技法。シャンルヴェよりさらに細かい表現が可能になる。日本の有線七宝はここに属する。
時計のエナメル文字盤装飾で最も多用されている技法ではないかと思う。忘れられないのは1990年代に奈良の百貨店テナント時代に盛んに販売していたユリスナルダン。数年間にわたり毎年限定でサンマルコというラウンドケース時計の文字盤に往時の天才クロワゾネ職人ミッシェル・ベルモー氏が焼き上げていた風景や海戦(シーバトル)シリーズの限定モデルだ。当然のことながら製作数が少なく各5~50個程度でYG、WGが主でPtもわずかにあったかもしれない。18Kでアリゲーターストラップ仕様で確か200万円前後だったはず。価格については隔世の感あり。これも何で買っとけへんかってん、どアホでんな~
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画像が綺麗だったもので、アンティーウオッチマンさんのホームページより借用加工させていただきました。事後承諾ご容赦下さい。そして下は今年のバーゼルのパテックブース一階(あちら風に言えばグランドフロアまたは単に"G"?か)に希少なハンドクラフトとしてショーケースの中に飾られてたクロワゾネのユニークピース。NIKONのコンデジでノーフラッシュだから当然ASA上げてほぼ絞り解放でシャッタースピード稼いで撮った一枚。敏腕レタッチャーの竹山が明日からのスイス出張の為、成田前泊に先程出発した為にディスプレイ用のウオッチリングやら背景やらをフォトショップでにわかレタッチ親父自らが怪しげに加工しております。それゆえ今回は文字盤だけご注目という事でご勘弁ください。

クロワゾネどころかエナメルそのものもド素人とまずお断りした上で、この上下の文字盤は随分印象が異なる。ナルダンのこのピースはたぶん後期型でミッシェル・ベルモさん自身ではなく彼の娘さん(お名前失念)の作と思われるのだが、一個一個の有線(金製)で囲まれた部分がほぼ単色である。ベネチアの観光名所リマト橋下の運河の薄黄緑色の部分と空のもう少し濃い黄緑の2箇所だけは濃い目の緑が塊状に散りばめられて焼結されている。その他は単色のみで彩色の異なりは総て有線で区切る事でなされている。いわば単色の布切れをパッチワークした状態。
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それに対してパテックは有線の区切りそのものが非常に少ない。鳥の顔の目の下のパート(区切り)では中央部分が白いが顎はコバルトブルーでその境界は微妙にグラデーションしている。例えば全く同じ文字盤二枚に有線を全く同じ位置に配置できたとしても2色の釉薬を同位置に塗り分ける事はまず不可能だろうし、焼結工程での混ざり合う具合など神のみぞ知る世界ではないのか。もちろんこの顔パートだけではなく殆どの区切りで2色、いや3色もありそうだ。この着色の技法の違いが両者を全く違うクロワゾネエナメルダイアルにしている。パテックの手法では絶対に同じ文字盤が世界に一枚しか存在しない。つまり究極のユニークピースたる由縁が此処にある・・としておこう、ふぅ~なんせ素人ですから断定は禁物。再来月のパテック展でのライブトークイベントも決まった事だし、この辺の推測の整合性を突っ込んでみる事としよう。そうそうなぜ七宝文字盤は黒や濃色の方が白色よりも製造が困難なのかも聞かなあかんしなぁ あぁしんど!
やはり予想通り大長編の気配が漂ってきた。後編では実機紹介となるがこれまた撮影が滅茶苦茶厄介だった。白色の七宝なのでルーペでさえラッカーとの違いは見慣れないとまず無理。はたしてマクロレンズで捉えきれるのか?次回に斯うご期待。

文責:乾

『第一回パテック フィリップ展』のご案内
だいぶ先になりますが今夏のお盆真最中8月11日(木・山の日)~15日(月)に当店初の『パテック フィリップ展』を実施いたします。カサブランカ流の"何か"が違う展示会イベントに出来ないかと日々無い知恵をしぼっております。是非ご期待下さい。詳細等が詰まりましたら順次ご案内申し上げます。
展示会期間中の土日13日14日の両日午後2時から「パテックフィリップに夢中」と題してライブトークイベントを実施いたします。正規輸入元のパテック フィリップ ジャパンからの特別ゲストスタッフを迎えて、突っ込みどころ満載のパテック フィリップの謎に乾はじめ当店スタッフががぶり寄ってゆきます。参加ご希望の場合は席(※本音は寄集めの椅子の都合で)に限りがありますので案内状送付希望を下記からいただき申し込み用紙にお名前等ご記入の上、FAXにてお申込み下さい。

※案内状(7月下旬発送予定)のご希望がございましたら、コチラからお問合せ下さい。





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