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パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

5711/1P-001ノーチラスプラチナ40周年記念限定-実機編

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257グラム!そうか、プラチナが軽いのか。312gもあった紹介済みのWGクロノの82%である。幸運にも日を置かず疑問が解け、プラチナも実機撮影の機会を得た。しかし比重に優るプラチナは素直にポーズを取らせてくれず撮影には難儀をした。
当店の商いは貴金属地金に縁がなく全くのド素人。ちょうど良い?機会なので金とプラチナの相場というものを調べてみてビックリした。12月6日付け田中貴金属の1グラムの税抜小売価格は金4,668円、に対してプラチナが何と3,812円で断然安い。気色悪いので過去15年間の年間平均値(税抜小売価格/グラム)を比べてみた。
AuPt15.gif2007年ぐらいまではプラチナが金のほぼ2倍だが徐々にその差が詰まって2012年に逆転している。その後2年は再逆転するも2015年からまたも金が逆転している。金・プラチナいづれも需給バランスの崩れが原因で金はずっと高騰し続けており、プラチナはここ数年下落気味で逆転されている。それにしても15年でプラチナは2倍に、金は4倍にもなっている。そりゃ高級時計も高くなるハズである。
まあ時計の金は18金なので現在の相場4,668円に75%を掛ければ3,501円となるが25%混ぜる銀や銅だってコストは掛かる訳でノーチラスの40周年モデルに関して言えば重量差からしてWGクロノの方が素材コストは少し高いかもしれない。ムーブメントはどう考えてもプラチナ用の部品点数213点のシンプル3針自動巻よりも327点のパーツで組まれるフライバック垂直クラッチクロノグラフが高コストだろう。ただしダイヤモンドはベゼル6時下にプラチナモデルアイコンのラウンドダイアが埋め込まれ、3時以外全てバゲットダイアインデックスのプラチナモデルの合計0.36ct.に対して、WGクロノモデルは一部ラウンドダイアインデックス等になり合計0.29ct.と若干少ない。
またWGクロノグラフは過去に全くなかった最大サイズのノーチラスなので冷間鍛造用の金型も一から新規設計製造しているはず。片やプラチナ3針は過去何度か特殊なユニークピースとして販売実績があり、金型もステンレスや18金モデルと基本同じ5711型である。製造本数はプラチナがほぼ半分で割高となる。
このように見てゆくとWGクロノが何となく割安に思えてくるが、何度も繰り返してきたがプラチナ特有の粘りっこい素材特性は鍛造・切削・研磨のどれを取っても18金の何倍ものコストがかかるらしい。特にノーチラスブレスはリンクの細かさが着用感を高めているが、当然パーツ数が増えるためにそれだけ製造には手間が係るはずだ。
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6時側に2段組みされた1976-40-2016のアニバーサリーエンボスは12時側にレイアウトされたWGクロノグラフ同様に目立たない。画像ではライティングの微妙な差で異なって見える文字盤のブルーの色目は全く同じである。ただインデックスのバゲットダイアのサイズは同じだと思われるのだが文字盤面積の違いからかWGクロノの方が微妙に幅広に見える気がするのは目の錯覚か、それとも単なる老眼の進行か?
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左のステンレスモデルRef.5711/1Aと並べてじっくり視ると微妙な違いがある。まず6時位置の生産国表示がSSはSWISSと40th記念のSWISS MADE。ただこれは現行モデルでもバラバラで無表記のものも存在する。カレンダーについてはWGクロノRef.5976Gの記事で18K窓枠以外の違いは解らないとしたが、数字のフォントが異なっており少し太字にもなっている。恐らくカレンダーディスクそのものはPTとWG共通部品と思われる。
12時側のブランドロゴがSSではエンボスの上から4番目の凸部にPATEK PHILIPPE、5番目にGENEVEと転写されている。ところがPTでは転写部分全体を凸部にしてスペースを作りロゴ位置も少し下側にずれてレイアウトされている。これは6時側に配置された三角形の40・1976-2016の記念エンボス位置とのシンメトリーを意識して微妙なデザインワークがなされたようだ。
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プラチナモデルお約束のベゼル6時への隠しダイアモンドは天地巾の制約からか0.02ctとかなり小さい。プラチナケースと言えどもしっかり見えている無愛想でぶ厚い真っ黒けの防水パッキンのすぐ上にセットされるプレシャスなダイアモンド。う~ん!洒落が効いてますナァ。
元々は現会長フィリップ・スターン氏が自分のコレクションに入れてみたところスタッフに好評だった事から採用された仕様だと聞いた記憶がある。そして2000年のミレニアムを記念して限定生産された10日巻きのRef.5100のWGとPT(下画像)を区別するためにスターン氏の指示でセットされたのが始まりとなり現在に続く慣行となった。それにしても最初のダイアはチョッと大振りだったような・・・PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE No.7 P.32
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Nautilus Ref.5711/1P-001 40th Anniversary Limited Edition 世界700本限定
ケース径:40.0mm(10時ー4時方向) ケース厚:8.3mm 防水:12気圧
ケースバリエーション:PT950 
文字盤:サンバースト加工にブルーPVD加工 バゲットダイア付ゴールド植字インデックス
価格:税別 12,360,000円(税込 13,348,800円) 
2016年11月1日現在

SSと全く同じになるのでキャリバー撮影は悩んだが敢えて上下に並べてみた。下のプラチナにはラグ部4か所に貴金属ホールマークが有り、画像右端中央にA384で始まる良く似たじブレスレット品番刻印がある以外は、表面が少しクリームっぽい仕上がりのWGと違ってPTは完璧な銀色なのでSSと完全に見た目は同じである。
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Caliber 324 S C/386)
直径:27.0mm 厚み:3.3mm 部品点数:213個 石数:29個 受け:6枚
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、スピロマックス等のパテック フィリップの革新的素材についてはコチラから

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾
PATEK PHILIPPE GENEVE(M.HUBER & A. BANBERY) P.231

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