パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

2018新作 一覧

パテックの何が売りたいって?聞かれれば、"永久カレンダー搭載手巻クロノグラフ"と"ミニット・リピーター"が個人的には一・二番だ。天文時計の"セレスティアル"や"スカイムーン・トゥールビヨン"も凄い時計なのだけれど愛用する年次カレンダーの月齢さえもテキトーにしか付き合っていないし、昨年末の"ふたご座流星群"や"土星と木星の大接近"も睡魔と寒さにあっさりスルー。天文系は奥が深すぎて入口の扉のノブにさえ手が掛けられない。
レア・ハンドクラフト群も勿論パテックの顔ではあるが美術・工芸品の趣が強いし、意匠毎の好き嫌いも各人各様あり過ぎる。時計道なる主流とは別の道を歩んでいる偉大過ぎる傍流だと思っている。
主流にはさらに、超絶コレクションのグランドマスター・チャイムやトゥールビヨンとミニットの合わせ技や、クロノグラフと永久カレンダーとミニットなんて組み合わせも或るわけだが、過去のアーカイブの分厚さで冒頭の二つが同ブランドの金字塔だと思っている。さらに言えば2015年6月の当店パテックコーナー開設以来、まだ販売が叶っていないながら、近未来的に商売が出来そうな可能性が有りそうなのもこれらであって、さらなる超絶系は販売出来るという予感が今現在は湧きそうにもない。
ところがこの両者にも格の違いがあって、永久カレンダー搭載クロノグラフには定価設定が有って販売用の店頭在庫品としてごく稀にご覧頂ける事もある。それに対してミニット・リピーターは時価の扱いで、厚みのある既存パテックコレクターからの発注をスイスのパテック社が審査し、ほぼ受注生産にて納品されるので店頭に売り物が並ぶ事は無い。ゆえに実機編記事は当店がミニットを受注・納品しなければ書きようが無い。今般機会を得て前者の実機編を綴るチャンスがやってきた。2020年は新型コロナ禍に明け暮れたぶっそうな年だったが、新年早々お年玉よろしく願ってもない幸運がやってきた。
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パテック社が永久カレンダー搭載クロノグラフを最初に発売したのが、スターン兄弟時代である1941年発表のRef.1518で、ムーブメントはバルジュー社製エボーシュを当時パテック社と強固な関係にあったヴィクトラン・ピゲ社が徹底的にチューニングしたもので、そのケース径は35mmしかなかった。現役の5270用自社ムーブメント径が32mmなので機械内部のパーツ密度は当時の方が高かった可能性がある。閏年や昼夜表示が当時は無かった事を差し引いても凄い技術力があったのだろう。現代と較べて工作機械や設備がかなり劣っていた環境で人的な技は上回っていたのかもしれない。
1518の総生産数は281個とされていて、1944年製のSSモデルが11,002,000スイスフランという腕時計落札の世界記録を2016年11月に達成している。このSSモデルは確認されている個体がたったの4個しかない稀少性が当時の日本円(同年平均レート110.39円)にして12億1450万円(ホンマかいな!)というとてつもない高額レコードを生み出したのだ。
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さてさて超人気モデルのノーチラスSS3針5711/1Aは今現在でこそとんでもないプレミア価格が2次マーケットで闊歩しているが、1リファレンス最大年産数1,000本以下というパテック社の社内ルールから推し量って、2006年デビューから14年間で恐らく1万本以上は生産されていると想像すれば、将来のアンティークとしての市場価値は非常に疑わしい気がする。個人的には生産数が限られるプラチナ製の今回の紹介モデル系統を購入したいが、先立つものが無いのと、同じベースキャリバー搭載でプラチナケース製の"素"の手巻クロノグラフを清水の舞台やら、東大寺二月堂などから10回ぐらい飛び降りて愛機にした経緯が有るので、多少持ち重なるという言い訳にて無理やり封印・納得する次第。
皆さん!子供・孫の為なら絶対コッチですよ。そしてゲットしたら一日も早い生産中止を祈る事です。愛機のプラチナクロノRef.5170Pはたった2年でディスコン、あぁ万歳!

閑話休題、アンリ・スターン時代初期の1951年にモデルチェンジしたRef.2499が同じくバルジュー製ムーブメントでリリースされた。生産数は349個。ケース径は37.5mmで、有名な落札記録は1987年製プラチナ素材の現存2点もので、長らくギタリストのエリック・クラプトン氏が愛用していた個体で2012年11月に3,443,000スイスフラン(同年平均レート85円で2億9265万円程)で高額落札されている。尚、残る1点はジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアムに所蔵されている。
現名誉会長フィリップ・スターン時代の1986年にはRef.3970がヌーヴェル・レマニア製ムーブメント CH 27-70 Qを搭載してケース径36mmで発表された。2004年迄製造されたが、生産数等の公表はされていない様だ。
2004年にはティエリー・スターンのマネジメントで後継機Ref.5970がムーブメント継続で発表された。ケース径は時代を映して少し大ぶりな40mmとされた。ティエリーが社長就任した2009年にはレマニア社からのムーブメント供給問題もあって同モデルは5年というやや短命で生産中止となった。
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2011年クロノグラフムーブメントの完全自社開発生産プロジェクトの総仕上げとして自社クロノグラフムーブメント第3段の手巻CH 29-535 PS Q搭載のRef.5270がケース径41mmWG素材で発表され現在に至っている。
スイス機械式時計の暗黒時代(1960年頃~1990年頃あくまで自説・・)にあっても生産数量を絞りながらもパテック社は永久カレンダー搭載クロノグラフというグランド・コンプリケーションを作り続けた。ところがミニット・リピーターやワールドタイム、トラベルタイム等の現行ラインの人気シリーズの生産記録がこの期間には殆ど見当たらない。個人的には細々ではあっても途切れずに生産が継続されつづけた事が、パテックにおける永久カレンダー搭載クロノグラフの位置付けを別格なものにしていると思っている。やっぱり、ほっ!欲しい!
2499はケースデザインや文字盤によって世代交代が有り、前述の1518と併せて両方で僅か630個しかない個体群に蘊蓄や夢やロマンなどが詰まった一大世界がある様だ。パテック フィリップ・マガジンの人気ページであるオークションニュースで出場回数が最も多いのがこの2モデルでは無いだろうか。たぶん一番追いかけられているアンティークパテックである様に思える。最初はこの両モデルについて詳細に調べ上げて書き連ねようと思ったが、アンティークやヴィンテージは門外漢なので上記の様な世俗的で気になるトピックスのみをご紹介し、以下は実機を子細に見てゆきたい。尚、永久カレンダー搭載クロノグラフの参考資料(2499以降)としてWeb Chronosの記事が面白い。
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好きな時計の撮影は何故か上手く撮れると言うジンクスは時として崩れる。実機からはオーラの様な凄みが放たれているが画像には全くそれが写し込めていない。特に文字盤カラーのヴィンテージローズっぽい色目がどうにも写ってくれない。現物はもっと発色があってオレンジとサーモンピンクの中間の様な絶妙な色目。因みにPPの公式カタログではダイアルカラーをゴールデン・オパーリンとしているが個人的にはけっこう違和感が有る。その他にも後述するが現物と違うのではないか、と思わせる色絡みの記述が少し有って、ひょっとして撮影した実機が微妙な仕様変更を受けているのかと疑ってしまった。尚、5270のデビュー当時2011年頃のダイアル外周部は外から秒インデックス、分インデックスの2重レール表示サークルだったが、現在は画像の様に秒と分サークルの間にタキメーターが入って3重のサークルとなっている。その為6時位置の日付表示サークルの視認性を確保するために分サークルとタキメーターサークルの一部が削られ、3時から9時までの植字インデックスも非常に小型化された結果、独特の進化を遂げた顔になった。また閏年と昼夜の表示をそれぞれ独立した窓表示とし視認性を向上させているが、これについては後程ムーブメントと絡めて説明したい。
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18金WG製の針と植字のインデックスは、ひとつ前の文字盤全体画像では全てマット調の黒仕立て・・に見える。とこらが直上画像では針に関しては全てがシルバーカラーの鏡面仕上げの様にも見える。公式カタログには確かに針表記としてBlackened leaf-shaped in white goldとあるのでPPJに確認をしたが、全針がブラック処理でありカタログ記載通りの仕様だった。実機を今一度見直したが、見れば見る程まるで白黒判然とせぬミステリアスで magic handとでも呼びたくなってしまった。また4・5時のピラミッド状の極小インデックスの左側面はシルバーっぽく見えるがこれも照明の反射によるものだ。この豆粒の様な小さいブラックインデックスはサイズ的には視認性が悪いが、ゴールデン・オパーリンの独特な文字盤カラーには非常に映えている。
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今回の撮像で一番ましなカットが上の一枚。伝統の逆ぞり(コンケーブ)ベゼルは初代の1518でも採用されている個体があり、2499ではお約束になっていたデザイン。段付きのラグも2499からの流れ。肩パッドの様なウイングレットラグはティエリー監修の5970からの採用。今回の撮影で初めて気づいたのがケースサイドの凸状の段仕様だ。四ヶ所のラグで分断されるがケース全周に渡って施されている。過去どのモデルからの意匠なのか知りたかったが、適当な参考画像が無く不明である。しかしいづれの特徴的意匠もパテックの永久カレンダー搭載クロノグラフのアイコン的デザインであり、ダイヤルの表現が仮に酷似していても他ブランドと見間違う事は無いだろう。
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段付きケースサイドの6時側にはプラチナ製パテックの証である一粒ダイアモンドが埋め込まれている。他モデルに比べて少し大ぶりな気がするが多分気のせいだろう。左側のおへそはムーンフェイズ調整用ボタン。
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背中姿の写りもショボいナァ。ほぼ全身が鏡面仕上げの中でクロノグラフのプッシュボタンの下面(上面も)のサテンフィニッシュが実に良いアクセントなのだが残念な画像からは伝わって来ません。
パテックはクロノグラフ・ムーブメントの自社化に際して、古典的なキャリングアーム(手巻と相性の良い水平クラッチ方式)の芸術的ともいえる見た目の美しさはそのままに数々の工夫を凝らして非常に進化した中身の濃いムーブメントを設計した。例を挙げるとスケルトン面の左半ばにある黒く円盤状のパテックのクロノグラフに特徴的なコラムホイールシャポー(帽子)の偏芯化。またクロノグラフ関連歯車の形状を一般的な三角歯からウルフティース(狼歯)と呼ばれるより噛み合いの良い形状にしたり、その歯数を増やして針飛びの影響を低減させている。また一般的な永久カレンダー機構では、うるう年の2月29日表示の為に4年で一周する48ヶ月カムが組込まれているが、この自社キャリバーでは1年で一周する12ヶ月カムにうるう年調整用の突起を設ける事で2月29日を表示している。
そんなこんな各種新設計がダイアル下部にスペースを生み出し、自社ムーブ以前のモデルでは3時と9時のインダイアルに同軸の針表示としていた閏年表示と24時間表示を4時半と7時半に独立した小窓表示にして、視認性を格段に向上させている。尚、窓表示化によって24時間表示は2色(白と)の昼夜表示に変更されている。
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カレンダー調整用のファンクション・ペンシルの金属部分はPTでは無くWG製。パテックのグランド・コンプリケーションカテゴリーに属す裏スケルトンモデル全て付属するソリッドなノーマルケース・バックは5270Pでは25グラム。ところで25グラムは、昨今のプラチナ地金買取価格は1グラム3,700円前後なので9万円強となる。ちなみに金は6,800円前後なので「なぜプラチナ製時計の方が高いのだ?」と言う疑問が湧く。ところで水は1㎤で1g、24金なら19.32g、プラチナ21.45g、銀10.5g、銅8.5g。この比重だけを較べると同じ体積の時計ケースの原材料費としては金の方が高くなりそうだが、時計の素材としての金は18金なので25%は銅や銀等の低比重の金属が混ざっていて、その比重は15~16g(合金比率で変化する)とされている。残念ながら18金の価格と言うのが良く解らないので乱暴だが6,800×75%=5,100円とし、18金の比重を仮に15.5gとすれば、プラチナは比重比で21.45÷15.5=約1.38倍、価格比では逆に3700÷5100=約0.73倍となる。両者を掛けて1.38×0.73=約1.0となるが実際には25%の銀や銅等の素材代が加わるのでプラチナケースの原材料代は少し18金よりは安価に思われる。ではなぜプラチナ時計は同モデル18金素材よりも高いのか。咋秋に発表された5270の18金YGモデルと較べて本作は約17%弱高額だ。これには両者の加工の難易度が大きく影響していると思われる。18金は非常に扱いが容易だが、プラチナは叩く(鍛造)、切る(切削)、磨く(研磨・仕上げ)と何をするのもやり辛くコストがかかる素材だ。
ところで思いついて手元の2000年のカタログで当時の永久カレンダー搭載クロノグラフRef.3970の両素材の価格比較をするとプラチナが約14%高額だった。そして当時の年平均プラチナ相場はグラムあたり1,963円。純金はたったの1,014円。前述の乱暴な18金換算で75%掛けなら760円。プラチナは約2.6倍もしていた事になる。つじつまが合わない話だ。これでは3970時代は圧倒的にプラチナがお得だった事になってしまう。いやはや困った事になってしまった。迷宮に入り込んで頭を抱えているのは「おまえだけだ!」という話かもしれないが・・
そこで5270Pの総重量を計ってみた。ソリッドの裏蓋も含めて153g。この中にはムーブメントやストラップ、上下のサファイアクリスタル等のケースとバックル以外の重量も含まれるので実際の素材の重さはもっと少ないはずだ。そもそも3970と5270の重さが違う。それらの誤差や様々な無茶を承知で両者を無理やり比較してみた。

名称未設定-1.gif繰り返しになるが、上図は相当に無理があると断ったうえで細かい金額はともかく四捨五入して2千万円クラスの超複雑腕時計の原材料費は、時代による相場変動が有ろうが上代の5%未満かもという事だ。ちなみに表の右端Rhは通常プラチナ製時計やジュエリーの表面にメッキされる白色金属のロジウムの価格。従来はWG製品にもメッキされる事が常であったが、昨今はメッキ無しで良好な白色にWGを仕上げるブランドが増えて来た。ちなみにパテックも大半のWGモデルでロジウムメッキを現在は施していない。このロジウム元々高価な金属だが最近高騰が著しい。非常に産出量が少なく、殆どが車両エンジンの排ガス処理の触媒として利用されている様だ。
実に乱暴な原材料費の分析だが、他素材に較べてプラチナモデルは生産数がかなり少なく、素材特性上の加工費が想像以上なのだろう。高騰するロジウムをメッキする手間も費用もかかるし、小粒ながら6時位置のケースサイドにはダイアも埋め込まねばならぬし・・
少しプラチナウォッチの値付け解析が長くなり、無理やり納得した部分も有るがともかく昔も今も貴重で高価な"パンドラの箱!"という事にしておこう。
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ケース厚は12.4mm。ベースキャリバー CH 29-535 PSの5.35mmに僅か1.65mmしかない永久カレンダー・モジュールを乗せてムーブ厚合計は7mmに仕上がっている。さてこのサイズ感は他ブランドと比較してどうだろうか。

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手巻かつ現行モデルに限って探してみたが、上記以外オーデマピゲやブレゲ等にもありそうだったが見当たらなかった。サイズ的には各ブランドよく似たものだがムーブ径はヴァシュロンに譲るが、その他はパテックが微妙に優っている。ランゲにはパワーリザーブが搭載されるが、24時間表示ないし昼夜表示はパテックしか採用していない。尚、画像も含め検索結果ではほぼパテックの独壇場で、このジャンルに於いての王者の位置付けは盤石である。
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プラチナ製のフォールドオーバークラスプ。カラトラバ十字部分を押さえて装着するが、真上からまっすぐ下に押すのではなく若干斜め(画像では右から左側の方向)に押すのが正解。敢えてまっすぐにしていないのは、カラトラバ十字のロウ付け部4ヶ所が真上からの圧力での抜け落ちる事を予防する為である。尚、斜め度合いにはかなり個体差が有る。同形式のクラスプをご愛用のオーナー様はご参考頂ければ幸いである。
手巻永久カレンダー搭載クロノグラフは1941年のシリーズ生産初代から様々な素材で生産されているが、18金の王道であるイエローゴールドが当然主流であった。5270に於いてはWG、RG、PTの順で発表され主流YGを欠いていたが昨2020年秋に待望のYG素材モデルが追加されたのは喜ばしいニュースだ。

Ref.5270P-001
ケース径:41mm ケース厚:12.4mm ラグ×美錠幅:21×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:PTRGYG
文字盤:ゴールデン・オパーリン ブラック仕上げ18金WG植字アラビアインデックス
裏蓋: サファイヤクリスタル・バック(工場出荷時)と通常のソリッド・ケースバックが付属
針:ブラック仕上げの18金WG時分針
ストラップ:シャイニ―(艶有)・チョコレートブラウン手縫い・アリゲーター 
バックル:PTフォールデイング(Fold-over-clasp)
価格:お問い合わせください

Caliber CH 29-535 PS Q:手巻永久カレンダー搭載クロノグラフ
直径:32mm 厚み:7mm 部品点数:456個 石数:33個
パワーリザーブ:最大65時間(クロノグラフ非作動時)最小55時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:ブレゲ巻上ヒゲ
振動数:28,800振動
※古典的なブレゲ巻上げ髭ゼンマイは、現代パテックでは採用が非常に少なく稀少な仕様。単なるノスタルジックかもしれないが、何となく保有する楽しみが有る様な・・ターボじゃなくてキャブレター仕様の自然吸気と言えば良いのか。

PATEK PHILIPPE INTERNATONAL MAGAZINE Vol.Ⅱ No.05 Vol.Ⅲ No.8 Vol.Ⅳ No.03,05
COLLECTING PATEK PHILIPPE WRIST WATCHES Vol.Ⅱ(Osvaldo Patrizzi他)
文責、撮影:乾 画像修正:藤本


前回記事のノーチラス永久カレンダーと同様に2018新作で納期が遅れ気味で入荷が悪かった年次カレンダーの新色文字盤モデルRef.5205G。文字盤上半分に円弧形で3個の窓表示(aperture:アパーチャー)のカレンダーディスプレイがレイアウトされた独特な年次カレンダースタイルの初出は2010年。
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1996年に年次カレンダーファーストモデルが永久カレンダーの省略版ではなく、全く新しい歯車で構成する設計で開発された経緯は何度も紹介してきた。その進化系として針表示からよりトルクの必要なディスク表示によるダブルギッシェ(文字盤センター直上に左右隣接窓)スタイルのRef.5396が2006年に年次カレンダーの次男として追加リリースされた。ダブルギッシェレイアウトは1940年代から約40年間に渡って、永久カレンダーの代表的な顔として採用され続けたパテックの看板スターのマスクだ。その偉大なレジェンドを現代パテックの実用時計最前線に投入してきた事にパテック社の年次カレンダーに掛ける本気度合いを思い知らされた。

第3世代の5205のダイアルレイアウトでは、大きな窓枠が用いられる事で視認性がさらに高められた。またケース形状も大胆なコンケーブ(逆ぞり)ベゼルが表裏とも採用され、4本のラグには大胆な貫通穴が穿たれており、すこぶるモダンでスタイリッシュな3男が登場したわけだ。この斬新なケースデザインは、2006年の自社開発クロノグラフムーブメント第2弾CH 28-520 IRM QA 24Hを搭載して登場し、一躍人気モデルになったRef.5960Pにそのルーツを持つ。以降パテックコレクションの革新的なモデルに次々と採用され続けているアバンギャルドなフォルムだ。
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画像は2015年撮影分(5205G-010)流用。
実はこのブルー・ブラック・グラデーションという文字盤カラーに極めて近いダイアルカラーを持つモデルがある。残念ながら今年生産中止発表されたプラチナ製手巻クロノグラフRef.5170P。2017年に発表され個人的に大好きなこのモデルの文字盤色(日本語表記:ブラック・グラデーションのブルー・ソレイユ、英語表記では同一)と同じだろうという事で、昨年の発表時には大きすぎる期待を持ってバーゼルでの出会いを楽しみにしていた。履歴書や釣書(今や死語か)の写真でもよくある事ながら期待過剰で現物と対面すると今一つピンと来ない事が多い。この5205Gも同様で、実は対面後の個人的評価はあまり芳しい物ではなかった。恐らくバーインデックス内側の極細に抉られた円周サークルで内と外が分断される事で、面積的に5170Pのように濃青から黒色へのグラデーションがリニアに感じられないからだと思う。

この事は昨年夏の当店展示会で再開した展示サンプルでも、ほぼ同様の感触を得ていた。ところが改めて実機を撮影するために、じっくり眺めなおしてみると結構いい色なのである。一枚目の画像は結構にグラデーションが出た写り方なのだが、むしろグラデをさほど意識せずに単純なモノトーンカラーとして見た時に実に秀逸で高貴な濃紺の文字盤である事に改めて気づかされた。
従来機の文字盤チェンジモデルなのに入荷スピードが今一芳しく無かった要因は、文字盤供給だとしか思えない。たしかグラデーションを表現する吹付塗装はすこぶる微妙な手作業と聞いた。歩留まりも非常に悪いのだろう。


この時計敢えて欠点を言えば、少しスタイリッシュに過ぎる文字盤が、結構ファッションスタイルを絞り込んでしまう事かもしれない。フォーマル過ぎず、カジュアル過ぎずのスーツスタイルが基本。でも白シャツに濃紺スーツというビジネスシーンでの普遍にして王道に、これ以上心強い相棒はいないだろう。

Ref.5205G-013 年次カレンダー
ケース径:40.0mm ケース厚:11.36mm ラグ×美錠幅:20×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:WGRG別ダイアル有
文字盤:ブルー ・ブラック・グラデーション、ゴールド植字インデックス
ストラップ:ブリリアント(艶有)・ブラック アリゲーター 
バックル:フォールディング(Fold-over-clasp)
価格、在庫:お問い合わせください


搭載キャリバーは21金フルローターを採用したパテックを代表する自動巻きCal.324に年次カレンダーモジュールを組込んでいる。
カレンダー系の操作は禁止時間帯等あって気を使うが、パテックの場合は殆どの物が午前6時(例外あり)に時刻を合わせてプッシュ操作を行う。ムーンフェイズはいつもネット検索して確認していたが、パテックHP内にある確認ページが結構便利である。
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Caliber 324 S QA LU 24H/206

直径:32.6mm 厚み:5.78mm 部品点数:356個 石数:34個 受け:10枚 
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動 
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
PATEK PHILIPPE 公式ページ

撮影、文責:乾

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ノーチラスの撮影はいつも簡単。ほんとに早い。ケースとブレスにサテン仕上げが多くて映り込みが非常に少ない。文字盤も微妙にマット調の仕上がりなので何も工夫せずともしっとりと美しく写ってくれる。上の画像も下の少し寄り気味にしてダイアルのグラデーションを少し表現したカットも埃の除去以外は、全く画像修正をしていない。もちろん時計そのものが抜群に美しく、素晴らしいブルーカラーがあってこそなのは言うまでもない。ちなみに画像中央下部の青い奇妙な映り込みはバックルの保護シール。

パテック社の期初は2月からなので今期の初荷が、待ちに待ったノーチラスの永久カレンダーだったのは何とも喜ばしい。本来は昨年のニューモデルなので、前期末の1月末までに入荷予定だった。しかし入荷状況が非常に悪いとはPPJからは聞いていたので、ご注文者様にもしばしのご辛抱をお願いしていた。結果的には10日程度の納期遅れでの入荷となった。
ところが残り物には副が有るようで、このたったの数日の遅れには小さなサプライズが付いてきた。チョッと此処には書けないが、店頭でならお相手次第ではお話出来るかも。
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このモデルの遺伝子は3年前のノーチラス発売40周年に当たる2016年に記念限定でリリースされた2モデル。すなわちWG素材でジャンボサイズが採用されたフライバッククロノグラフRef5976Gとノーマルサイズでプラチナ素材の3針モデルRef.5711/1Pの両モデルと全く同一な文字盤色となっている。上の画像では人気のSSノーチラス5711と5712のブラックブルーダイアル程ではないがブルーの濃淡がハイライトとシャドウに浮いて出ており魅惑的な表情を見せている。
さて複雑機能を備えている事とWGでの同一素材という点で今回の永久カレンダーモデルは、3年前の限定クロノグラフモデルにより近しいと言える。しかしながら決定的に違うのはそのケースサイズである。クロノグラフはセンターローター自動巻機構と垂直クラッチ方式でクロノグラフへトルクを伝達するスタイルが採用された厚み(6.63mm)のあるCal.CH28-520が搭載された。結果ケースの厚みも12.16mmとノーチラスでは最厚に近い厚みが有った。さらに定番のクロノグラフ5980系が機能付きノーチラスの主要サイズである40.5mmに収まっているのに、敢えて44mmというジャンボサイズにアップサイジングされた。かくして312グラムという筋トレにも使えそうなヘビー級の時計が出来上がった。これに対して5740はグランドコンプリケーションにもかかわらず40mm径というシンプル系ノーチラスと同サイズが採用された。さらに驚くのはその厚みで、シリーズ最薄モデルの3針5711にたった0.12mm加えただけの8.42mmに仕上げられている。これは従来の永久カレンダーモデルにも多用されている極薄ベースキャリバーCal.240の貢献が大きい。この22金のマイクロローター方式の名キャリバーの設計は1977年にまで遡り、40年以上もパテックコレクションの主要エンジンとして現役バリバリである。パテックムーブメントには本当に長寿命のものが多い。

このCal.240ベースの永久カレンダームーブは通常ケースサイドにあるコレクターと呼ばれるプッシュボタンで各カレンダーの調整を行う。下図の左が従来のラウンドケースの永久カレンダー。四か所にプッシュボタンA~Dがあるが、C,Dのボタンは曜日と日付ディスクの直近にあってアクセスが非常に良さそうだ。A,Bは対応する日付と月・閏年ディスクから離れてはいるがプッシュボタンを押す方向はムーブメント内側に向かっている。
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右のノーチラスケースではその独特なケース形状から9時位置の曜日調整のCボタン以外の三つのボタンは、ブレスレットの付け根付近にリプレースされている。さらにBボタンの矢印のようにあくまでプッシュ方向はケース面に垂直にせざるを得ないのでムーブメントの外縁辺りしかアクセスしえない。パテックはこれを解決するために直線的にディスクへ直接アクセスするのではなく、途中で方向転換する為の特殊な伝達機構を設けてこの問題を解決したようだ。恐らくこのニューモデルの納期が、遅れ気味になったのはこの調整部分の作りこみに手間と時間を取られたのではないかと思っている。
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左が9時側、右がリューズ側のケースサイドビュー。コレクタープッシュボタン位置とケースとブレスレットの薄さに注目。3針モデルの5711/1Aと見た目に違いが無い。ちなみに同じベースキャリバーCal.240にパワーリザーブとムーンフェイズを乗せた人気モデルの"5712通称プチコン"のケース厚は8.52mm。カムやらレバーやらメカメカしい大道具が詰め込まれたモジュールが組み込まれた永久カレンダーの方が僅かながら0.1mmケース上で薄く仕上がっているのが凄い。さらに言えば現行のパテックフィリップ永久カレンダーラインナップで最薄モデルである。今年生産中止が発表されたクッションケースのRef.5940の8.48mmがそれまでのチャンピオンだったが、僅かながらそれを凌いでいる。スポーティなスタイリングや防水仕様から何となく骨太で厚みもありそうな印象をノーチラスは漂わせているが、ジェンタ考案の耳付き構造ケースは薄いムーブを究極に追い込んで包み込んでしまうようだ。
さて、一昨年(たぶん)迄はパテックの永久カレンダーには通常モデルのコレクションボックスではない少し大きめのワインダー内蔵タイプのボックスが用意されていた。昨年度からはこのボックス型ではない専用の独立したワインダー(SELF-WINDER CYLINDER)が用意されるようになった。
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交流電源ではなく単4リチウム/アルカリ電池を4本内蔵しておりその寿命は2500時間。フルローター自動巻キャリバー324ベースの永久カレンダーでは一日当たり960回転でおよそ2年で電池交換。巻き上げ効率で多少劣るマイクロローターのCal.240とR27ベースの場合は1日に1440回転となっているので、記載は無いが一年半という事になるのか。尚、出荷段階のデフォルト設定は1440回転で、本体のスイッチはスタートのオンオフだけしかできない。324ベースキャリバー用の960回転への設定変更は、スマートフォンにAPPまたはグーグルプレイから"PP Cilinder"のアプリをダウンロードし、ブルートゥースを介して操作することになる。個人的には何で此処だけ急にデジタルチックにするのかが不可解である。単純に切り替えスイッチ一個で済ませば良いのに・・まあ個人所有のスマホには既にアプリはダウンロード済みではあります。いやいや、永久カレンダーは持っていません。あくまでお客様サポート用です。

今回はご購入のお客様のご了解を得て、実機撮影が叶い記事も書けた。本当に感謝しております。ありがとうございました。
尚、かなりの高額商品にも関わらず顧客様のウエイティングがそこそこ有って、ご新規様の新たなご予約は困難な状況です。ご販売を必ずしもお約束出来ないご登録は店頭でのみ受けております。悪しからずご了承ください。

Ref.5740/1Gー001 自動巻永久カレンダー
ケース径:40mm ケース厚:8.42mm(永久カレンダーラインナップ中最薄、2019年2月時点) 
防水:60m 重量:205g
ケースバリエーション:WGのみ 
文字盤: ブルー サンバースト 蓄光塗料塗布のゴールド植字インデックス
バックル:ニュータイプ両観音クラスプ
裏蓋:サファイアクリスタルバック ※ノーマルケースバックは付属しません。
付属:セルフ-ワインダー シリンダ―(自動巻き上げ機)
価格:お問い合わせください

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肉眼だと
並べなければステンレスとの色目の違いが解りづらいが、画像撮影すると結構な黄味を帯びていることがわかる。個人的にはステンレスやプラチナのピュアな銀色と違って温かみがある色だと思っている。永久カレンダー機構は総て文字盤側に組まれているので、スケルトンバックから望むのはCal.240の見慣れた後ろ姿だ。

Caliber 240 Q 

直径:27.5mm 厚み:3.88mm 部品点数:275個 石数:27個 受けの枚数:8枚
パワーリザーブ:最低38-最長48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動 
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)

撮影、文責:乾

インスタグラムアカウントinstagram作成しました。投稿はかなりゆっくりですが・・

今年も残りわずか。一体いくつ記事が書けるのか?いつもは枯渇気味のネタが珍しくある。11月に客注品がまとめて入ってきたお陰で新製品で2本は書けるし、些末な事ながら自身の5396R年次カレンダーのストラップ&バックル交換という小ネタもある。無いのは気力と時間。手つかずの年賀状も気が重いけどお歳暮は済ませた事だし、まあやれるとこまでやりますか。
今年は新作が寡作でメンズ8型、レディス3型。そのメンズもゴールデンイリプスのプラチナはたった100本限定の激レアだったのでレギュラー的なニューモデルはわずか7型しかなかった。ところがどっこい、寡作にして珠玉品度合いが高くその密度は大層に濃厚であった。特にノーチラス初の永久カレンダーとアクアノート初のクロノグラフには本当に多くの方からお声を掛けていただいた。
このうちノーチラス永久は相当に入荷状況が悪いらしく既に日本入荷の実績はあるもののコンスタントとは言えないらしい。今期末の来年1月末が迫る中、かなりのバックオーダーを残しつつもスイスパテック社から次年度への明確なキャリーオーバー(持ち越し)宣言は未だ無いとの事なので、ここは残り僅かの日々を気短に待つしかない。

と言う訳で、今回ご紹介は先に入荷してきた人気のニューモデル5968A-001アクアノート ジャンボ フライバッククロノグラフ。
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サイズは大きく通称"JUMBO"と言われるジャンボサイズの42.2mmである。これは昨年発表されて話題の人気モデルRef.5168G-001と同サイズなのだが、各ブランドのケース径拡大化戦略によって、今日ではメンズの普通サイズである。逆に言えば従来のアクアノートレギュラーサイズ40.8mmがスポーツラグジュアリーウオッチのジャンルにおいてはやや小ぶりと捉えたほうがコンテンポラリーな認識と言えよう。
男女関係同様に顔の好き嫌いはしっかりあるフェイスだろう。いわゆる灰汁のの強い顔立ちで「一目惚れ系」のご尊顔(おっと!殺しちゃいけない・・けど、悩殺される色気が漂うのだナァ~)ダークグレーにフラッシュオレンジの差し色は、漆黒のチャイナドレスのスリットからチラリと覗くセクシーダイナマイト(古っ!)な怪しい蝋蜜の太腿のようである。まだトロピカルラバーが出荷設定の黒はチラリズムの世界に収まっているが、付属のオレンジはいけない。危ない。やばい。やりすぎやでお嬢ちゃん!ナイスバディのくびれ全開のビキニ状態やん。
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今回お買い上げのお客様のご希望でオレンジストラップにチェンジして納品をさせて頂いたが、このストラップチェンジはバネ棒位置が結構深めで、それなりの工具と経験が必要である。全国の正規販売店にはパテック社からは必要工具セット(多分自費購入すれば数十万円はしそう)が貸与されているのだが、不思議なことにこの作業用の工具が含まれていない。当店ではブライトリングから購入した専用工具(ベルジョン製でブランド名入り)で対応した。お客様の撮影許可も頂けたので黒とオレンジ両色での撮像が可能となった。
このモデルはパテックには珍しく個性がバリバリに強く押し出されている。好き嫌いがはっきり別れる時計であろう。でも、惚れた人にはたまらんのやろなァ~
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尚、スペアストラップ入れは従来通りのものが付属されている。

バックルは新型である。従来はS字というかZ字状のスタイルであったが左右対称のカラトラバ十字がデザインされたニュータイプが採用されている。
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バックルセンターのPATEK PHILIPPEロゴマークの左右上下に4か所の短い凸状の突起があって、ここが両サイドの両観音バックル部の凹部(下画像の青丸部)に噛み合って閉まる構造である。外す際はPPロゴ上下の長方形ボタン?を両側から抓むことでリリースされる。
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ストラップ繋がりでバックル解説へと枝葉末節気味の紹介となってしまった。心臓部分のムーブメント紹介へと話を本筋に戻したい。と言ってもこのキャリバーは初出ではなく2006年1月にクロノグラフキャリバー自社一貫設計開発製造計画の一環としてフライバッククロノグラフ年次カレンダーRef.5960Pに積まれたのが源流である。同年の10月にはノーチラス初のクロノグラフモデルRef.5980/1Aに年次カレンダーモジュールとパワーリザーブを盛り込まないシンプルなフライバッククロノキャリバーCal.CH28-520 C系として初搭載されたエンジンが、12年の実績を経て今回のモデルにも採用されている。キャリバーの詳細はコチラの過去記事よりご覧いただきたい。

Ref.5968A-001
ケース径:42.2mm(10-4時方向)ケース厚:11.9mm ラグ×美錠幅:22×18mm
防水:120m ねじ込みリューズ仕様
ケースバリエーション:SSのみ 
文字盤:ブラックエンボス 蓄光塗料付ゴールド植字インデックス
針:時分針18金WG製、クロノグラフ秒針及び60分針はいづれも真鍮製
ストラップ:ブラックコンポジット《トロピカル》ストラップ(ラバー)
オレンジコンポジット《トロピカル》ストラップ(ラバー)が付属
アクアノート フォールドオーバー クラスプ付き
コレクタープッシュピン:黒檀と18金WG製

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Caliber CH 28-520 C/528 フルローター自動巻フライバッククロノグラフムーブメント
コラムホイール、垂直クラッチ採用
直径:30mm 厚み:6.63mm(ベースキャリバー5.2mm、カレンダーモジュール1.43mm)
部品点数:308個 石数:32個 
パワーリザーブ:最低45時間-最長55時間(クロノグラフ作動時とも)
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)DRIE製法による

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振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
価格:お問い合わせください。

PATEK PHILIPPE 公式ページ
 

文責、撮影、画像レタッチ:乾

在庫状況:お問い合わせ下さい。かなり・・・ですが




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パテック フィリップは同一デザインのペアウオッチと言うのが非常に少ないブランドだ。2015年度まではカラトラバのクルドパリベゼルが特徴的な手巻メンズRef.5119をダウンサイジングしたレディスRef.7119というズバリのペアモデルが存在した。そしてここ2年はカップルモデル根絶状態だったが、今年想像もしなかったペアウオッチの提案がなされた。
2015年に発表され、良くも悪くもパテックらしからぬ風貌でバーゼルワールドで最も話題を振りまいたWGのカラトラバ・パイロット・トラベルタイムRef.5524。賛否両論があったこのモデルは結局大人気となり今現在も品不足が続いている。このユニークなコンプリケーションにRGケースが追加素材として今年のバーゼルで発表された。特筆すべきは4.5mmサイズダウンされたパートナーとなるレディスモデルを伴っていたことだ。厳密に言えばローズゴールドの色目がレディスの方が微妙に赤く仕上げられているのだが見た目殆ど判らない。
さて、コンプリケーションとしてのトラベルタイムの歴史は既に60年近く有り、初出は1959年でジュネーブの天才時計師ルイ・コティエ氏が考案しパテックが特許取得した画期的でシンプルで操作性に優れたGMT機構。当時は1950年代に実用化が進んだジェット旅客機が一般化していった時代であり、裕福層旅行者に各ブランドからトラベル用腕時計の提案がなされていた。1957年ロレックスGMTマスター、1958年ブライトリングトランスオーシャン等が有名だが、単純な回転ベゼル機能やデザイン上でのイメージ訴求に過ぎなかった。その点においてパテックのトラベルタイム機構は画期的であったと思われる。1960年代後半から1990年代半ばまではトラベルタイムは殆ど生産されなかったようだが、スイス機械式時計の復活と共に再生産されるようになった。驚くのは初出の頃のシステムを殆どいじる事なしに現代に充分通用している事だ。
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5524カラトラバ・パイロット・トラベルタイムの詳細はホワイトゴールド5524Gの過去記事をご覧頂くとして、従来のトラベルタイムから工夫されているのがローカルタイムを1時間ずつ進みまたは遅らせるプッシュボタンのロック機構である。従来機のアクアノート・トラベルタイム等はこのプッシャー部が大振りである事もあって、時計の脱着時に意図せず押されてしまった結果の時間ずれトラブルがあった。5524ではねじ込みではないが90度回転のロック機構が備わりこのトラブルが解消されている。
顔はパイロット(アビエーション)と言うよりもミリタリー調で、スーパールミノバ(夜光塗料)がタップリと盛られた個性的なアラビアインデックスと太く武骨な時分針が抜群の視認性を生んでいる。6時側サークルの指針制カレンダーも大きくて読み取り易い。日付の調整はリューズでは無くケース外周の6時半辺りにあるコレクター(プッシュボタン)でおこなう。3時9時に振り分けられたホームとローカルタイムの表示窓はさりげない大きさながら文字盤色とのカラーコントラストで判別は容易だ。パテックのコレクションには珍しいカーフ素材のストラップは武骨すぎる事がない絶妙な太さの白いステッチが粗野にならない程度に適度なミリタリー感を醸している。文字盤はホワイトゴールド版の艶消しの均一な仕上げの濃い青とは対照的にセンターからダイアル外周に向かって濃茶にグラデーションする艶有の仕上げでローズゴールドケースの赤味と合わさってしっかり色気がある。両者の価格は同じながら好き嫌いは別にして明らかに高級感はローズにあるように思う。
尚、サイズ違いのペアになるレディースモデルに分類される7234Rは、ケースサイズは異なれども機械は全く同じCal.324が搭載されて約10%もお買い得である。外径37.5mmは小ぶり好みの日本人男性なら充分検討の余地があるサイスだと思う。

Ref.5524R-001 カラトラバ パイロット トラベルタイム
ケース径:42mm(10-4時方向)ケース厚:10.78mm ラグ×美錠幅:21×18mm 防水:30m 
ケースバリエーション:RG, WG 
文字盤:ブラウン サンバースト、ブラックグラデーテッド 夜光塗料付ゴールド植字インデックス
ストラップ:ヴィンテージ ブラウン カーフレザー クレビスプロングバックル付き 
価格:お問合せ下さい

Caliber 324 SC FUS

直径:31.0mm 厚み:4.9mm 部品点数:294個 石数:29個
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動 拘束角51°
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責:乾

在庫:お問合せ下さい




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ご無沙汰ブログとなってしまった。先日入荷した本年新作の色気ムンムンのローズゴールドケースのゴールデンイリプス。古くから建築物等に採用されてきた完成されたプロポーションである黄金比率に則ってケースデザインがなされたオリジナルイリプスRef.3546は1968年の発表。天地32mm✖左右27mmのかなり小ぶりなケースは当時としてはごく普通だった。ちなみに現行モデルは39.5mm✖34.5mmと20%以上大きくなっている。今春生産中止となったやや小ぶりなRef.3738ですら約10%大きかった。手巻ムーブCal.23-300が積まれたファーストイリプスのケース厚は判然としないがムーブメント厚たった3mmからして薄型であったことは間違いないと思う。現行モデルのRef.5738は極薄自動巻Cal.240搭載でパテックの現行ラインナップ中最薄ケース厚5.9mmを誇っている。さすがにこの薄さで裏スケルトンは厳しいのか希少なノーマルケースバックが採用されている。
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※画像はシールが貼られたサンプルを撮影
ちなみに現行モデル(レディスクォーツモデル除く)でノーマルケースバックはイリプス5738と手巻カラトラバ5196のたった2型のみである。そしてこの両者の金属製裏蓋は見事なまでそっけない。イリプスが縦筋目サテン、5196が鏡面で表面仕上されているのみで文字や数字、紋章等の意匠などが全く無い。知る限りではあるがグランドコンプリケーションの裏スケルトン仕様の永久カレンダー等に付属するノーマルケースバックもそっけない縦目サテンで無装飾。婦人クォーツの裏蓋も同様である。普通現代時計でノーマルな裏蓋にはどちらのブランドも何らかの装飾を施す事が殆どである。むしろエングレーブが深すぎたり、でっぱりが有って着用時に腕廻りに跡形がついてしまうような物も結構ある。装着感上は無装飾な方が良いので、この点でもパテックは実用性を優先しているのかもしれない。その点では実用性を最優先させているロレックスの裏蓋も手首に触れる部分が円形の筋目サテンのみになっている。
尚、これまでコバルト照射に由来するブルー サンバースト カラー文字盤のみに採用されていた18金素材のダイアルがこの黒文字盤には使用されている。現行のプラチナも含めイリプスは全てゴールドダイアルとされた。
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冒頭でも触れた薄いケースサイドの画像。このニューモデルで従来のイリプスには無かった新たな仕様が加わった。リューズの頭にカボションのブラックオニキスがジェムセットされている。今年イリプスで唯一の継続モデルとなったプラチナの5738も含め見られなかった仕様。カタログを繰る限りではメンズコレクションでリューズジェムセットはこのモデルのみとなっている。たったこれだけの装飾ながらこの時計の色気度合いをグッと引き上げている。さらに同時発表された別売のカフリンクスを併せれば完璧なフォーマルが決められるだろう。
この時計はパテックには珍しくチョッとつける人を選んでしまう大人の男専科だと思う。

Ref.5738R-001
ケースサイズ:横34.5mm✖縦39.5mm ケース厚:5.9mm ラグ×美錠幅:21×15mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:RGの他、PT有り 
文字盤:エボニー ブラック サンバースト 18金植字インデックス 18金製文字盤
ストラップ:シャイニー(艶有) ブラック アリゲーター

Caliber 240

直径:27.5mm 厚み:2.53mm 部品点数:161個 石数:27個
パワーリザーブ:最低48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)

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2018年9月27日現在 在庫についてはお問合せ下さい。

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今春から始めたインスタグラム。これも忙しさにかまけていると投稿が滞りすぐ忘却されそうになる。人材募集に応募してくれる若い人が勤務初日からみんな結構いい感じで記事をUPしてくれるのだが中々長続きせず寸暇を惜しんでやる羽目になっている。
それでもノイズレベルに過ぎないヨチヨチインスタを見て大阪からわざわざ近鉄電車と徒歩でやってきた中国と韓国の国際結婚カップルが当店初のパテックのインバウンド販売となったのだから馬鹿に出来ない。ちなみにインバウンドは英語らしいが彼らには全く通じなかった。

さて、前回に引き続き新製品ネタながら一般にはあまり取り上げられないレアハンドクラフトという手作業による伝統的な装飾が施された時計達を紹介したい。
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この4点は全てミニットリピーターでオフィシャルページ上の動画にも全く登場しない為に現場に足を運ばないと絶対に見られない代物。左2点はクロワゾネ(有線七宝)、右2点は手動の機械を用いて彫られた規則性のある同心円状のエングレーブの上から釉薬を掛けたフランケと呼ばれる技法。さらに花と枝の部分は木象嵌も使われているようだ。素材確認は失念したが時価価格は恐らく5000万円以上はするだろう。右2点はもっとする。
今画像を見直して興味深いのは針のポジション。普通パテックのサンプルピースは、10時10分に針止めがお約束なのに見事にバラバラである。右2枚を見れば描かれたモチーフに合わせているという訳でもなさそうだ。ひょっとしたら針止めをしていない実機なのかもしれない。
下の左2枚は動画でも紹介されているクロワゾネのポンテベッキオ橋(レディスとメンズモデル)。右は木象嵌のゴールドフィンチ(ごしきひわ)。右端はその象嵌に使用される着色木片の微細なパーツ。
RHC_800.png
ポンテベッキオ橋の2枚はアルノの川面の色とブランドロゴカラーが決定的に替えてあるが、その他はほぼ同じ色目で仕上げてある。これらも針のポジションの統一感は無い。木象嵌は右の破片をジグソーパズルのようにはめ込んでゆくのだろうが、あまりにも細かすぎて工程が想像できない。
全て視認性を上げるために、ムーブメントは秒針省略の二針仕様がお得意なマイクロローター採用の極薄自動巻Cal.240が積まれる。価格は採用技法で異なるだろうが、この木象嵌で1200~1400万円程度らしい。同じムーブを積むシンプルカラトラバのRef.6006Gが税別334万円なのでハンドクラフトだけで1000万円前後と言う事になる。かなり高い気がするが、パテック社の内製ではなく今や本当に少なくなった個人職人への外注なので致し方無いのだろう。ちなみにこの辺りの作品の製造個数は数点から数十点のユニークピース。注文を出しても来ることもあれば来ない事もあるらしい。購入する店を絞って、ストーリー性に富んだ購入実績を相当重ねて、初めて購買の可能性が出てくるらしい。正直明確な基準が良く分からない。

これらのユニークで工芸色豊かな特殊時計がすべてのパテックファンに人気があるわけではない。正直なところ機械式時計に加えて絵画や陶芸方面に趣味の有る方でないと飛びつかれると言う事は無い。実際腕にするというよりは鑑賞用であり、ずっと将来にその希少性ゆえ資産価値を生む可能性はありそうだ。
お好きな方どうですか?とお勧めしたくとも分厚いご購入実績という高いハードルがあるので、今の所は当店が販売する可能性は限りなく薄い。でも、いつかは売りたいなァ・・

文責:乾

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スイスからは火曜日27日に帰国した。興奮冷めやらぬと言うほど豊作では無かったが、各ブランド共手堅く冒険はあまりせずという2018だった。出発前にインプレッションを書いたパテック フィリップニューモデル。実機を初見して、想像通りも多かったが意外なりも結構あった。年々物忘れが酷くなる一方なのでとっとと書き上げてしまおう。
個人的に好きでコレクションしたい(金額は無視)のがプラチナケースの永久カレンダークロノグラフRef.5270P。今年の一押しモデルだ。あくまで個人的にデス。
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2017年時点でローズゴールドのストラップのみになっていた5270。2016年まではWG(白と青の2文字盤)があったので一年ぶりに銀色のケースが復活したのだけど、いかにもパテックなヴィンテージローズカラーに正体ゴシック文字のアラビアインデックス(恐らくWG?)と針が酸化処理のマットブラックへと化粧仕上げされており、ため息が出るくらい美しい。実を言うとこれまでの5270はWGもRGもあまり個人的には趣味で無かった。今年黒文字盤のメタルブレス仕様でリリースされた新しいRGもその意味では同じだ。でもプラチナは何故か全く新しいリファレンスの印象が強い。
今年の撮影は悩みに悩んだが、結局新規購入したミラーレス一眼SONY α5100に単焦点マクロレンズ(E3.5/30)をミニ三脚を使わず手持ちでサンプル実機撮影とした。ズームレンズなら三脚を使って絞り込んでスローシャッターにするがズーム無しの単焦点レンズなので手でカメラをズーミングするしかなかった。ただ単焦点は描写力がズームをかなり上回る・・と思う。具体的な撮影条件はシャッタースピード優先モード1/80秒 絞りオート ISO/5000 ホワイトバランスは各ブランドの商談テーブル上でマニュアルセットした。
難儀なのはブース廻りやショーケース内に展示されている時計や、バーゼル会場のイメージカットを撮るときに、その都度レンズ交換なんてしてられないので、全てフルオートのiPhone7に任せた。
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コチラがiPhone7画像。敢えて生画像で一切お触りなしとした。ガラス越しの実機まで30cm以上はあるので、かなりアップして撮っている。よくもあんな、けな気なレンズでここまで撮れるとは凄いノゥ。
次に各バイヤーから人気が高かったモデルとしてアクアノートの初クロノ、それもフライバッククロノグラフムーブCH28-520Cを搭載したRef.5968A-001。ステンレスアクアのコンプリ系には既にトラベルタイムRef.5164Aあるが、フライバッククロノにエンジンを積み替えたスポーツウオッチが誕生した。色んなインスタ等でオレンジカラーのラバーストラップバージョンが時折出ており、セットなのか、別売なのか、今まで無かった提案で現場に行くまで把握できなかった。この時計の工場出荷時のストラップはブラックでオレンジは付属セットとなっている。但し、注文でスイス入荷待ちの場合にオレンジが希望であれば、黒が予備となって入荷するらしい。確かに売れそうな顔をしております。現物が想像以上に良かった。
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賛否両論がありそうなノーチラス初の永久カレンダーRef.5740/1G-001。そもそもノーチのホワイトゴールドブレスは珍しい。現行モデルでは5719/1Gという全身にダイアを纏った特殊モデルのみである。一昨年にはシリーズ発売40周年記念として1300本の限定モデルとしてWGブレスの大振りサイズでフライバッククロノRef.5976/1Gが出たのみだ。
ノーチのグランドコンプリケーション(永久カレンダー以上の複雑時計)というのも多分初めてのはず。この時計相当に薄い。ケース厚たったの8.42mmしかない。比較されそうなモデルでは、アクア3針が8.1mm、ノーチ3針が8.3mm。同じマイクロローター搭載Cal.240Qを積んだ永久3モデルでは、Ref.5139(生産中止)が8.7mm、Ref.5140(生産中止)が8.8mmで唯一の現行モデルRef.5327は9.71mmもある。全ての永久カレンダーコレクションの中で最も薄いのは新参のノーチラスであり、極上のフィット感を誇る3針モデル5711の厚みをたったの0.12mmしか上回らない。防水性能は6気圧で同じくCal.240搭載のプチコンRef.5712に並んでいる。参考までにAPのロイヤルオーク永久カレンダーをネット検索すると厚さは9.5mmで2気圧防水である。但し、今年の新作であるエクストラシンの永久カレンダーはセンターローター採用で6.3mmケース厚と驚異的である。ただ耐久性については今後のフィールドテストを待たなければ何とも言えないだろう。

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文字盤の青の色目は現物を見るまで少し心配をしていたが、紺では決してない凄く良い青である。この青は大変評判の良かった40周年記念限定の前述したWGクロノグラフ及びプラチナ3針と全く同じ青である。今回この青のカフスも新規リリースされた。12時側にプリントされる PATEK PHILIPPE GENEVE のロゴ部の仕様も従来の横縞ボーダーの凸部にではなくロゴスペース全体を凸状態にした40周年と全く同じ仕様にされている。細かく見てゆくと40周年を買いそびれた方にも是非ご検討を頂きたいモデルでもある。上の画像で4時40分あたりの延長線上に月齢表示の調整コレクターボタンがある。通常は6時位置に配置されるが、ケースの構造上無理なので特殊な伝達方式で此処にレイアウトされた。同様に日付及び月のコレクターも大きく配置換えがなされている。
さて、前述のアクアノートステンレスクロノグラフもこのノーチラス永久カレンダーにも共通して取り入れられたのが新方式を採用したフォールディングバックルである。
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上図でバックル中央のPPロゴの下の横面に2か所の四角の薄い突起が見える。この部分が折り込まれてくる両側のクラスプとかみ合って固定される。従来のバックルが下の画像(懐かしの2年前撮影)である。同じように片側2か所、合計4か所で止める発想は同じだが新方式はより長期間にわたって緩るむ事無く使い続けられるらしい。個人的にはZ型を思わせるスケルトンチックで何処か色気を感じる従来のスタイルが好みではあるが・・
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さて、実際に手に取って見れたモデルが少ないので、その中から印象に特に残った3点を駆け足でご紹介した。少々長くなったので第一弾として一旦休憩。次回はバーゼルの会場でしか見る事の出来ない、いわゆるレアハンドクラフトと呼ばれるユニークピースの一団などをご紹介したいと思う。

文責:乾

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昨日の画像アップ不調は当店HPはレンタルしているサーバートラブルが原因だった。まだ今も回復していないので画像が貼れない。例年は今日(バーゼル一般公開初日、8時間時差)の朝からだったのだが、既に昨夜中にスマホで確認したらしっかり2018ニューモデルが掲載されていた。リンクは貼れるのだろうか?
例年同様に品番頭の●の色はザックリながら、完全な新商品、新素材投入、新文字盤追加 その他 [POR]:時価対象モデル

メンズ
ミニットリピーター
5207G-001(永久カレンダートゥールビヨン)[POR] 5208R-001(永久カレンダーモノプッシャークロノグラフ)[POR]
5531R-001(ワールドタイム・クロワゾネダイアル)[POR]
永久カレンダー
5270/1R-001(手巻きクロノグラフ) 5270P-001(手巻きクロノグラフ)
年次カレンダー
5205G-013
カラトラバ
5524R-001(パイロットトラベル)
ゴールデンエリプス
5738/50P-001 5738R-001 205.9102R5-010(カフリンクス)
ノーチラス
5740/1G-001(永久カレンダー) 205.9057G-013(カフリンクス)
アクアノート
5968A-001(フライバッククロノグラフ)
スプリットセコンドクロノグラフ、クロノグラフ、ワールドタイム無し

メンズは全12型。昨年の17型からさらに絞られた印象。グラコンは昨年5型なので同数。通常なら50周年のハーフクォーターアニバーサリーイヤーを迎えたゴールデンイリプスが、どちらも好印象ながらたったの2モデルしかない。
個人的にはやはり売りずらくてもイエローゴールド+パテックブルーと呼ばれるコバルト照射由来のブルーサンレイダイアルモデルのJUMBOがラインナップされてほしかった。
ローズの黒文字盤は素敵なんだけどチョッと色気あり過ぎかも・・プラチナは限定たった100本で同様な意匠を施されたホワイトゴールドのカフリンクスとのセット販売の様だ。さて、日本に何本来るのか来ないのか。ちなみにこの特殊なハンドクラフト文字盤は18金製で本黒七宝とハンドエングレーブの組み合わせの様だ。様だ、様だは現地で確認致します。工程の順序が良くわからないんですよ。2017年カラトラバで発表されたRef.5088/100P-001とほぼ同じ技法で作られたのは間違いなさそう。でもこの手の限定はバーゼルのPPブースに飾られていてショーケースのガラス越しに見る事が殆どで商談テーブルで直に手に取れる事が無いので、あまり思い入れが入らない。
さて寡作の2018の各モデルを予見してゆこう。グラコンはミニットと永久カレンダークロノに新素材投入が4型。秀逸なのはレギュラーライン初のミニット+ワールドタイムのクロワゾネダイアルバージョンRef.5531R-001。レギュラーライン初と書いたのはリリースのどこかにもあったが、記憶に新しい昨年のニューヨークでのグランド・エキジビションの為にエリア限定で確か作られているからである。手元のスイス・ジュネーブで発行されているeuropa star誌の40PにずばりRef.5531で掲載されている。違いはクロワゾネのモチーフが摩天楼かレマン湖の帆船かだけの様である。となれば今回の5531が枝番001とされているのは少し微妙かもしれない。

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年次カレンダーはRef.5205のWGが全廃されたので何か出るとの予想、恐らく紺や青系と持っていたらドンピシャだった。しかも始めて文字盤内側をグラデーションさせているようで、明らかに昨年の5170Pの人気に気を良くした誰かが画策したのだろう。今一番見たいモデルはコレ。
パイロットトラベルは昨日書いたので、2年ぶりにメンズの新作が投入されたノーチラスについて。これまた予想通りの永久カレンダー。しかもCal.324ではなく偏心マイクロローターのCal.240を積んでノーチの最大の強みである薄さ8.42mmに仕上げたのはあっぱれ。ただモニターで見る青の色目がチョッと薄いようで現物が早う見たいノウ。
さてアクアノートは昨年超ヒットのRef.5168Gに引き続いて新作一点。予想ではRef.5960/1A(年次カレンダー+フライバッククロノグラフSS)が今年全廃されたのでソックリそのままステンアクアに積むのかと予想していたらシンプルなフライバックのみ積んで登場。漆黒の文字盤にアクセントでオレンジを効かせたお決まりのレーシー仕様なのだけれど好き嫌いが出そうな気がする。まあ現物、現物・・ってのが無ければ明日からの5日間が空しくなってしまう。

レディス
クロノグラフ
7150/250R-001
カラトラバ
7234R-001(パイロットトラベルタイム)
アクアノート
5067A-025

昨年も結構な寡作(それでも8点)だったけれど、一体どうしたの状態の僅か3点とは。これは寂しい。やはりヨーロッパ市場が良くないのだろうか。特にこの2年ほどダイア・ダイアとほぼプリンセス プリンセス♪状態(古いですヨ!真正のオヤジですから)だったのに見る影もない。レディスは少なくとも日本ではゆっくりながら伸びているように思えるのだが・・
例年のお約束であるアクアルーチェの新色。これまた青かよ。昨日も書いた意表を突くレディスパイロットトラベルなのだが、これこそ現物を手にしてのサイズ感とボリューミー感を確かめない限り解りません。正直言って。
手巻きクロノキャリバーCal.CH29-535を積んでの新作Ref.7150ですが2016年にディスコンになったRef.7071の後継ですがね・・・好き好きですね、世の中は!。蓼だって無ければより美味しく鮎の塩焼きが戴けない訳ですから。あらゆるモデルには必ずそれを必要とする人が何処かに居るわけデス。山口百恵さん調♪ですかね。
しかし、今年も昨年、一昨年に続きTwenty-4追加一切無し。なんで??

尚、例年現地のパテックブース一階に展示されているレアハンドクラフトのユニークピースのクロワゾネモデルやドームクロックが今年も既に動画で紹介されている。様々なモチーフが紹介されているが個人的には今年何点か登山をイメージしたモデルがあるのとトスカーナとポンテベッキオ橋が描かれた2点が好ましい。是非、皆様もご一読?を。
それでは、例年段々準備がええ加減でまだ一切支度をしていない。夕方に切れかけている花粉症の薬をもらいに行って晩飯をどこぞで頂戴して、しこたま飲んでそれからゆっくり支度。朝は8時にレンジで出発。10時までには関空に着いて11時のフライトはKLMでアムス経由バーゼル空港へは現地夕方5時45分着予定。バスで15分で投宿。ドアドアで17時間強は例年よりずっと楽ちんだ。では次回の投稿は帰国後。画像も全部帰国後。では行ってきます。
もし早めに起きられてお天気よければボクスターで花粉浴びまくりも良いかな・・

文責:乾

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気付いている方が圧倒的に多いと思われる新しいパテックフィリップの公式インスタグラム
明日は朝から公式HPを見て新作のブログを書く予定だった。ひょっとして何か欠片くらい新作について載って無いか公式HPを訪問すれば、なんと新しくインスタが始まり、つい先日の18日に2018ニューモデル2型をリヴェール(ご紹介)するとあるではないか。
で、早速インスタでPP検索したらメッチャ凝った投稿がアップされていた。従来からあったメンズのカラトラバパイロットトラベルタイムRef.5524G(WG)のローズゴールドバージョン。文字盤カラーはWGの青ではなく茶色。何となく昨今他ブランドで流行っているブロンズっぽい。ただし凄く綺麗でエイジングとは無縁、でもカッコいいRef.5524R-001。
5524R_a.png
でもってビックリしまくったのがまんまサイズダウン(37.5mm)したレディスのパイロットトラベルRef.7234R-001。色使いもメンズと全く同じ、センターフルローター自動巻きCal.324(直径27mm)がベースキャリバーなので結構な大きさになってしまう。既に生産中止された品番が近いRef.7134Gは手巻きCal.215(直径21.9mm)にトラベルモジュールを積んで35mmで、WGケースのベゼルはダイア巻き。当時の価格は税別451万円だった。あっ、当店にデッドストック一本有りです。
となると新しいレディスパイロットトラベルの価格が気になる。たぶんメンズは現行のWGモデルと同価格のはず、とすればあんまり変わらないのだろうか。明々後日には彼女に会える。

Ref.7134Gは確か画像は撮ってたはず。記事にする前にディスコンになったのでお蔵入りさせたのをやっと探してアップしようとしたら何故かサーバートラブルのような表示が出て全く貼り付けられない。でも今晩しか価値の無い本稿なので画像無しで投稿。

文責:乾

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