パテック フィリップに夢中

パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

2019年2月の記事一覧

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ノーチラスの撮影はいつも簡単。ほんとに早い。ケースとブレスにサテン仕上げが多くて映り込みが非常に少ない。文字盤も微妙にマット調の仕上がりなので何も工夫せずともしっとりと美しく写ってくれる。上の画像も下の少し寄り気味にしてダイアルのグラデーションを少し表現したカットも埃の除去以外は、全く画像修正をしていない。もちろん時計そのものが抜群に美しく、素晴らしいブルーカラーがあってこそなのは言うまでもない。ちなみに画像中央下部の青い奇妙な映り込みはバックルの保護シール。

パテック社の期初は2月からなので今期の初荷が、待ちに待ったノーチラスの永久カレンダーだったのは何とも喜ばしい。本来は昨年のニューモデルなので、前期末の1月末までに入荷予定だった。しかし入荷状況が非常に悪いとはPPJからは聞いていたので、ご注文者様にもしばしのご辛抱をお願いしていた。結果的には10日程度の納期遅れでの入荷となった。
ところが残り物には副が有るようで、このたったの数日の遅れには小さなサプライズが付いてきた。チョッと此処には書けないが、店頭でならお相手次第ではお話出来るかも。
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このモデルの遺伝子は3年前のノーチラス発売40周年に当たる2016年に記念限定でリリースされた2モデル。すなわちWG素材でジャンボサイズが採用されたフライバッククロノグラフRef5976Gとノーマルサイズでプラチナ素材の3針モデルRef.5711/1Pの両モデルと全く同一な文字盤色となっている。上の画像では人気のSSノーチラス5711と5712のブラックブルーダイアル程ではないがブルーの濃淡がハイライトとシャドウに浮いて出ており魅惑的な表情を見せている。
さて複雑機能を備えている事とWGでの同一素材という点で今回の永久カレンダーモデルは、3年前の限定クロノグラフモデルにより近しいと言える。しかしながら決定的に違うのはそのケースサイズである。クロノグラフはセンターローター自動巻機構と垂直クラッチ方式でクロノグラフへトルクを伝達するスタイルが採用された厚み(6.63mm)のあるCal.CH28-520が搭載された。結果ケースの厚みも12.16mmとノーチラスでは最厚に近い厚みが有った。さらに定番のクロノグラフ5980系が機能付きノーチラスの主要サイズである40.5mmに収まっているのに、敢えて44mmというジャンボサイズにアップサイジングされた。かくして312グラムという筋トレにも使えそうなヘビー級の時計が出来上がった。これに対して5740はグランドコンプリケーションにもかかわらず40mm径というシンプル系ノーチラスと同サイズが採用された。さらに驚くのはその厚みで、シリーズ最薄モデルの3針5711にたった0.12mm加えただけの8.42mmに仕上げられている。これは従来の永久カレンダーモデルにも多用されている極薄ベースキャリバーCal.240の貢献が大きい。この22金のマイクロローター方式の名キャリバーの設計は1977年にまで遡り、40年以上もパテックコレクションの主要エンジンとして現役バリバリである。パテックムーブメントには本当に長寿命のものが多い。

このCal.240ベースの永久カレンダームーブは通常ケースサイドにあるコレクターと呼ばれるプッシュボタンで各カレンダーの調整を行う。下図の左が従来のラウンドケースの永久カレンダー。四か所にプッシュボタンA~Dがあるが、C,Dのボタンは曜日と日付ディスクの直近にあってアクセスが非常に良さそうだ。A,Bは対応する日付と月・閏年ディスクから離れてはいるがプッシュボタンを押す方向はムーブメント内側に向かっている。
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右のノーチラスケースではその独特なケース形状から9時位置の曜日調整のCボタン以外の三つのボタンは、ブレスレットの付け根付近にリプレースされている。さらにBボタンの矢印のようにあくまでプッシュ方向はケース面に垂直にせざるを得ないのでムーブメントの外縁辺りしかアクセスしえない。パテックはこれを解決するために直線的にディスクへ直接アクセスするのではなく、途中で方向転換する為の特殊な伝達機構を設けてこの問題を解決したようだ。恐らくこのニューモデルの納期が、遅れ気味になったのはこの調整部分の作りこみに手間と時間を取られたのではないかと思っている。
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左が9時側、右がリューズ側のケースサイドビュー。コレクタープッシュボタン位置とケースとブレスレットの薄さに注目。3針モデルの5711/1Aと見た目に違いが無い。ちなみに同じベースキャリバーCal.240にパワーリザーブとムーンフェイズを乗せた人気モデルの"5712通称プチコン"のケース厚は8.52mm。カムやらレバーやらメカメカしい大道具が詰め込まれたモジュールが組み込まれた永久カレンダーの方が僅かながら0.1mmケース上で薄く仕上がっているのが凄い。さらに言えば現行のパテックフィリップ永久カレンダーラインナップで最薄モデルである。今年生産中止が発表されたクッションケースのRef.5940の8.48mmがそれまでのチャンピオンだったが、僅かながらそれを凌いでいる。スポーティなスタイリングや防水仕様から何となく骨太で厚みもありそうな印象をノーチラスは漂わせているが、ジェンタ考案の耳付き構造ケースは薄いムーブを究極に追い込んで包み込んでしまうようだ。
さて、一昨年(たぶん)迄はパテックの永久カレンダーには通常モデルのコレクションボックスではない少し大きめのワインダー内蔵タイプのボックスが用意されていた。昨年度からはこのボックス型ではない専用の独立したワインダー(SELF-WINDER CYLINDER)が用意されるようになった。
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交流電源ではなく単4リチウム/アルカリ電池を4本内蔵しておりその寿命は2500時間。フルローター自動巻キャリバー324ベースの永久カレンダーでは一日当たり960回転でおよそ2年で電池交換。巻き上げ効率で多少劣るマイクロローターのCal.240とR27ベースの場合は1日に1440回転となっているので、記載は無いが一年半という事になるのか。尚、出荷段階のデフォルト設定は1440回転で、本体のスイッチはスタートのオンオフだけしかできない。324ベースキャリバー用の960回転への設定変更は、スマートフォンにAPPまたはグーグルプレイから"PP Cilinder"のアプリをダウンロードし、ブルートゥースを介して操作することになる。個人的には何で此処だけ急にデジタルチックにするのかが不可解である。単純に切り替えスイッチ一個で済ませば良いのに・・まあ個人所有のスマホには既にアプリはダウンロード済みではあります。いやいや、永久カレンダーは持っていません。あくまでお客様サポート用です。

今回はご購入のお客様のご了解を得て、実機撮影が叶い記事も書けた。本当に感謝しております。ありがとうございました。
尚、かなりの高額商品にも関わらず顧客様のウエイティングがそこそこ有って、ご新規様の新たなご予約は困難な状況です。ご販売を必ずしもお約束出来ないご登録は店頭でのみ受けております。悪しからずご了承ください。

Ref.5740/1Gー001 自動巻永久カレンダー
ケース径:40mm ケース厚:8.42mm(永久カレンダーラインナップ中最薄、2019年2月時点) 
防水:60m 重量:205g
ケースバリエーション:WGのみ 
文字盤: ブルー サンバースト 蓄光塗料塗布のゴールド植字インデックス
バックル:ニュータイプ両観音クラスプ
裏蓋:サファイアクリスタルバック ※ノーマルケースバックは付属しません。
付属:セルフ-ワインダー シリンダ―(自動巻き上げ機)
価格:お問い合わせください

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肉眼だと
並べなければステンレスとの色目の違いが解りづらいが、画像撮影すると結構な黄味を帯びていることがわかる。個人的にはステンレスやプラチナのピュアな銀色と違って温かみがある色だと思っている。永久カレンダー機構は総て文字盤側に組まれているので、スケルトンバックから望むのはCal.240の見慣れた後ろ姿だ。

Caliber 240 Q 

直径:27.5mm 厚み:3.88mm 部品点数:275個 石数:27個 受けの枚数:8枚
パワーリザーブ:最低38-最長48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動 
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)

撮影、文責:乾

インスタグラムアカウントinstagram作成しました。投稿はかなりゆっくりですが・・

今年は少し早かった。昨日、次の記事が生産中止だろうと書いたが、翌日(2/2)に早くも通達がやってきたわけだ。皆さんご興味のある所なので、例年のごとく後日加筆覚悟でさっそくご紹介。

斜体文字のRef.は今日現在で当店在庫有り。尚、生産中止発表後にひょっこりと対照モデルが入荷することがある。客注の場合も、そうでない場合もある。あくまで2019年のどこかで生産を打ち切る予定リストなので、現在仕掛かっている製品もあるだろうし、これから仕掛かり年度内に出荷もあるかもしれない。希望的とは言えないが本発表が、即絶望とも言い切れない。一生懸命探しますので、ダメもとのお覚悟ならお声がけください。よろしくお願いします。(2/3加筆)


メンズ31型


超絶系?
6300G-001グランドマスターチャイム
ミニットリピーター
5539G-0105304R-001
※3モデル全て時価(Price on riquest)
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スプリットセコンドクロノグラフ
5204P-0115950R-001 ※2モデル共に時価(Price on riquest)
永久カレンダー
5940R-001
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年次カレンダー
5146P-0015146/1J-0015146/1R-0015146/1G-0015146/1G-010
5235G-0015396R-0125396G-0145396R-014
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クロノグラフ
5170P-001
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カラトラバ
5119J-0015119G-0015119R-001
5296G-0015296R-0015296G-0105296R-010
5227G-0015153J-0015153G-0105153R-001
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ゴンドーロ
5124J-0015124G-011
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ノーチラス
5726/1A-0015726/1A-010
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2017年度27型、昨年2018年度が20型、そして今年が31型。今年は大量ディスコンの年だ。永久カレンダーまでのグランドコンプリケーション6型はこんなもんでしょう。6300グランドマスターチャイムは恐らく世界中で現実的にオーナーになりたい方(なれる方)の受注が一通り終わったのか。通称TVスクリーンと呼ばれる個性的かつ人気の永久カレンダー5940はリファレンスそのものが姿を消すことになった。ラトラパンテの5950も無くなってクッションケースがラインナップからグッバイする事態になった。
年次カレンダーはややマニアックなモデルとそんなにご要望のなかったメタルブレスがごっそりと鬼籍に入った。ノーチラスを除きメタルブレスは、ほぼ絶滅危惧種になりつつある。
個人的にお気に入りの手巻きクロノ5170Pは2年で姿を消す。結構将来の資産価値が期待できるレアモデルだったりして。
そして衝撃のカラトラバ。11型のドロップが今年の大量ディスコンの根幹だ。昨年の5116Rに続いてクルドパリベゼルの名作5119が全モデル生産中止。同じくド定番のクンロク自動巻5296も4型全廃となった。あまりにお気の毒で掛ける言葉もありません。ハンターケース系はオフィサータイプの5153が全部サヨウナラ。
ゴンドーロはメンズで唯一残留していたレクタンギュラーケースの5124が消えてレディスオンリーのシリーズとなってしまった。ああバッサリ!(2/3加筆)
さらに衝撃はノーチラスにも、しぶとい人気の年次カレンダーステンレスブレス2色が鬼籍に入ってストラップモデルのみ徳俵で残った。

レディス12型

コンプリケーション(ムーンフェイズ)
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カラトラバ
4899/900G-0017122/200G-0017122/200R-001
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ノーチラス
7018/1A-0017018/1A-0107018/1A-011
7014/1G-0017014/1R-0017021/1G-0017021/1R-001

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レディスの12型も、2017年度10型、昨年2018年の6型から見て結構な見直しとなった。ただその内半分はかなりな宝飾モデルで目垢も付きやすく、買うべき方が一巡すればあまり長く継続すべきではないだろう。個人的にはステンレスノーチラス自動巻で33.6mmと小ぶりで日本人にグッドサイズだった7018全廃は残念だ。

数年に渡る大胆なラインナップ見直しの一方で、昨年の新製品はメンズ12型、レディスはたった3型。一昨年2017年はそれぞれ17型と8型なので近年は寡作化が進行している。結果コレクション全体がシェイプアップされ続けている事になる。かといって生産能力はリストラされている訳ではなく、新工場を現本社工場に隣接して建設中であり、二年ほど前のスイス時計産業不振時期には他の時計コングロマリットが放出した技術者達を積極的に雇用したパテック社の生産余力はむしろ充実傾向にある。
理由として考えられるのは、P社自身も唱えているさらなるクオリティアップ。そしてアフターサービスの充実あたりだろう。決して1モデル当たりの生産本数を全体に底上げするような事はして欲しくないと願っている。
しかし毎年感心するのは、どこの誰がリーク元か知らないが、年末あたりから真しやかに流れている根も葉もない(と言い切れるのか?)生産中止の怪情報がほぼ十中八九的中している事である。そして僅かながら2019新製品の怪情報も添えられているのだが、さすがに現段階では立場上言及できない。ただし本当ならとっても嬉しい内容なのだが・・
今年のバーゼルは3月21日(木)から開催される。例年通りであれば9時間時差のある現地21日午前0時(たぶん)、日本時間午前9時にはP社公式HPで新製品の全貌が発表されるはずだ。個人的には大きなまとまりを欠いたカラトラバシリーズのラインナップ再構築が最も気になるところである。(2/3加筆)

今年はカタログへのリンクだけではなく、判りやすく商品画像も貼る予定。考察ももう少し書き足したい。でもこの手の情報は鮮度が命なので取り急ぎひとまずアップ致します。明日以降加筆予定。速記記事ゆえ多少の誤字・リンク誤りはご容赦ください。

文責:乾

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ついこの間、雑煮とおせちを頂いたばかりなのに目も前に鰯と恵方巻がちらついている。なんという時の流れの早いこと。一か月は1時間で言えば5分に値するが、この間何をしたと言う訳でもないが、店は結構賑わいもあってお陰様な結果が残せそうである。感謝!感謝!
一月末はパテックフィリップにとっては節目で会計年度の年度末に当たる。ロレックスなどは年度末(12月末)が近づくと入荷が少なくなる傾向があったが、パテックはこの12月から1月にかけて入荷がすこぶる良かった。多くが客注分とイレギュラーの店頭分の入荷。パテックの売上げというのは客注商品の入荷次第というところがあるので全国的にここ数ヶ月は相当な売上げに成っているはずだ。

今回はそんな状況で入荷してきた年次カレンダー2本を紹介したい。まずは1996年の年次カレンダーデビューモデルRef.5035のダイアルレイアウトを引き継ぐ血族直系であるRef.5146。ローズゴールドケースにクリーム色のラッカーで仕上げられた文字盤がセットされた何とも優し気なカラーリングの一本。
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このモデル自体は既に紹介済みなので細かくはそちらを見ていただくとして今回は文字盤のデザインについて少々掘り下げてみたい。
文字盤中心から少し上に左右に並ぶ"曜日"と"月"の指針表示は古くからパテックが永久カレンダーで採用してきたレイアウトパターンなのだが年次カレンダーのそれは、両サークルがかなり寄り目でかつセンター指針と一直線では無く上側にシフトされている点で、似て非なる印象を受ける。
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1996年にファーストモデルとして発表されたRef.5035からこの部分は変更がなく、このモデル系列の決定的な遺伝子的要素と言える。6時位置のディスクスタイルの日付表示も同様である。進化した点は1998年に業界に先駆けて初採用された12時直下のパワーリザーブ機構である。パテックにはともかく"時計業界初"が多い。同時にムーンフェイズも追加されて、それまでの24時間表示位置に取って代わって備えられるようになった。その結果パワーリザーブ表示に追いやられたブランドロゴが行き場を失ってダイアル下部の6時位置に配された為に24時間表示が、そのとばっちりで消去されてしまった。
しかし、中央より下側にブランドロゴがレイアウトされるのはかなりレアケース。現行モデルではセレスティアルシリーズとノーチラスのトラベルタイムクロノグラフRef.5990のみだ。ダイアルセンターの右側にエングレーブでロゴ配置されるのが、12時側にも6時側にもスペースが全くない年次カレンダーレギュレーターのRef.5235G。また超絶系のリバーシブルウオッチのグランドマスターチャイムRef.6300はカレンダー側(裏側?)にはスペースが全く無く、時間表示サイド(表側?)のセンター指針の両側に振り分けてかろうじてロゴを表示している。極めつけは文字盤に全くスペースが無いためにベゼルに無理やりっぽく刻印されるプラチナのワールドタイムRef.5131P。多軸やディスプレイが多すぎるのも悩みのタネのようでデザイナーの苦労もさぞやと思う。
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最後にこのモデルのセールストークを少し。現在年次の定番は3型あるが、パワーリザーブ付きの5146が価格的には一番お買い得である。他の2モデルは同素材なら価格も同じでケースが凝っているRef.5205が通常尾錠、ごくノーマルなクンロクケースを纏うRef.5396(後述)が折畳み式バックルの違いがある。折畳みバックル付きの5146はRG・WG素材なら両者に比べ税別約70万円以上お安い価格設定。この価格差は魅力だ。


Ref.5146R-001 年次カレンダー

ケース径:39.0mm ケース厚:11.23mm ラグ×美錠幅:20×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:RG WG(別ダイアル有YG(別ダイアル有) PT ※別途ブレスレットモデル有り
文字盤:クリームラッカー、ゴールド植字インデックス
ストラップ:マット(艶無)チョコレートブラウンアリゲーター
バックル:フォールデイング(Fold-over-clasp)
価格:お問い合わせください。
在庫:2019年2月1日現在有ります。

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Caliber 324 S IRM QA LU

直径:30mm 厚み:5.32mm 部品点数:355個 石数:36個 受け:10枚 
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動 
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)


さて、今回は二番煎じで中身が薄い分、もう一服としてさらに年次カレンダー入荷モデルを追加紹介。
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2006年に年次カレンダーの2番目のシリーズとして発表されたRef.5396。通称ダブルギッシェ(二つの小窓)と言われるセンター指針の直上に左右に狭い間隔で"曜日"と"月"が並ぶレイアウト。もともとは1900年代半ばから1980年代までもっぱらパテックの永久カレンダーのド定番顔として採用され続けていた由緒正しいマスクである。その特徴的なレイアウトはそのままに6時側インダイアルで針表示していた日付をより実用的な小窓のディスク表示にし、インダイアル指針は24時間表示として時刻合わせをすこしでも容易にする機能を持たせた。この伝統的なレイアウトはクロノグラフと組み合わされる永久カレンダーではずっと採用され続けている。しかしシンプル永久カレンダーとしては2017年発表のRef.5320で久々にリバイバルされたのが記憶に新しい。
さて、しばしば触れているがわが愛機はこのモデルのローズゴールド版である。早いもので愛用歴は3年半になる。精度も調子もすこぶる良いのだが、少し小言もあって、まず搭載キャリバーののCal.324は現在パテックの主流のフルローター自動巻ベースムーブメント。だがパワーリザーブが最大で45時間しかない。10年前なら常識的な長さだが今日に於いては少々短い気がする。72時間駆動するグランドセイコーの愛機と交互に着用することが多いが、たった28時間の差が実用度合いに大きく影響する。
2番目には時間合わせ運針がローギヤで辛気臭い。輪列保護の為にはこのローギヤードが良いのだろうけれど高級実用ブランドであるロレックスやグランドセイコーと比べ非常に遅い。車で言うと2速と4速くらいの違いを感じる。特に年次カレンダーの場合パワリザ不足からの止まった場合は1~2日の遅れであれば一々小さなコレクターを何か所も調整するよりも時刻を手動で進めた方が楽なのだが、忙しい出勤前などはこれが何ともまどろっこしい。近い将来の改良を願う。
そして自分の不注意から一か所不調を抱えている。月齢の調整コレクターがサクサクと押せないのだ。おそらく原因は安価な爪楊枝でコレクターを押した際に先端が微細に砕けてコレクター内に粉末として混入したのだろう。パテックフィリップの取扱説明書には必ず付属の調整ピン(金属製)の使用を限定している。しかし現実的にはコレクターとその周辺のケースにも傷がつきそうな付属ピンはチョッと使う気になれない。当店では原理原則をご説明した上で、自身の失敗から考察して現在は女性がネイルケアの際に使用する木製のスティックを個人責任で使っていただくようにお渡ししている。だがさらに良いものがないか常に日ごろから目を凝らしている。多分非常に硬い竹製で先端がごくわずかに丸められていて軸にはそれなりの太さと長さのある様なものがほしいと思っている。どなたかおすすめのツールがあれば是非コメントください。
閑話休題、現在5396のバリエーションは6型。その内4型は2016年以降の発表なのでバリエーションが増えているモデルである。それと対照的にアバンギャルドなデザインのRef.5205は昨年発表のWG素材のブルーブラック文字盤を入れて僅か3型に集約されてしまっている。個人的にはいづれも甲乙つけがたい素敵な年次カレンダーだと思っているのだが・・

何とか本稿は1月中に今年2本目として掲載したかったのだが、月末に"どうしても源泉かけ流しに行きたい病"を発症して臨時休業をいただき本日のアップとなった。そして例年通りであれば、次の記事は生産中止モデルの発表という事になる。これも例年のことながら年末くらいからディスコンにまつわる色々な詮索話をお客様から伺うことがあった。さすがに此処には書かないが興味深いお噂もあって、あと数日を心待ちにしている。

Ref.5396G-011年次カレンダー
ケース径:38.5mm ケース厚:11.2mm ラグ×美錠幅:21×16mm 
防水:3気圧
ケースバリエーション:WG別ダイアル有)、RG別ダイアル1

文字盤:シルバーオパーリン ゴールド植字インデックス
ストラップ:シャイニー(艶有)ブラックアリゲーター 
バックル:フォールデイング(Fold-over-clasp)
価格:お問い合わせください。
在庫:2019年2月1日現在有ります。

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Caliber 324 S QA LU 24H/303

直径:33.3mm 厚み:5.78mm 部品点数:347個 石数:34個 受け:10枚 
パワーリザーブ:最低35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動 
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)

PATEK PHILIPPE 公式ページ

文責、撮影、修正:乾

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