結構行楽日和が多かった自粛GWも終わった。しかしながら新型コロナ感染拡大との戦いは、まるで第三次世界大戦の様相となっている。GDP第2位の中国は、どうやら終息を迎えた様だが1位のアメリカやG7に名を連ねる先進国は満身創痍としか言いようがない。途上国はこれからのように見えるが、実態の把握がどこまで出来ているのか疑わしい。検査数の少なさで叩かれている我が国だが、個人的には首都圏を始めとした大都市圏も含めて、まあまあ頑張っていると思う。ごく一部の例外を除いて、流石に日本人は自主的自粛が出来る素晴らしい民族なのだろう。しかし経済への影響は想像すら出来ない。戦後の復興期が何時から始まるのか判らないが、たぶん秋ぐらいからしかまともな商売は出来そうな気がしない。
今年はホワイトアスパラもソーセージも楽しめなかった異常な春だった。さらに来年1月に延期?を決めたバーゼルワールドからパテックやロレックス等のメジャーブランドがそっくり撤退を決める異常事態となった。結果的にこの流れを受けてバーゼルワールド自体が開催の中止を決定した。
来春の新作発表は4月にジュネーブで開催予定の"Watches & Wonders 2021"(旧名称:S.I.H.H.,通称:ジュネーブサロン)がジュネーブ空港直近の見本市会場のパレ・エクスポ(モーターショーで有名)で開催される。カルティエを筆頭としたリシュモン・グループが、その核を成しているが、バーゼルワールド同様に昨今は、集客に陰りもあって開催期間を短縮したり、一般客を入場させたりしていた。正式な話としては聞いていないが、パテックやロレックス等のバーゼル撤退組も同時期にパレ・エクスポ内での開催を検討しているようだ。ただ既存のW & W 2021に組み込まれるのか、別の枠組みを目指すのかは不明である。
世界の時計業界に於ける大激震真最中なのだが、今現在注目しているのが2020年新作発表の扱いである。大御所のロレックスとパテックが相談したのかどうかは知らないが、新作の発表を見送っている。来年まで持ち越すのか、世界が有る程度落ち着きを取り戻して商売も普通に出来るような状況を待っているのか。いづれかは判らないし、落ち着くタイミング次第という事も有ろう。ただ個人的には賢明だと思うのが、現状でWEBのみ使って生産の裏付けも無いままに中途半端に発表しても勿体ないだけではないかという事だ。
カルティエを筆頭にしたリシュモンや、ウブロやゼニス等を要するLVMHグループ、この二大時計コングロマリット傘下のブランドがニューモデルをこぞって発表している。スォッチグループでは代表的なオメガは発表を控えている様だが、ブレゲやブランパンは新作発表をしていて対応が分かれている様だ。

しかし、第二次大戦の戦後復興以来の経済不況がやって来そうな中で、ラグジュアリーウオッチの価値と言うものはどこまで担保されるのだろうか。想像するにあらゆる商品分野で必要最低限の実用性を備えた低価格な商品が求められるようになるだろう。給与生活者をメインターゲットにしてきたミドルレンジ(そこそこのステータス、若干オーバースペックな実用性、購入顧客の半分は分割支払いが前提な価格設定)は、そもそも厳しい状況であったが、総崩れになる可能性が高い。ではハイエンドはどうなるか。此処は元々の価値がしっかり裏打ちされているブランドやモデルはある程度売れ続けるが、そうでない物は一気に成長したブランドが多いのでストンと落ち込んでしまう可能性がある。兆候が出始めると投げ売りが発生し、ブランド価値が大きく損なわれるかもしれない。
パテック フィリップに関しては、価値の裏付けがかなりしっかりしている。むしろ、今現在世界中で若干デフレ気味と言われているが、戦後は過去いづれもハイパーインフレになっているので保有価値がさらに上がる可能性がある。商品トレンドは保守傾向に傾くと思われるが、パテックは元々がコンサバ志向なので路線変更は不要に思われる。

暗い話ばかりで申し訳ないのだが、せめて興味を共有して面白く楽しみたいのが棚上げになった2020パテック フィリップ新作予想!尚、ブランドからは全く情報は頂いておりませんし、例年若干のリーク情報が聞こえるのだが、今年は全くそれも無し。完全な個人的想像、むしろ願望に近い。
1、ノーチラス 永久カレンダー ローズゴールド 5740/1R-001
現在WGで人気モデルとなっている5740/1G-001のRG素材追加、文字盤は普通ならブラウンだが、個人的希望は艶感の有るブラック。この追加で多少なりとも人気分散されスムーズな受注と納品に繋がれば嬉しい。
2、カラトラバ クンロク 自動巻3針カレンダー 5596G,R-001又は6296G,R-001
昨年、生産中止となったド定番だった5296の後継モデル。ここ数年のカラトラバシリーズのダイエットは個人的には少し異常。実用時計最右翼のモデル復活は絶対必要。最近の傾向でYGは無い様な気がする。
3、ノーチラス 年次カレンダー SS 追加文字盤 5726/1A-015
こちらも異常人気で、生産中止迄に恐らく納めきれない2019年新作5726/1A-014の状況を少しでも改善してもらえたらのリクエストモデル。文字盤カラーはシックな濃い目のグレーだと復活になるのでブラックか。
4、アクアノート ・ルーチェ自動巻 SS 5069A-001,010,011
此処数年のレディースコレクションの見直しトレンドがクォーツからメカニカルへの移行。特に実用レディス筆頭だったTwenty~4®に大ナタが振るわれ、レクタングルケースの人気クォーツモデル群が全廃された。
さて同じく今年全モデル生産中止が発表されたアクアノート・ルーチェのクォーツSSモデルの5067Aは毎年のようにニューカラーを追加しながらソールドアウト確実なベストセラーだった。仮にメカニカル化されれば価格は200万円台前半になりそうだが需要は凄くある。カラーはホワイト、ブラックはマストで他に1~2色出れば嬉しい限りだ。
5、ゴンドーロ メンズ レクタングラ―
一番無さそうなシナリオだが、今現在ゴンドーロにはメンズモデルが存在しない。しかし終盤のリストラモデルが売れていなかったかと言うとそこそこ売れていた。素晴らしい角型のキャリバー2型がお蔵入り状態は一体どうした事だろう。具体的な時計像は想像困難だが、何か出てきても良いと思うので、敢えて。

拙ブログを見て頂いてのメールや電話でのお問い合わせを、時々頂いているのですが、コメントが来た事が有りません。今回はご興味があれば、是非とも新作予想をされてみませんか?勿論単なる希望モデルで構いません。今回記事で予想した同一モデルでも嬉しい限りです。実際のモデル発表が、いつどのような形になるかは判りませんが、見事正解の方にはパテックのオリジナルノベルティーをプレゼント予定です。ご応募は今月末までとさせて頂きます。
実はこの企画は4月に当店の一軒隣にオープン予定だった奈良県初の高級ホテル『J.W.マリオット ホテル』(未だに開店時期未発表)の施設を活用しながら『パテック フィリップ展』をバーゼルワールド2020直前に開催し、会場で新作予想をして頂く予定でした。残念ながら新型コロナ過で展示会は中止しましたが、せめて新作予想企画だけでも楽しんで頂けたらと思う次第です。

文責:乾