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パテック フィリップ正規取扱店「カサブランカ奈良」のブランド紹介ブログ

5227G-010 艶々のカラトラバ

最近、シンプルなメンズカラトラバが店頭に並ぶ事が無くなった。数年前までは考えられなかった現象だ。原因は幾つかある。まずシンプルカラトラバの"顔"と言うべき代表モデルRef.511951535296が2019年にごっそり生産中止になり、その後継モデルが発表されていない事で現在のカラトラバの選択肢は、同シリーズのマイルストーン的な手巻スモールセコンドの通称"クンロク"Ref.5196、または自動巻センターセコンド・カレンダーを裏蓋ハンターケースに搭載したRef.5227のたったの2モデル7本しかなく、ほぼ絶滅危惧種の感すらある。
ノーチラスとアクアノートの需給バランスの崩れ方も加速度的に酷くなっているが、呼応するようにパテック フィリップのブランド全体の価値そのものが上がってきている様に思われる。新型コロナ禍の様な社会不安が安全でしっかりした価値の裏付けを有す高級な時計や車に投資先を見失った手元資金が集中的に向かっているような気がする。パテックやロレックスのスポーツ系のモデル、フェラーリやポルシェの特に"役モノ"と言われる特別な車がその具体的な受け皿の様だ。
そして、最近増えて来たのが将来のノーチラスやアクアノート購入の為にパテックの購入実績が有った方が望ましいとの想定で、その取っ掛かりモデルとしてシンプルなカラトラバを希望される方が徐々に増えているのも店頭在庫を幻にしてゆく原因の一つだ。
個人的には2020年の新製品にはきっとシンプルな自動巻の3針カレンダーモデルRef.5296の後継機が用意されていたのではと予想していたが、新型コロナに水を差されて今春へと答え合わせは持ち越しとなってしまった。

そんなこんなで今やノーチ&アクアに次ぐレアシリーズとなったメンズカラトラバ。で本日のご紹介は過去にもローズゴールドでは紹介済みながら素材と文字盤の違いで"此処まで違うモデルに見えるんかい!"というパテックには時々見られる同床異夢?モデルのRef.5227G-010。
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画像ではこの時計文字盤の放つ艶っぽさは、残念ながら殆ど感じられない。それでも画像修正は相当やっていて単純な撮影だけではこの画像にはならない。この経験をすると雑誌やWEBでプロカメラマンが提供している画像が、どれほど工夫されて撮られて、いかほどに執念深い修正がなされているかが伺い知れる。
このダイアルは一般的なラッカー仕上げなのだけれどひょっとすると最近のパテックの本黒七宝文字盤よりツルピカ度合いは強いかもしれない。実物はそれほど魅力的なオーラを放っている。
実は5227のファーストインプレッションはあまり良いものでは無く、凝ったケースの形状と仕組みで積み上がった価格に割高感を感じていた。2013年初出の5227は現在も継続しているYG、RGに加えてシルバー系のダイアルのWGの3モデルでスタートした。2年後の2015年にWGに今回紹介の黒文字盤タイプが追加され、2019年のカラトラバ大量ディスコン発表時にシルバー系ダイアルWGも鬼籍に入ってしまった。
2015年の夏に当店で開催した『パテック フィリップ展』でその年にデビューしたWG黒文字盤の展示サンプルを見ていて、何とも言えない大人の色気の漂いにすっかり悩殺され、それまでの5227感が激変されてしまった。
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ケース形状は特徴的だ。逆ぞりのベゼルにケースサイドからラグにかけての大胆な掘り込み。これらはグランド・コンプリケーションやコンプリケーションのどちらかと言うと前衛的なモデルに好んで採用されるデザインで、見た目がこれほどシンプルな時計に施される事は珍しい。ただ見た目は"シュと!"していても実に巧妙なハンター構造が仕込まれていてダイアル正面からでは全くその存在が判らない。9時側ケースサイド(上画像)からは小さいインビジブル(見えない)ヒンジ(蝶番)を確認する事が出来る。尚、この時計は現社長のティエリー・スターンが開発を主導し、実父の現名誉会長のフィリップ・スターンが初めて見た時に"すぐにはハンター構造に気づけなかった"と言う逸話がある。
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見た目涼やかで、押出しも強くないが手間暇とコストがコッソリ、ゴッソリ掛かっていて、前衛的と言うよりも挑戦的でギミックが効いたいぶし銀の様な趣を持つ5227。現在のメンズパテックのカタログモデルは一部の例外を除いて殆どが裏スケルトン仕様となっている。それをわざわざ手を掛けてハンター仕様にするのは趣味性以外の何ものでもないが、高級機械式腕時計が今や趣味趣向、拘りに裏打ちされたステータスなアイテムなのだからこの遊び心はアリなのだ。しかし、カラトラバ同様にハンターケースモデルも激減していて今や永久カレンダーRef.5160/500との2モデルになってしまった。こちらも絶滅危惧種と言える。
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上の画像でリューズのすぐ右にハンターケースの裏蓋を開ける為の出っ張りがある。裏蓋の仕上げは数少ないノーマルケースバック仕様を採用するゴールデン・エリプスと同様に縦方向の筋目仕上げが施されている。逆に開いたケースバックの内側は刻印一つない完璧な鏡面仕上げでバニティミラーとして充分使用可能なクオリティーだ。
個人所有の愛用時計の素材バリエーションはPT、RG、YG、SS、チタンそして樹脂(カシオ)も・・何故かWGだけ欠けている。リシャールやウブロのサファイアクリスタルケースなんてのはとても手が届きませんが、WGなら5227Gが有力候補である事は間違いない。

Ref.5227G-010
ケース径:39mm ケース厚:9.24mm ラグ×美錠幅:19×16mm 防水:3気圧
ケースバリエーション:、WGの他にRGYG 
文字盤:ラック・ブラック ゴールド植字インデックス
ストラップ:ブリリアント(艶有)ブラックのハンドステッチ・アリゲーター
価格:お問い合わせください

Caliber 324 S C
直径:27.0mm 厚み:3.3mm 部品点数:213個 石数:29個 受け:6枚
パワーリザーブ:最小35時間~最大45時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:28,800振動
ローター:21金ローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
尚、ムーブについての過去記事はコチラから

文責 撮影:乾 画像修正:藤本




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