
ご無沙汰ブログとなってしまった。先日入荷した本年新作の色気ムンムンのローズゴールドケースのゴールデンイリプス。古くから建築物等に採用されてきた完成されたプロポーションである黄金比率に則ってケースデザインがなされたオリジナルイリプスRef.3546は1968年の発表。天地32mm✖左右27mmのかなり小ぶりなケースは当時としてはごく普通だった。ちなみに現行モデルは39.5mm✖34.5mmと20%以上大きくなっている。今春生産中止となったやや小ぶりなRef.3738ですら約10%大きかった。手巻ムーブCal.23-300が積まれたファーストイリプスのケース厚は判然としないがムーブメント厚たった3mmからして薄型であったことは間違いないと思う。現行モデルのRef.5738は極薄自動巻Cal.240搭載でパテックの現行ラインナップ中最薄ケース厚5.9mmを誇っている。さすがにこの薄さで裏スケルトンは厳しいのか希少なノーマルケースバックが採用されている。

※画像はシールが貼られたサンプルを撮影
ちなみに現行モデル(レディスクォーツモデル除く)でノーマルケースバックはイリプス5738と手巻カラトラバ5196のたった2型のみである。そしてこの両者の金属製裏蓋は見事なまでそっけない。イリプスが縦筋目サテン、5196が鏡面で表面仕上されているのみで文字や数字、紋章等の意匠などが全く無い。知る限りではあるがグランドコンプリケーションの裏スケルトン仕様の永久カレンダー等に付属するノーマルケースバックもそっけない縦目サテンで無装飾。婦人クォーツの裏蓋も同様である。普通現代時計でノーマルな裏蓋にはどちらのブランドも何らかの装飾を施す事が殆どである。むしろエングレーブが深すぎたり、でっぱりが有って着用時に腕廻りに跡形がついてしまうような物も結構ある。装着感上は無装飾な方が良いので、この点でもパテックは実用性を優先しているのかもしれない。その点では実用性を最優先させているロレックスの裏蓋も手首に触れる部分が円形の筋目サテンのみになっている。
尚、これまでコバルト照射に由来するブルー サンバースト カラー文字盤のみに採用されていた18金素材のダイアルがこの黒文字盤には使用されている。現行のプラチナも含めイリプスは全てゴールドダイアルとされた。

冒頭でも触れた薄いケースサイドの画像。このニューモデルで従来のイリプスには無かった新たな仕様が加わった。リューズの頭にカボションのブラックオニキスがジェムセットされている。今年イリプスで唯一の継続モデルとなったプラチナの5738も含め見られなかった仕様。カタログを繰る限りではメンズコレクションでリューズジェムセットはこのモデルのみとなっている。たったこれだけの装飾ながらこの時計の色気度合いをグッと引き上げている。さらに同時発表された別売のカフリンクスを併せれば完璧なフォーマルが決められるだろう。
この時計はパテックには珍しくチョッとつける人を選んでしまう大人の男専科だと思う。
Ref.5738R-001
ケースサイズ:横34.5mm✖縦39.5mm ケース厚:5.9mm ラグ×美錠幅:21×15mm
防水:3気圧
ケースバリエーション:RGの他、PT有り
文字盤:エボニー ブラック サンバースト 18金植字インデックス 18金製文字盤
ストラップ:シャイニー(艶有) ブラック アリゲーター
Caliber 240
直径:27.5mm 厚み:2.53mm 部品点数:161個 石数:27個
パワーリザーブ:最低48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
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乾
2018年9月27日現在 在庫についてはお問合せ下さい。
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新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお付き合いの程お願い致します。
数年前までは大晦日から正月三が日と休んでいたが、たった一日で一年の埃を落として新年を迎える準備が中途半端な上に、新年の三日間は飲み食いに明け暮れる不健康極まりない生活だった。
ここ数年は年末2日間を掃除(レンジと風呂係)と準備(棒鱈と田作り担当)にあて、元日は東大寺(二月堂、手向け山八幡宮、外から大仏殿)に初詣、昼前から至近に住む親父を交え新年を祝う。屠蘇とお節の後は何故かすき焼きで〆るここ数年。今年はこのワンパターンにて無事に過ごせた事がいつに無くとても嬉しかった。

2日からの仕事始めは昨年から和服でスタートしている。仕事の邪魔にならないように袖を少し短めに仕立てた大島紬を羽織りとのアンサンブルで着用。時計はまるでこのスタイルに誂えたかのようなゴールデン・エリプスYGのブルーゴールドのサンバーストダイアルモデル。横巾31.1mm✖縦35.6mmは今や化石のようなコンパクトサイズながら和装には抜群のバランス。深いネイビーブルーのストラップも大島にしっくりと馴染む。愛用実機なので撮影すると小傷だらけはご容赦下さい。
厚み5.8mmは現行全コレクション中で最薄モデルとなる。手巻きカラトラバレディスのRef.4897が6.6mmで二番目となるので本当に薄いが寸胴のようなケースサイドなので存在感はあってそこまで薄さを感じない。

シンプル極まりないバトンハンドの時分針とバーインデックスの組み合わせは実用性が高く日常使いできるドレスウオッチである。尚、ゴールデン・エリプスの楕円形状は古代ギリシャ・ローマの数学者たちが研究した縦横の完璧な黄金比率(1:1.6181)から決定されており、建築や芸術分野に於いて古くから応用されてきた「神聖な比率」がルーツとなっている。

またパテック フィリップの歴史に於いては1932年発表のカラトラバ以来36年ぶりに発表されたクラシックなシリーズでもある。そしてその後10年間くらいはその青い色目がパテックというブランドそのものを象徴していた時代が確実にあった。
また現行パテックコレクションでは標準仕様となっている裏スケルトンを採用していない希少なモデルでもある。笑ってしまうぐらいシンプルで何にもないサテン筋目仕上げ。この例外的仕様は手巻きカラトラバメンズRef.5196(ポリッシュ仕上げ)と2機種のみしかない。ストラップの装着方法も実にシンプルなピン留めでセンターのスリットに摩擦留め用のリングが入っている。

バックルもケース形状に合わせた楕円形状の専用ピンバックルが採用されている。

縁あって愛用している個体は2002年に仕入れており今現在生産されているものと文字盤の仕様が若干異なる。6時のバーインデックス下の白色転写プリントが"σ SWISS σ"となっている。現在生産の個体は"SWISS"のみである。この前後についている"σ"マークはシグママークと言われるものだそうで(ググってみました)文字盤やインデックスに貴金属(金やプラチナ)を使用した証で一種のホールマーク。確かにゴールデンイリプス全4モデルの中で通称パテックブルーともいわれるブルーソレイユカラー文字盤採用のイエローゴールド(3738J)及びプラチナ(5738P)のみが該当する。

尚3738G、Rのホワイトゴールドとローズゴールドは真鍮製文字盤である。またカタログ表記の文字盤カラー"ブルーゴールド"が商標登録されている事も極めて珍しい。このブルーゴールドはデビュー当時は18金文字盤に放射性物質のコバルトを照射する事で作られていたが、現在は社外秘の安全な手法で作られていて真鍮素材でも発色は可能らしいのだがオリジナルへの拘りから金文字盤が採用され続けている。WG、RGに較べて約20万円安いイエローはお買い得感がある。
さて正月、和服、コーディネイトでエリプスととても無理やり感がありそうだが、実は今年がゴールデン・エリプスのアニバーサリーイヤーとなっている。1968年発表のRef.3548(横巾27mm✖32mm)がエリプスの初出となるが現行よりまだ一回り小さかった。サイズ的には現行の丸形レディスコレクション最小33mm径よりも小さかったのだ。もちろん極薄自動巻きキャリバー240(1977年)以前なので手巻きCal.23-300を搭載していた。
10年前の40周年だった2008年にはサイズアップしたプラチナモデルRef.5738P(現行)が出た。今年は50周年ともっと切りが良いアニバーサリーなので期待は高まる。もしかしてのフルモデルチェンジとか・・
年末にエアとホテル予約を済ませた3月のバーゼル。今年もやはりスイスの春が待ち遠しい。
Ref.3738/100J-012
ケースサイズ:横31.1mm✖縦35.6mm ケース厚:5.8mm ラグ×美錠幅:19×14mm
防水:3気圧
ケースバリエーション:YGの他、WG、RG有り
文字盤:ブルーゴールド サンバースト 18金植字インデックス 18金製文字盤
ストラップ:シャイニー(艶有)ネイビーブルーアリゲーター
Caliber 240
直径:27.5mm 厚み:2.53mm 部品点数:161個 石数:27個
パワーリザーブ:最低48時間
テンプ:ジャイロマックス 髭ゼンマイ:Spiromax®(Silinvar®製)
振動数:21,600振動
ローター:22金マイクロローター反時計廻り片方向巻上(裏蓋側より)
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2018年1月7日現在 在庫についてはお問合せ下さい。
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